考えたこと2

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シン・仮面ライダー
2023年が仮面ライダーの50周年で、それで作られた映画。
たしかに、始まったのは、ぼくが中学くらいだったから、そんなものだろう。
石森章太郎の作品だったが、サイボーグ009の方が早かったし、中身がよかったと思う。

初期の漫画家たちのSFマンガというのは、けっこう本格的だった。
それで、サイコキネシスとか、テレポーテーション、サイボーグなどという言葉を知った。
小学生にしてはませた用語だった。

仮面ライダーをテレビで見たとき、なんか幼稚だなと思った。
「変身」のポーズとか、サイクロンベルトとか、なんだかばかばかしい。

この映画もコロナの影響か、疫病とかウィルスとかいうのが出てくる。

登場人物は少ないし、出てくる場面は工事現場みたいなところか、何らかの閉空間みたいなところばかり。
安くあげたのだろう。

シン・ゴジラやシン・ウルトラマンなどは結構面白かったのだが、この仮面ライダーはやりすぎ。
柳の下に三匹目のドジョウはいなかったということだ。

きっと草葉の陰で、石森章太郎は苦笑いをしているだろう。


| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 23:43 | comments(0) | trackbacks(0) |
最後の忠臣蔵
これも録画してみた映画。
役所広司と佐藤浩市がいい芝居をしている。
2010年の作品。

今や忠臣蔵という言葉も若い人には死語に近くなった。
それ何?という人がほとんどだろう。
浅野内匠頭と吉良上野介の松の廊下での諍いや、その後の討ち入りの物語を知っていないと、この映画を見てもわからない。
そういう意味で、最後の忠臣蔵とネーミングしたと思うのは穿ち過ぎか。

ぼくが小学生の頃、祖母が年末に忠臣蔵をやっているとそれを見ながら「忠臣蔵をやると、みんな見る」ということを言っていた。
おそらく、ぼくらの世代の祖父母はそうだったんだろう。

ぼくらはまだ忠臣蔵を知っている。
赤穂四十七士の物語。
おそらく、美談にするためにいろいろ尾鰭がついて、今の話になったのだろう。
一応、実話ということだ。

この話は、討ち入りをして、名誉の切腹をできなかった2人の物語。
それが役所広司と佐藤浩市。

2時間を超える映画だが、最後のシーンは何とも言えない。
今の後期高齢者でも、納得する人は半分くらいかと思う。

まあ、予定されたバッドエンドだ。

それを忠義で美しい死と見るのか、それとも…。

それにしても、ちょっと長すぎる映画だった。



| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 00:06 | comments(0) | trackbacks(0) |
シティハンター
年末から何本かシティハンターのアニメを何本か見た。
80年代のバブルの頃のアニメ。
まだまだ技術が拙く、絵が荒い。
手書きのアニメーターが頑張っていたのだろう。

シティハンターというマンガ、あまり見た覚えがない。
その頃はもう働いていた。

この頃はまだマンガは子どもの読み物という感じが残っていたのかもしれない。
だから、そんなに複雑なストーリーではない。

当時流行った「キャッツアイ」とのコラボもある。
同じ人が描いている。

シティハンターもキャッツアイも、スマートでかっこいい。
バブルの日本を表している。

今海外で流行っているという、80年代のJ-Popの世界だ。

能天気で、楽天的で、シリアスさとバカさ加減が混じっている。
バブルの時の雰囲気はきっとこうだったんだろう。

ぼくにとっては、懐かしさを感じさせるアニメだった。


| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 22:54 | comments(0) | trackbacks(0) |
異動辞令は音楽隊
阿部寛主演の映画。
CATVでやっていた。

阿部寛は滑舌が悪く、何を言っているのかよくわからない。
今回の映画もそうだった。
まあ、そういう人は世の中にいるし、風貌とも合っているので、俳優として成り立つのだろう。
2022年の作品。

一匹狼の刑事がパワハラで訴えられ、警察音楽隊に異動させられる。
異動してもなかなか刑事の仕事が忘れられなくて、音楽などやってられない。
その彼が、周りの影響を受けて、だんだんと音楽隊に馴染み、引っ張っていくというおなじみのストーリー。

題名で、そんな映画だろうなあ、と察しはつくがそれでも2時間見せるところがエライ。

この映画でも出てくるのが、日本の吹奏楽の名曲、「宝島」だ。
これが流れると、なんか感動してしまう。

母親役で認知症の倍賞美津子や、音大での警官役の清野菜名などの脇役にも恵まれた。
でも、いい映画だった。

そういえば、吹奏楽がやりたくて、警察音楽隊に入りたいという学生の相談にのったこともあった。
採用試験に受からないと、ダメだからなあと伝えた。

もう10年以上経つ。

そんなことも思い出した。



| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 11:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
レンタネコ
寂しい人にネコを貸す、というサービスをやっている女性の映画を見た。
NHKBSでやっていたもの。

30代くらいの女性。
時々見る顔だが、名前は知らない。
田中圭が泥棒をやっている同級生の役で出ていた。

泥棒というと物騒だが、事件が描かれるわけでもなく、警察が家に来るだけ。
それ以外は全くの日常。

おばあちゃんとふたり暮らしだったが、亡くなって、孫一人で生活している。
株のトレーダーをやったり、占いをやったりして、生活しているらしい。
おばあちゃんがネコを飼っていて、その流れでたくさんのネコに囲まれている。

川べりの道をリヤカーにネコを積んで、「レンタ〜ネコ、ネコネコ」と言って歩いている。
そこで出会った人のエピソードが映画になっている。

そんなに面白くもないが、くだらないわけでもない。
ネコはかわいいのだが、それほどネコがクローズアップされるわけでもない。

ハイミスの変な商売を題材にした映画だ。

こういう映画が好きな人にはハマるだろう。



| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 18:22 | comments(0) | trackbacks(0) |
君に届け
めったにアニメ以外の邦画は見ないのだが、多部未華子が主演だったのでついつい見てしまった。

暗い真面目な高校生の女子が、だんだんと明るくなっていくというロマンス。
使い古された感があるストーリーだが、なぜか新しい気がする。
それだけ時間が進んだということか。

もとはアニメだったらしく、その評価はいろいろ出ているが、実写版のレビューは少ない。
こういうレビューは、見てよかったと思う人が書くので、良い方にバイアスがかかっている。

ぼくは2時間飽きさせずに見られたということで、星4つ。

しかし、こういう映画の海外でのレビューはどうなんだろう。
ヒロインの行動に共感できる海外の人はいるんだろうか。

日本人だからこそわかる、昔の青春という感じ。

アニメでも見てみたいと思うが、両方見た人のレビューでは別物という感じだったので、どうしようかなと迷う。

可愛らしいヤンキーあり、運動部あり、友達みたいな先生ありで、平成の青春ドラマだった。



| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 17:06 | comments(0) | trackbacks(0) |
夏へのトンネル、さよならの出口
同名のライトノベルが原作のアニメ。
2022年の作品。
よくできた話だ。
こういうのは、2次元アニメが一番向いている。

偶然見つけた、願い事が叶うトンネル。
ただ、そこに入ると時間が早く進む。
だから、ちょっとの間いて出てきたら、何年も経っている。

そういう不思議なトンネルと、そこに望みを託す高校生の男女。
不思議を不思議のまま置いておける、日本のアニメの世界でないと描けない物語。

挿入歌のeillの「プレロマンス」もなかなかいい曲だ。

カナダに行っている留学生とオンラインで面談した時、「日本はマンガとアニメだけで、カナダでは日本の実写映画なんか存在してない」と言っていた。
ほんとに、こういうアニメを見ると、世界でも受け入れられるだろうと思う。

日本の独壇場だろう。



| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 23:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
ルー、パリで生まれた猫
ネコの映画としてはどうなのかなあ、と思う。
お決まりの少女がネコを拾って、一緒に暮らすというところまではいいのだが、そこからが期待とは反する結果。

親の離婚とかあって、人間の世界はややこしい。
動物の世界はシンプルだ。
言葉が話せない分、過去や未来はなく、今しかない。

自然の中で暮らすネコがいいのか、それとも都会で暮らすネコがいいのか、難しい。

ハッピーエンドで終わるハリウッドの映画とは違って、さすがフランス映画という感じ。

いろいろなネコの表情が素晴らしく撮れている。
小さい頃、祖母の家にいたトラネコと同じようなネコだ。

映画の宣伝コピーを貼り付けておく。

「パリで暮らす10歳の少女クレムが屋根裏で見つけたのは、生まれたばかりのキジトラの子猫。母猫とはぐれた子猫を、ルーと名付けて一緒に暮らし始める。両親の不仲に心を痛めていたクレムにとって、ルーとの生活は心安らぐ時間となっていく。そんなある日、森の別荘を訪れたクレムとルーだったが、森である出会いが――。」

それでも、ネコにはいろんな表情があって、楽しめた映画だった。




| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 22:53 | comments(0) | trackbacks(0) |
夏目友人帳
30分アニメの11回シリーズを2シリーズ見た。
シリーズの5と6だ。
この10月からシリーズ7が始まるらしい。
2008年からアニメが始まっている。
息が長いシリーズだ。

緑川ゆのマンガがスタート。
こちらは2007年から連載が始まった。

言ってしまえば妖怪ものだが、ちょっと趣が変わっている。
主人公の夏目の祖母が「あやかし=妖怪のこと」が見える特殊能力を持っていて、いろんな「あやかし」と戦って勝ち、その名前を封印した「友人帳」を残した。
それを知った孫の夏目がその友人帳に載っている「あやかし」たちに、名前を返していくというような大筋だ。

田舎町が舞台で、近所の森にたくさんの「あやかし」が住んでいたりする。
夏目には「ニャンコ先生」という強い「あやかし」のパートナーがいて、協力していろんな「あやかし」と関わっていく。

おどろおどろしい、怖い感じは薄くて、「あやかし」の側の理屈もあって、戦闘シーンなどはほとんどない。
ほのぼのとしたエピソードもあって、単なる「妖怪もの」ではないところが長く続いている秘訣なのだろう。

大学生から勧められて見たのだが、何となく普遍的な日本の風景が描かれていて懐かしい感じ。
時々町に行くが、そんなに現代的な町でもない。

こういうのを若い人たちが面白いと思うのは、ちょっと意外だった。

ぼくはわりと面白く見たが…。

でも、さすがにこういうのは海外ではウケないような気がする。

録画しておいて、暇なときに少しづつ見るにはいいと思う。


| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 19:05 | comments(0) | trackbacks(0) |
雨を告げる漂流団地
Netflixの映画「雨を告げる漂流団地」をWowowでやっていたのを録画した。
こないだ書いた「ペンギン・ハイウェイ」の監督。

今回の作品もファンタジーのジャンルになるのだろうが、少し重たかった。
家族と家、友達というところがテーマ。
主人公の女の子は、家庭不和で離婚した母親と暮らしている。
幼なじみの男の子のおじいさんと仲良しだった。

その2人が住んでいた、老朽化して建て替えをする無人の団地が舞台。
どういうわけか、その団地が海に浮かんで進んでいく。
そこに集まっていた友達5人と一緒に漂流する、という物語。

ちょっと現実離れしていて、感情移入が難しかった。
家族の心理を扱うと、どうしても重くなる。
それを描くのに、なぜ団地が漂流しないといけないのかなどと考えてしまう。

まあ、それがファンタジーと言ってしまえばそれまでなのだが…。
登場する小学生はわりと魅力的なのだが、違う舞台ならもっと輝いているように思ってしまう。

ただ、Zutomayoの曲は良かった。
彼らのいつもの曲より、ポップでキャッチーだ。
映画を意識して作ったのだろう。

重たいからイヤというわけではないのだが、ちょっと設定が受け入れられなかったアニメだ。




| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 23:25 | comments(0) | trackbacks(0) |
SAND LAND
鳥山明の原作。
去年公開された映画。

鳥山明の作品をぼくはほとんど知らないが、亡くなった時に海外の要人からもメッセージが来ていた。
あのマクロン大統領も、弔事を送ったほどだ。
そんなに人気があるのかと思って、WOWOWでやっていたのを何本か録って見た。

ドラゴンボールZのシリーズを3本ほど見たが、あれはほとんど戦いのシーンばかりでちょっと消化不良。
キャラクターに思い入れがなければちょっとしんどい。

最後に見たのが、完成度が一番高いと言われている「SAND LAND」。
このアニメはよかった。

無国籍で、人間だけではなく悪魔も住んでいる世界。
そこで国王軍に裏切られた元将軍と、悪魔の王子が協力して正義をなす、というストーリー。

何となくマカロニ・ウエスタンを思い出した。
厄介者が正義をなす。

鳥山明の作るキャラクターの絵は、多分にマンガチックだ。
京アニのような精緻な絵ではないが、見ていると惹きつけられる。
そういう画作りをしている。
これが海外の少年少女を魅了したのかもしれない。

遅まきながら、鳥山明を追いかけたいと思う。



| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 20:56 | comments(0) | trackbacks(0) |
ペンギン・ハイウェイ 3
ペンギン・ハイウェイについて書くのは3回目。
2019年にアニメを見て、小説を読んだ。

夏休みにWOWOWでやっていたので、録画しておいた。
覚えてないシーンもたくさんあって、2度見ても楽しめる。

今となっては、よくアニメ化したものだと思う。
小学生の研究者、ハマモト君とお姉さんの微妙な関係。
それはとてもうまく描かれている。

少年の夢は大きい。
それは若さの特権かもしれない。

「私は君が本当の大人になるところを見たかったよ」

というお姉さんの言葉が耳に残る。

物語はSFを題材にしているが、それは少年とお姉さんの関係を描くためのものだと思う。
題材は時空のねじれみたいなものだが、それをうまくペンギンと結びつけて、夢のあるストーリーにしているところが作者の才能だ。

本当にいい映画だと思う。




| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 00:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
碁盤斬り
映画の話題が続く。

「碁盤斬り」は江戸落語からできた時代劇。
もとの噺も聞いたことはなかった。
聞いても、ほとんど落語の感じは残ってないように思う。

やっとAmazonプライムで見られるようになったので、スマホからキャストして見た。
映画館は暗いから、暗いシーンでも見ることができるが、明るい中でテレビでみると、ちょっと見にくい。
そこはどうしようもない。
やっぱり映画は映画館で見るか、部屋を暗くしてみるしかない。

元SMAPの草薙くんが主役の侍をやっている。
どうしても、現代的なイメージが頭の中でついて回るので、個人的には違和感が残る。
正義感が強い、碁打ちの、藩を追放された浪人役。
娘を清原果耶がやっている。

2つの冤罪を晴らすという物語。

落語が元になっているということだが、もう一つ脚本に工夫があってもよかったと思う。

主役は好演しているし、清原果耶もはまり役なのだが、そこが惜しい。

ちょっともったいない映画だった。


| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 10:37 | comments(0) | trackbacks(0) |
マイ・インターン 2
以前、シニア・インターンの映画にロバート・デ・ニーロが出ていて、その映画について書いた
それが2015年。
もう9年経つ。

WOWOWでやっていたので、録画してもう一度見た。
同じところで、この場面いいなあ、と思う。
Facebookにデニーロがアカウント登録をするところだ。

好きな言葉は?とアン・ハサウェイが聞くと、迷わず「You're never wrong to do the right thing.」と答える。
「あなたの言葉?」
「そうだ、たぶんマーク・トゥエインも言ってる」
ちょっとアンが顔をしかめて笑う。
その後、ショーファーで送っていって、どういうわけか「サヨナラ」という挨拶。
デニーロは「サヨナラ」で返す。

彼の言葉はいつも正しい。

カジュアルのオフィスで一人だけスーツとネクタイ。
70歳の時代遅れという感じ。
それでも、いつの間にかみんなの信頼を集めている。

女性社長が頑張るという映画だが、フェミニストっぽいところはない。
ごく自然体でやっている。

こういう映画は何度見てもいい。




| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 19:56 | comments(0) | trackbacks(0) |
超高速!参勤交代リターンズ
以前、超高速参勤交代という映画を見た。
ドタバタコメディの要素が強かった。
こんな時代劇もありか、と思った。

まあまあ面白かったのだが、WOWOWでその続編をやっていた。
それが「超高速!参勤交代リターンズ」。

続編とはいえ、こちらのほうが楽しめる。
参勤交代で江戸に上がって、帰り道の話になるのだが、帰り道というより帰ってからの大騒動がメイン。
同じ時代劇でも「峠」のような、司馬遼太郎の小説の力を借りたものとは大違い。

荒唐無稽ではあるが、余分な情報が入らないのが時代劇の良さ。

それを地で行った映画だった。

こういう時代劇をもっと作ってほしい。

藤沢周平や山本周五郎の人情物もいいが、作家で脚本家の土橋章宏氏の「超高速!参勤交代リターンズ」はもっと評価されてもいいと思う。


| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 21:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
若い頃には司馬遼太郎をいくつか読んだ。
彼の作品には、彼の思いがだいぶ入っているようだ。
それが作品を面白くしているのだが、批判する人もいる。

当然、当時はそんなことは知らずに読んだ。
「坂の上の雲」が最初で、高校3年生だった。
秋山兄弟と正岡子規が主人公。
日露戦争のバルチック艦隊の撃退の話だった。

司馬遼太郎はファンが多い。
「竜馬がゆく」など、ドラマや映画になって、役者が心酔していた。
ある意味、司馬の史観が小説を通じて日本人に伝わったのだろう。

あくまでも、小説として読めばいいのだが、実際に存在した人が出てくるので、どうしても半分ノンフィクションとして読んでしまう。
半分ならいいが、全部事実だと思う人もいる。

これが実際に起ったことならいいのだが、正しい歴史などわからない。
いろんな学説があり、その時にその人がどう思ったかなど、わかる由もない。
そこが落とし穴なんだろうと思う。

連休中に司馬作品の「峠」をやっていた。
「峠」は明治維新の時の長岡藩士、河井継之助の話だ。
大政奉還のあと、薩長の横暴に反感を持って、武士の徳川家への報恩を尽くすという物語。

大昔に読んだので、あまり覚えていないが、司馬作品は中身が濃いのでごく一部を映画化したという感じ。
まあ、コアの精神性を映画化したということか。

ちょうど日本の高度成長の時代と、司馬の作品の隆盛は同時期になる。
というか、高度成長の時流に乗って、日本人スゴイ、という意識を増長したのだと思う。
そんな事を考えたのは最近だが…。

そんなわけで、ちょっと中途半端な映画だった。




| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 19:05 | comments(0) | trackbacks(0) |
駒田蒸溜所へようこそ
P.A. WORKSという会社が「お仕事シリーズ」というアニメを作っている。
その長編アニメを初めて見た。
「働くこと」がテーマになっているアニメだ。

モデルは富山の蒸留所らしい。
2023年の11月に発表されている。

駒田蒸溜所というウィスキーの製造をやっているところが舞台。
家族経営で、「独楽」というウィスキーを作っていたが、地震で蒸溜所が潰れ、ウィスキーを作ることができなくなり、焼酎を作っている。
ずっと引き継いできた「独楽」を復活させたいと、美大で絵を習っていた娘がウィスキーを一から勉強して、復活をさせるというストーリー。

兄が父親の決断に離反して家を出て、大手の酒造メーカーで働いているが、その絡みもある。

主人公はWeb記者の、転職5回目の25歳の若者。
よくある、自分のやりたいことを探していて、仕事に身が入らない。
その彼が、だんだんとウィスキーづくりの取材をするうちに、仕事が楽しくなり、一人前になるというストーリー。

実写でも作れる映画だと思ってみた。

なぜアニメにしたのだろう。
アニメでないと表せないシーンは思いつかないが…。

強いて言えば、余計な情報をなくし、展開をシンプルに追うことができる、ということか。

そう思ってレビューを見ると、星5つもあれば2つもある。
評価が分かれる作品なのかもしれない。

でも、ぼくの仕事の立場で見ると、いい話だった。

自分探しなどやめて、今やっていることを一生懸命やってみよう、ということだ。


| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 22:29 | comments(0) | trackbacks(0) |
Cry Macho
クライ・マッチョというクリント・イーストウッド監督・主演の映画をBSでやっていたのを録画して見た。
彼が90歳の2022年の作品。
90歳で主演というのは、すごい。

年老いた馬の調教師とその雇い主の息子のロードムービー。
ロードムービーというほどでもないが、テキサスからメキシコに行って、帰って来る。
途中、メキシコのギャングや警察に追われ、危ない目にもあうが、さすがに主演が90歳だから、そんなにアクションシーンなどない。

90歳のアメリカ人のカウボーイが、家を出た若者にとつとつと話す。
多くは語らないが、説得力がある。

だんだんと若者が心を開く。

そういう映画だ。

クリント・イーストウッドの名演技というより、自然な演技に見える。

大俳優の秀作だった。

| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 20:13 | comments(0) | trackbacks(0) |
ゴジラ-1.0
「ゴジラ-1.0」をWOWOWで録画して見た。

戦後すぐが舞台。
焼け野原の日本に占領軍が来るが、そこにゴジラが現れる、というストーリー。

なかなか面白かった。
映画館で見るほどのものでもないと思う。
作品としてはシン・ゴジラのほうが上だろう。
それでも、ゴジラというネタに新たな歴史を付け加えた。

博士役の吉岡秀隆がなかなかいい。
当時の機材と知識でゴジラに立ち向かう。
戦後すぐの時期、アメリカは対ソ連の対策で忙しいから、ゴジラのことは日本に任せるという筋書き。
うまいこと史実を使ったなあ、という感じ。

ネタバレだが、見事なハッピーエンドだ。

日本人の好きな特攻くずれの生き残り。
それが主人公。

もう一度命を賭してゴジラに向かっていく。

制作者は何を表したかったのだろうか。


| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 22:57 | comments(0) | trackbacks(0) |
五等分の花嫁
GWにやっていたアニメ。
30分のアニメのシリーズだったが、まとめた劇場版のアニメがあったのでそっちで見た。

母を亡くした五つ子の姉妹と、家庭教師の同級生の友情と恋というアニメ。
実際の父はもう別れていて、今は母の主治医が父になっている。
このアニメ、こういうのが好きな人は毎週見られるのだろうが、ぼくは無理。
シチュエーションが変わっていて、生活感なさすぎ、という感じ。
ある意味、脳天気な状況だ。

結局、家庭教師と5人の中の一人が結ばれるのだが、5人それぞれのケースがシュミレーションされるので、見ていてもいったい誰を選ぶのかというところはある。
それでも、延々とそれが続くので、見ていてもどかしい。

調べてみると、結構新しいアニメで、今でもヒートアップしている。
講談社がやっており、カードゲームやライトノベルが発売されたり、イベントが開催されている。
対象年齢はいくつくらいなのだろうか。

これはあまり大人向けのものではないなあ。

それでも、笑えるシーンもちょっとあって、日本アニメの奥深さを見た気がする。

横浜アリーナでイベントをやるらしいが、どんなことをやるのだろう。
グッズ販売等もやるみたいだ。

出版社もメディアミックスで儲けようとしているから、大変だ。

こういうのは、海外ではどうなんだろうか…。





| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
大名倒産
WOWOWで録画して見た。
浅田次郎原作の映画。
2023年の作品。

父親の代の放漫経営で、借金を背負った藩の財政を建て直すという映画。
父親と2人の兄はもう隠遁生活している。
そこで、若い頃に手を付けた婚外子である、主人公が突然藩主となり、財政再建するというお話。

よくあるストーリーで、そんなに面白みもないが、それが若い人たちにとっては新しいのかもしれない。

支出削減のために、3つあった屋敷を一つにするとか、無駄な出費を減らすとか、そういうしんどいところは簡単に描かれる。
そこを実行するのが一番苦労するのだが…。

そこは割り切って描き、親子、兄弟の人間関係に力を入れている感じ。

その分、早く終わるので、見るのがしんどくない。
手軽に見ることができる。

そういうメリットもあるのだろう。

スピーディーに面白く見ることができる。

そういう映画だった。




| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 11:47 | comments(0) | trackbacks(0) |
猫の恩返し
金曜ロードショーでやっていた。
ジブリの作品。
ジブリはよくネコを出す。
ファンタジーにはネコが似合うのだろう。

今回はバロンという人間のようなネコが主演男優という感じ。
ネコの国に行くのだから、周りはみんなネコだが…。

ヒロインは高校生の女の子。
彼女がトラックに惹かれそうになったネコを助けたことから、物語は始まる。
題名の印象からは裏切られる感じ。
なかなか面白かった。
いつもはイメージの悪いカラスがいい役で出てくる。

正装のバロンもよかったが、やっぱりネコはネコの姿の方がいい。
魔女の宅急便のキキみたいなものだ。

事情があって、地上波を直接見た。
相変わらず、CMの多さには辟易する。

あれだけCMを挟まれたら、感動などできないだろう。

何とかしてほしい。



| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 23:29 | comments(0) | trackbacks(0) |
黒鉄の魚影
名探偵コナンの「黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン)」を録画で見た。
去年ロードショーの26作目で、興行収入100億円を突破してシリーズ最高だったということだ。
ノーカットということだが、録画しておいて、CMを飛ばして見る。

このシリーズ、登場人物がだんだん増えて、FBIやインターポールも出てきて、国際的になってきた。
人物の相関図も複雑になって、いきなり見ても、わかりにくいだろう。
それらを全部ひっくるめてやろうとすると、難しくなるから、今回は少年探偵団や毛利小五郎の出番は少なかった。

でも、そうしたおかげでわかりやすくなり、いい作品になったと思う。
それが興行収入にも現れたのだろう。

昔は、4月の終わりになると、映画館に連れて行かないといけなかった。
でも、ぼくはアニメ好きだから、半分は自分の楽しみだった。
映画館で見た頃が懐かしい。

この年令になると、映画館に一人で観に行くのは気が引ける。
毎年、新シリーズの公開前になると、前年度の作品をテレビでやるから、その時に見たりする。

2次元のアニメだが、3DのCGも使われる。
以前はわざとらしい使い方だったが、新しい作品を見ると、だいぶ自然になった。
技術が進んだのだろう。

こういうアニメを見ると、アクション場面は実写ではできないという強みがあると思う。
毎回コナンがクライマックスでピンチになり、靴からサッカーボールを出してキックするのだが、そういうシーンは2次元アニメならでは、という演出になる。

97年からやっている映画のシリーズ。
今年で27年目。
アニメは今や40カ国で放映されているという。
こういうアニメが日本にはいくつもある。

文科省がクールジャパンと称して、いろんな箱物を作って海外で宣伝したが、ムダなことだった。
金の無駄遣いだ。

でも、ちゃんと日本のアニメやマンガは海外で存在感を見せている。

これは日本の財産だと思う。



| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 23:26 | comments(0) | trackbacks(0) |
すずめの戸締まり
正月にWOWOWでやっていたアニメ。
新海監督の2022年の作品。

まあ、面白いといえば面白いのだが、何だか見ていてしんどくなる。
この監督、よほど地震や天災をテーマにしたいのだろう。

地震が地中にいる悪いものによる、というのは日本人の理解しやすい伝承だ。
それをおさめるために、扉をしめる、何らかのくさびを打つ、というのもわかりやすい。

地震で母を失った高校生が主人公。
自分の忘れていた過去を思い出し、生きていくというようなテーマだ。

前半はその戸締まりの閉じ師との出会いと、各地の地震をおさめていくというストーリー。
後半は地震が起こった故郷への旅。
全体を通じて、九州から東北へのロードムービーとなっている。

各地で助けてくれる人と出会い、成長していくというお決まりのストーリー。

新海監督の得意な時間の巻き戻しも出てくるし、ロマンスもある。

でも、天災をテーマにするというのが、しんどい。

新海監督の他のアニメを見ていなければ、純粋に楽しめたかもしれないけど…。



| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 20:47 | comments(0) | trackbacks(0) |
ヴァイオレット・エヴァーガーデン その2
前に地上波でやっていた劇場版のアニメを見た。
今回、Wowowでシリーズ3本ともやっていたので、特別編、外伝編もやっと見ることができた。

このアニメ、無国籍で時代背景も創作なのだが、イメージとしてはヨーロッパの第一次大戦後あたりの感じ。
手紙の配達人のバイクや、手回し式の電話、タイプライターなどがそれを思わせる。
でも、あくまで創作でぼんやりしている。

劇場版が完結編なので、逆の順番で見たことになる。
それでも、一つ一つのアニメの完成度は高く、さすが京アニという出来栄え。

手紙の代筆をする、という商売。
これが魅力的だ。
手紙には力がある。

これぞ世界で通用するアニメだ。
アニメの世界にガラパゴスはない。

それぞれのエピソードは、思いを届けるという「手紙」を通して、人と人との結びつきを描いたもの。
もともと、戦争のために育てられたヴァイオレットが、戦後手紙の代筆を通して、人として成長していくドラマ。

ディズニーの3Dアニメはどちらかというと子供向けだが、これは大人向けだ。
少なくとも中学生くらいなら楽しめるが、メインは大人がターゲットだろう。
そういう2Dのアニメは日本の独壇場だと思う。

できれば特別編、外伝、劇場版の順で見るのが正解。

海外で日本のアニメが称賛されているが、それはこういう作品があるからだと思う。



| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 21:25 | comments(0) | trackbacks(0) |
君を愛した一人の僕へ
2022年のアニメ。
この作品は「僕が愛したすべての君へ」と対になっている。

SFではおなじみの、パラレルワールドの物語。
未来の話だ。

パラレルワールドの研究者の息子が、親の離婚でどちらについていくかというところが分かれ目となる。
すでにこれを書いてしまうということがネタバレになるのだが…。

片方の世界では少年は一人の症状を救おうとする。
もう片方の世界では、その少女は出てこない。
別の研究者の同僚と結婚する。

物語はその少年の一生を描くのだが、2つとも見ないと腑に落ちない。

Tiktokで評判になったらしい。
2016年に発表された、乙野四方字の2つの小説を映画化した。

2つのプロダクションで制作し、同時に公開した。
パラレルワールドものだけあって、どっちから見てもわかると思う。
ぼくはWOWOWの番組の順番で、君→僕の順番で見た。
そちらの順番で見るのが正解だと思う。

細かいところでいろいろ疑問はあるのだが、それは無視しよう。

結局、こんなパラレルワールドを認めてしまうと、何が真実かは世界の数だけあって、ややこしくなると思う。

話としては面白いが、そこをどう考えるかだろう。

単純にフィクションとして楽しめればいいのだが。

| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 22:52 | comments(0) | trackbacks(0) |
エヴァンゲリオン
いつか見ようと思っていたエヴァゲリオンの映画を4本見た。
Wowowで年末やっていたのを録画した。
エヴァンゲリオンの「序」、「破」、「Q」と「シン・エヴァンゲリオン」の4本。

一言でいうと、疲れるアニメだった。
メカものかと思っていたが、そうでもない。
「序」はまだそうでもないが、だいたい敵がわけの分からない「使徒」というもの。
いきなり人類の半分が一度滅んだセカンドインパクトの後の世界で始まる。

中学生の男子が主人公。
普通に2年A組に通っている。
一方で、すごい兵器が出てくる。
このアンバランスがなんとも言えず違和感がある。
居酒屋や自販機も普通に出てくる。

「破」を見ると、主人公の父親(エヴァンゲリオンを作った科学者)との関係が主題だと見えてくる。
親子のコンプレックスに悩む中二病、という感じだ。
昭和の時代の「今日の日はさようなら」とか「翼をください」とか少年少女合唱団の歌が挿入される。

「Q」は2012年作。
だいぶ絵もきれいになった。
14年後の世界が描かれる。
ここでは完全に親子コンプレックスが主題だとわかる。
父親が悪役で、人類補完計画というのが出てくる。
ムダに長い戦闘シーンを経て、主人公が自らサードインパクトを起こし、大量の人が死ぬ。

最後は「シン・エヴァンゲリオン」。
2021年作だけあって、3DのCGも入ってくる。
2時間以上で長い。
主人公の葛藤がすごい。
人類を一度は助け、一度は滅ぼすということをやってしまっている。

不思議なのはこのエヴァンゲリオンがどうして人気があったのだろう、ということだ。
親子のコンプレックスのために世界を2回滅ぼすというのは、コンプレックスの強さとしてはすごすぎる。
そこまでいかんでも、と思う。

また、そういうテーマだから、小学生や中学生にはわからないのではないかと思う。

今見てみて、なぜエヴァンゲリオンが流行ったのかは、ぼくにとっては謎だった。


| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 23:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
シン・ウルトラマン
WOWOWでやっていた。
2022年の作品。

「シン・ナントカ」というと、シン・ゴジラが思い浮かぶ。
その二番煎じという感じ。
出来はやはりシン・ゴジラがだいぶいいと思う。

政府のドタバタ感も、特撮へのお金のかけ方も、シン・ゴジラが上だ。
シン・ゴジラが大人だとすると、シン・ウルトラマンは子供という位置づけ。

だから、見る価値がないかというとそんなことはない。

シン・ウルトラマンの「シン」は信頼の「信」だろう。
わりと少年ジャンプの世界感に近いのだが、「友情・努力・勝利」というとちょっと違う。
テーマは「バディ」。
「仲間への信頼」ということだ。

シン・ゴジラと違って、ハッピーエンドというところも救われる。

映画は「子供」でもいいのだ。

斎藤工という俳優、たいがい使い所がわからないのだが、今回は珍しくハマっていた。

そういう意味でも珍しい。

| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 14:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
神在月のこども
WOWOWでやっていた、2021年のアニメ映画。
11月は出雲に日本中の神様が集まっていなくなるから、日本語では神無月という。
でも、出雲では逆に神在月になる。

走るのが得意な母と一緒に走っていたヒロイン。
その母が急死して、走ることが怖くなる。

そこに現れたウサギの姿をした神様と、緑の髪をした鬼。
その2人と一緒に出雲の神の祭りに、各地の神に頼んでごちそうを集め持っていくというロードムービーがこのアニメ。

例によって、ごちそうを集めに回ったり、鬼に走り方を教えてもらったり、亡くなった母に会ったりという道中のイベントがある。
これも2次元アニメならではの映画だろう。

母の死を乗り越えるイニシエーションがテーマだ。

エンディングのmiwaの歌もよく合っている。

日本の神道について、興味を持ってもらうことも目的かもしれない。
だから、文化庁が絡んでいるのかも…。

でも、なかなかいい映画だった。




| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 19:29 | comments(0) | trackbacks(0) |
かがみの孤城
WOWOWで録画して見た。
原作が辻村深月。
2018年に史上最多得票数で本屋大賞を受賞した小説をアニメ化したとのこと。

全く予備知識なしで見たのだが、このアニメは今の若い人たちに支持されているのだと思う。
不登校の子どもたちの話だ。
それをかがみの世界の孤城を舞台にして、だんだんと謎解きしながら進んでいく。
今の学校が先生も含めて、彼らの助けになっていないことを描いている。

いろんなきっかけで不登校になる。
そういう仲間が集められて、かがみの孤城でだんだんと仲間になっていく。

主人公を含め、全員が中学生。
今の中学校の問題をいろんな意味で描いている。

この原作は、アニメでしか描けなかっただろうと思う。
作者もそれを予想していたのではないか。

きれいな画作りで、日本の得意な2次元アニメの秀作だ。

でも、海外では理解されるのだろうか。
今の日本の病んでいる学校がわかるのだろうか。

いい問題提起の映画だったと思う。

でも、この映画がみんなに理解される現状はあまり良いものではないと思う。


| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 20:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
僕はラジオ2
「僕はラジオ」2003年だから、20年前の映画。
2006年にこの映画をテレビで見て、記事を書いた。

昨日この映画をやっていたので、もう一度テレビで見た。
何度見ても、いいものはいい。
知的障害を持つ若者と、フットボールコーチの教師の関係。
古き良きアメリカの道徳を感じた。

知的障害を持つ若者の面倒を見始めて、先生も生徒も変わった。
そして、コーチは「実は教えられていたのは自分たちだった」と言う。

前にも書いたように、コーチが娘に自分の少年時代の話をする場面が、ぼくは好きだ。
ただ、話すだけだが、それで娘も納得する。

これが実話だというのが、本当に驚く。
最後に、2003年当時のコーチと本人の姿が映る。

何度も見てもいい映画はいい。





| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 21:13 | comments(0) | trackbacks(0) |
Blue Giant
連休の最終日に、近所の映画館でやっていた「Blue Giant」を見た。
ジャズのミュージシャンを目指す若者の映画だ。
5日間ほどの限定上映。
次男が見て、これはベストだと言っていたので見たかったのだが、なかなかやっているところが見つからなかった。

小さなスクリーンだったが、この映画は音が大事。
特別音響、ということで前にスピーカーが置かれていた。

この映画は主人公がテナーサックスプレイヤー。
楽器歴3年でほとんど我流で学んだという。
このあたりはちょっと無理があると思うが、アニメだからOKだ。

トリオでの演奏で、残り2人は主人公がライブハウスで見つけた、4歳からやっているピアノと、トリオを組んだときからドラムを叩き始めた旧友。
ドラムが素人というのも無理があると思うが、アニメだからOK。

音楽はジャズピアノで有名な上原ひろみ。
実際にトリオでプレイしている。
この音楽がストーリーと相まって没入できる。

圧巻はクライマックスのライブ。
この場面では本当に音楽のチカラを感じる。
2D、3Dの画面と音楽が融合している。

ライブが終わったら拍手をしたくなるのだが、この上映は拍手禁止だった。
拍手OKのところもあるらしい。

ジャズはあまり今の若い人たちには受け入れられていない、と劇中でも説明される。
今はイントロなし、サビから入り、3分程度で終わる、という曲しか流行らないという時代。
ジャズのように、テーマがあって、アドリブを回すというような冗長な音楽は好まれない。
だいたい、ライブではいつ終わるかもわからないのだ。
タイパ(タイムパフォーマンス)重視というような、早送りで映画を見るような世代には向いていない。

達人たちが音楽で会話する、という感覚はオーディエンスにも伝わる。
それがいいのだ。

見に来ている人たちは、若くても30代後半くらい。
高齢者が多かった。

エンドロールで立つ人は一人もいなかった。

アニメとジャズの融合という新しいジャンルを作ったと思う。


| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 21:10 | comments(0) | trackbacks(0) |
散り椿
葉室麟の原作。2018年の作品。
WOWOWでやっていた。
岡田准一の主演の時代劇映画。

お家騒動で正論を唱え、脱藩した侍とその妻。
異国の地で亡くなった妻との約束を守って、生まれ故郷に帰り、友を助けて「生きる」という映画。
葉室麟らしい、筋運びだ。

ちゃんと殺陣のシーンで切られたら血が出る。
そういうリアルな殺陣。

テーマは「生きる」。
もともとは妻の死を弔って、死ぬつもりだったが、友や妹の言葉もあって「生きる」ことを選ぶ主人公。
抑えた演技で、クライマックスの殺陣につなげる。

「散る椿は、残る椿があると思えばこそ、見事に散っていけるもの」という言葉がタイトル。
残されたものは生きなければならないのだ。

岡田准一は時代劇でいい仕事をしている。

いい映画だった。




| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 23:44 | comments(0) | trackbacks(0) |
コーダ あいのうた
「コーダ あいのうた」という映画をWOWOWで見た。
2022年のアカデミー賞の作品賞などを受賞した作品。
耳が不自由な、ろうの家族に生まれた健常者の娘が音楽の先生に認められ、音楽大学に進学するというストーリー。

家族の生業は漁師。
安く魚を買い叩かれ、協同組合を作り、自分たちで売るという道を選ぶ。
家族にとって、健常者の娘は手話通訳として必要だった。
しかし、歌が好きで音楽大学に行きたいという葛藤がテーマ。

家族の犠牲になるのか、自分の道を選ぶのか…。

主役のエミリア・ジョーンズは歌もうまいし、手話もうまかった。
スターマンや青春の光と影など、懐かしい歌が流れて、嬉しい。

Codaという言葉は音楽用語のことかと思ったら、”Children of Deaf Adults”という意味だ。
耳の聞こえない両親に育てられた子供、ということ。

最後に音楽学校に進学するために家を出るシーンは感動的。
父親も、母親も、兄も、今まで何かと頼ってきた主人公を送り出す。
入試のオーディションで主人公が手話を使って歌詞を伝えた。

役者もうまいし、何より歌が良かった。

さすが作品賞だ。



| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 19:49 | comments(0) | trackbacks(0) |
ヴァイオレット・エヴァーガーデン
京都アニメーションの作品。
こないだ地上波で劇場版をやっていたのを録画して見た。

ドールという架空?の仕事をしているヴァイオレット・エヴァーガーデン。
無国籍のアニメだ。
文字もオリジナル。
ドールは手紙の代筆業という設定だ。

そこで働くヴァイオレット・エヴァーガーデンは、戦争中に少佐に引き取られた。
感情を持たない少女。
戦争で少佐も彼女もケガをして、戦後を迎える。

ネタバレはしているのだが、このアニメは見ないと何のことかわからない。
ストーリーを言えば10分ほどで終わる。
ラブストーリーはそんなものだ。

戦争が終わって、亡くなったと思っていた少佐が生きていることを知り、再会を果たす。
感情的な紆余曲折を経て…。

でも、よくできたラブストーリーだと思う。
手紙の代筆業というのがいい。
電話ができて、手紙は廃れるが、それでも手紙でないと伝えられないものもある。
こういうのは2次元アニメでないと、伝わらないものがあるように思う。

このストーリーを実写でやっても、クサイ芝居になりそうな気がするのだ。
無駄なところを削ぎ落として、2次元アニメだからこそ表現できる、という気がする。

それにしても、録画で飛ばすとはいえ、CMの多さには辟易とする。
これでは誰も民放は見ないだろう。
短くても3分、長ければ4分もある。

残念ながらNetflixでしか見られない。
早くアマゾンプライムで見られるようになってほしいものだ。


| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 17:45 | comments(0) | trackbacks(0) |
岬のマヨイガ
2021年8月の作品。WOWOWでやっていた。
いいアニメだった。

舞台は東北で、震災の津波で大昔に封じ込められていた邪悪なものの封印が取れて、出てくるというファンタジー。
こういうジャンルは、2次元アニメの独壇場だろう。

不幸な過去を持った2人の少女と、不思議なおばあさんの物語。
題名の「マヨイガ」というのは虫の「迷い蛾」のことかと思ったら、「迷い家」のことだった。

なぜカタカナにしたのか、わからないところ。
大竹しのぶや芦田愛菜が声をやっているが、あまり関係ない。
震災のしがらみも、11年も経ってあまり関係ない。
単にいいアニメということだ。

妖怪ブームにあやかったのかどうかはわからないが、いろいろ出てくる。
理屈など関係なく、怖さもない。
そこがなんとも2次元アニメ。

舞台は東北の大震災だが、それは単なるシチュエーションだ。
ことさらに震災の被害を強調しないところがいい。

細かいところはどうでもいいのだ。
それを言い出すときりがない。

そういうことを全部飲み込んで、楽しめるアニメだった。

| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 22:34 | comments(0) | trackbacks(0) |
思い、思われ、ふり、ふられ
高校生の恋愛もののアニメ。
これでもか、という内容を突っ込んでいる。

2組のカップルがお互いに結びつくまでのストーリー、と言ってしまえば、それだけのこと。
キャラクターの設定がよくできていて、単純だが飽きさせない。
適度にドロドロしていて、適度にあっさりしている加減がちょうどいい。
こういうのは、日本のアニメの独壇場だろう。

アニメだからこそ、ギャグっぽいセリフのときには完全に顔がギャグ漫画になる。
今のアニメは表情の描き方も上手にデフォルメされているから、実写よりも面白い。
こういう細かい所のノウハウが日本のアニメの強みなのだと思う。

まあ、こういうアニメにありがちな、現実離れした学校や文化祭、親子関係、友達関係なども、アニメだから許せるという感じ。
女性はみんなかわいくて、男性はみんなイケメンだ。
それでも、こんな設定ありえへん、という気にはならない。

若い人たちにアニメの声優やアニメーターという職業が人気があるのは、さもありなんと思う。

結局日本が得意な2次元のアニメーションというのは、そういう夢の世界を描いているのだろう。
たとえ、それが日常生活のドラマであってもだ。

だから、還暦を過ぎても楽しめる。

余計な情報がない分、ディテールを描くことができる。

それが2次元の良さだと思う。




| hdsnght1957kgkt | 映画・舞台 | 23:37 | comments(0) | trackbacks(0) |
空の青さを知る人よ
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』、『心が叫びたがってるんだ。』に続く永井龍雲のアニメの3部作。

劇中で出てくる「空の青さを知る人よ」という歌は、あいみょんが歌っている。
大人も泣ける感動アニメ、と言われているらしい。

秩父の田舎を舞台にしたアニメ。
聖地巡礼も行われている。
熱心なファンがいるのだ。

高校の同級生の男女と、その女性の妹の物語。
高校生の妹のほうが主人公だ。
エレキベースを弾く女性がYoutubeによく出てくるが、この映画の影響かもしれない。

プロのギタリストになることを夢見て東京に出た男性と、秩父に残って市役所に勤めた女性。
その男性の生霊も出てくる、ファンタジックなアニメだが、不思議にそんなにファンタジーを感じない。
ここが2次元アニメのいいところ。

妹が、姉が好きだった高校時代の男性の生霊と恋に落ちる。
でも生霊は消えてなくなる運命。

ストーリーは、姉妹でずっと暮らしてきた2人の関係を描き、その人生を描く。
なかなかいい話。
実写では描けない、アニメだからこそ描けるものだと思う。

こんなアニメも作れるようになった。
3次元では作れない。
リアルすぎるからだ。

赤いギブソンのエクスプローラー。
わりとレアだが、このアニメを見るとほしくなる。

この映画はよかった。


| | 映画・舞台 | 00:36 | comments(1) | trackbacks(0) |
天気の子
去年の映画。
「君の名は。」の次の新海監督のアニメ映画。
WOWOWでやっていた。

何とも不思議なストーリーだった。
青春ものなのか、ファンタジーなのか、ラブストーリーなのか、メロドラマなのか、サスペンスなのか、SFなのか…。

この監督はSF的なものが好きだ。
今回も、そういう色がついている。
単なる青春学園モノとは違うのは、そういうところだ。
というか、そこが魅力だ。
そういう仮想のストーリーと妙に現実的なストーリーが絡み合う。

奇想天外なストーリーなのに、それが普通に見える。
そういう作り方が上手。

こういう2次元のアニメは日本が得意とするところ。
最初から、不思議を不思議とせず前提にしてしまう。
展開が面白い。

ハッピーエンドなのだが、すべてが解決というわけではない。
そんなに世の中は単純ではないということを言いたいのだろう。

でも、この現実とファンタジーの混ぜ方は難しいところ。
絵はきれいだし、言うことはないのだが…。

ぼくは「君の名は。」の方がよかった。



| | 映画・舞台 | 12:03 | comments(0) | trackbacks(0) |
響け!ユーフォニアム
京都アニメーションの作品。WOWOWでやっていたので録画して3本見た。
北宇治高校が舞台。
宇治に10年間通ったので、回りの人たちは知っていたが、全く知らないまま過ごした。

勤めていた大学が、近所の中学の吹奏楽部にホールを貸し出していたので、吹奏楽部がほとんど女子であることは知っていた。
スゥイングガールズもあったなあ。
この映画も、男女共学の高校が舞台だが、男女比は9:1くらいで世相を表している。

1本めは最初の作品。
高校で自分をリセットしようと北宇治高校に入った女子が主人公。
なぜリセットしようと思ったのかはあかされない。

ダメダメだった吹部(吹奏楽部のことをこう呼ぶらしい)に入り、新しい先生が来て全国大会を目指すことになる。
1本めは、吹奏楽部で名を上げようとする金持ちの学校のやり方みたいな感じ。
良い楽器を揃え、教室も確保し、いい先生を招き、朝から晩まで練習させればうまくなる。
髪の色はちょっと違うが、顔と声がみんな同じように聞こえるのは年をとったからか…。

ヤマハが全面協力していて、細かいところまでヤマハのロゴが入っている。
走って腹筋と肺活量を鍛えるトレーニングなど、本当にやっているのだろう。
吹部は女子の体育会系という感じだ。
今の中学は男子は野球かサッカー、女子は吹奏楽、というのが内申が高いと聞く。
宇治の高校でありながら、みんな標準語。
この辺は全くリアリズムがない。
ということで、1本めは今ひとつの作品だった。

2本目はその続きで、今度は1年の主人公と、3年の先輩の人間模様が描かれる。
「届けたいメロディー」という副題。
お互いの家庭の問題や、悩みなど俄然青春ものになる。
これは素直に楽しめる作品。
全国大会に出場して、3年が引退するまでの時代。

楽器の精密な表現など、磨きがかかった。
吹奏楽の名曲「宝島」の演奏が流れるのが、個人的にはうれしかった。

3本目は最新作。「誓いのフィナーレ」という副題がついている。
主人公が2年生。目標が全国大会出場から全国大会金賞に変わる。
去年の作品だ。
新入生が入ってきて、主人公の2年生の1年間。
これも、部活のあるある、という感じで、もう一つだった。

吹奏楽を部活でやっていた人は思い入れがあるのだろうか。
丁寧に作られたアニメだとは思うが…。

みんな、高校生活のほとんど全てを犠牲にして、部活に賭ける。
それが報われないこともある。

前にも書いたが、吹奏楽をやっていた女子は多い。
でも、高校でやめてしまう人も多い。
頑張ってきた、とはいうものの、大学でそれをやめてしまうのはなぜなんだろうか。

何となくその理由みたいなものがわかったような気もする。

「響け!ユーフォニアム」3本はきつかった。



| | 映画・舞台 | 21:59 | comments(0) | trackbacks(0) |
アルキメデスの大戦
こないだWOWOWでやっていた「終わった人」という映画を見た。
舘ひろしが定年後のサラリーマンを演じていて、なかなか面白かった。
舘ひろしというと、「太陽にほえろ」とか「西部警察」、「あぶない刑事」などの刑事モノで記憶していたが、いい年になってコメディもできるようになった。

その彼が山本五十六の役をやっている「アルキメデスの大戦」を見た。
あの刑事役でサングラスでバイクに乗っていた彼が、山本五十六の役をやるなんて想像していなかった。
別に舘の身内ではないが、感無量だ。

「アルキメデスの大戦」は、史実に基づいているが、基本的にはフィクション。
数学には世界を変える力がある、と思うに至った若き数学者のドラマ。

関東軍の暴走、大艦巨砲主義にこだわる海軍、財閥との癒着などが描かれる。
阿川弘之の戦記物を読んでいると、背景がよくわかる。
この映画だけを見ても、よくわからないかもしれない。

海外ドラマでも物理学者が主人公のものがある。
扱うのはもっとモダンな数学で、それと比べるとだいぶレベル差がある。

邦画で理科系のドラマを作ると、こういうふうになってしまうのか、と思う。
単に数字の記憶力がいいとか、計算が速いとか、資料を一晩で読んでしまうとか、そういう描き方になってしまう。
もっと専門的なアドバイザーを入れて、ちゃんと作ったほうがいい。

ともあれ、戦艦大和の誕生ストーリーとしては面白い。
この艦を設計した意図は、日本がアメリカと戦争をしたときに、最後に出撃し凄惨な最期を遂げることで、日本人に戦争を止めさせるという意図だという。
それ自体は、なかなかよくできたフィクション。
一度始めると、やめられないという日本の失敗のパターンをよくわかっている。
今のコロナ対策と同じだ。

何となく精神論で終わってしまう。
そこが日本の映画なんだろう。

今の日米の差を表している。





| | 映画・舞台 | 19:13 | comments(0) | trackbacks(0) |
青春ブタ野郎は夢見る少女の夢を見ない
不思議なアニメ映画を見た。
未来と過去を行き来する量子論的な少年と少女。
わけがわからないのだが、なんとなくわかったような気にさせる。

鴨志田一という人の原作。
映画はなんとなくハッピーエンド。

これはライトノベルのシリーズで、10巻出ている。
この話は第6巻。
ずっと続いているようなので、とても長い物語になる。

普通の高校生と女優のラブストーリーがメインの話。
よくできた青春ライトノベルというところか。

シリーズはアニメ番組で放映されていた。
どこまで放送していたのかはわからないが、その延長で映画ができた。

2014年に1巻目が出ているから、もう6年も経つ。
10巻目は今年の2月に出たところ。
主人公は高校生から大学生になっている。

まだまだ続きそうだ。

「ブタ野郎」というタイトルだけ見たら、そんなにいい話だとは思わないが、わりといい話だった。
累計100万部も売れているらしい。

若い人たちの支持を得ているのだろう。

一つ読んでみようかな。



| | 映画・舞台 | 23:07 | comments(0) | trackbacks(0) |
甲鉄城のカバネリ
久しぶりに撮りだめしたアニメを3本見た。
甲鉄城のカバネリというシリーズ。
総集編の前編、後編と海門決戦。
5時間ほどかかってしまった。

前編、後編は2016年のテレビのアニメ(12話)をまとめたもの。
海門決戦は2019年に作られた。

アメリカのホラー映画シリーズにあるゾンビが出てくる。
ゾンビというと、イメージが強いので、それをカバネという名前にしている。
カバネというと「屍」のことで死体のことだ。

カバネは心臓が鋼鉄の被膜で覆われている。
心臓を撃たないと死なない。
世界中でカバネは増殖して、人間はカバネと戦っている。
日本のような国が舞台。日ノ本という。

時代は近世ということで「幕府」が出てくる。
「将軍様」も出てくるし、「侍」も出てくる。
服装は洋装。銃もあるし、刀もある。
蒸気機関車で主人公たちは移動している。
この蒸気機関車の名前が「甲鉄城」。
わけがわからないが、何となく戦国時代のエキゾチックな日本風という感じ。

ヒーローのイコマは「生駒」のこと。
カバネに噛まれて、カバネになりそうになるが、ウィルスが脳にまわる前に処置をしてならずに済む。
カバネと人間の間の「カバネリ」になる。
ヒロインは同じカバネリのムメイ。「無名」のことだ。

イコマとムメイは人間の仲間で、カバネを倒しまくる、という役割。
何とも言えない世界観の中で映画は続く。
複雑なムメイの過去のしがらみを総集編は描く。

海門決戦はその続編。
見だしたら、結構面白くてハマる。

ゾンビよりもカバネの方が日本人には馴染みがある。

何とも言えない世界観の中で、物語は進んでいく。
物語はまだまだ進行中だから、続編もあるだろう。
スマホゲームにもなっているらしい。

こういう変わった世界観がテーマのアニメは、日本が得意な分野だと思う。

次にも期待。

| | 映画・舞台 | 20:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
運び屋
クリント・イーストウッドの「運び屋」を見た。
90歳の老人が麻薬の運び屋をやるという話。アメリカで実際にあった話らしい。
2019年3月にロードショー。

イーストウッドも本当に年をとった。
実際の年齢も89歳だ。この作品も監督と主演をしている。
彼でないとできない役だ。

年をとっても、サングラス姿がよく似合って、かっこいい。
こういう老人になりたいものだ。

知らなかったが、娘も俳優をやっている。
もういい年だ。実際に娘の役で出ている。

古くはダーティー・ハリーのハリー・キャラハン役。
44マグナムを撃っていた。
年をとってからは、ミリオンダラー・ベイビーのセコンド役。
そして、グラン・トリノ
2008年のシブい映画だった。

89歳にしてまだ健在。
アメリカのアイコンだ。

もう次の作品の予定があるらしい。

この勢いで、いつまで現役を続けられるのだろうか。



| | 映画・舞台 | 23:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
心が叫びたがってるんだ
こないだ書いた「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない」のスタッフが作ったアニメ。
前作が「あの花」これが「ここさけ」と呼ばれているらしい。

これも「あの花」と同じく学園モノ。
小さい頃のトラウマで言葉が話せない女子と、似たような生い立ちの音楽好きの男子が主人公。
困難を乗り越えて、ミュージカルを上映するという物語。
言葉は話せないが、歌なら歌えるという女子が頑張る。
前作のように、幽霊が出てくるというようなファンタジックなものではない。
ちょっとそういう雰囲気もあるが…。

本当に昔の学園モノみたいに、クラス全員で協力する。
本番でのトラブルも定番だ。
ちゃんとハッピーエンドになる。

とても普通の学園モノなのだが、昔の「青春とはなんだ」などを見ていない若い人にとっては新鮮かもしれない。
こういうのが2015年に作られて、ヒットした(らしい)。
久しぶりにこういうのを見ると、昔を思い出す。
昭和30年代から40年代の学園モノ。

ぼくらの世代にとっては、「青春とはなんだ」「これが青春だ」は外せない。
青春ドラマの原点だ。
その後いろんな学園モノが作られたが、この2つがベストだと思う。

十数年前に再放送があって「青春とはなんだ」を見たが、劇中に「ハイネの詩集」が出てきたはず。
あの頃のドラマには、そういう格調があった。
今は文化部は衰退して、みんな体育会系になってしまった。
文化部を指導する先生がいないのだろう。

「ここさけ」はそういう時代の風潮に対するアンチテーゼかもしれない。

普通にいい話だと思う。



| | 映画・舞台 | 00:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
中二病でも恋をしたい
京都アニメーションの仕事を知りたくて、WOWOWの「中二病でも恋をしたい」のアニメ劇場版を2本見た。

Wikipediaによると、この映画の「中二病」とは「中学二年生頃の思春期の少年少女にありがちな思い込みよる症状で、本作では自意識過剰の発露としている。いくつかの類型があるが本作の登場人物が患ったのは邪気眼系と呼ばれるもので、自分には特殊な能力があるという錯覚、万能感や、オカルト的な思考に支配されて、設定したキャラになりきるというもの。医学的な治療の必要とされる「病気」または「精神疾患」とは無関係。」と説明されている。

中二病は男子のイメージ。
しかし、このアニメの主人公は中二病の高校2年生の女子。
目に力があるという意識があって、片目にカラコンを入れて、眼帯をしている。
かなりひどい中二病だ。
二作目ではゴスロリ風のスタイルをしている。

男子の方は中2の頃に中二病だったが、高校に入ってそこから抜け出してノーマル。
中二病は中学2年生でも罹患するものと、罹患しないものがある。
その中二病の女子とノーマルな男子が恋に落ちるという映画。

中二病の模写のところは笑うしかない。
よくこのテーマをアニメで描いたなあという感じ。
評価は難しい。

このテーマに思い入れができる人は少ないと思う。
ある程度は笑いで済ませるが、それ以上真剣になると、ちょっと引く。
リアリティがなくなるのだ。

結局は恋愛映画なのだが、そこに中二病が絡む。
どうして中二病を絡めないといけなかったのか。
必然性がわからない。
何となく、中二病賛美という感じもある。

もうぼくらの世代にはわからないのだろうか。



| | 映画・舞台 | 15:05 | comments(0) | trackbacks(0) |
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
2013年に発表されたアニメ。
脚本家の岡田麿里が手掛けた作品の特集があって、一つ録画して見てしまった。
それが「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」。
「あの花」という略称で語られるようだ。
劇場版、というただし書きがあったから、テレビでもシリーズ物をやっていたのかもしれない。

幼馴染み6人の仲間「超平和バスターズ」のお話。
「今」は高校2年らしいが、時間が行ったり来たりして、難しい映画になっている。
少なくとも、子供向けには作られていない。
内容は、だいぶ違うけど、日本版の「スタンド・バイ・ミー」という感じだ。

夏、花火、幽霊という三題噺だったら、どんな話になるだろうか。
そこに、少年少女から17歳になるティーンエージャーたちの思いが加わる。
亡くなった仲間が一人。
その幽霊がずっと見えている仲間が一人。
そういう話だ。

アニメが先で、漫画化されたというパターン。
脚本家の岡田麿里が小説も書いた。
いかにもライトノベル、という感じの世界。
まあ、ライトというにはちょっと重いが…。

劇場版はある程度テレビを見ている人向けの作品だと思う。
ところどころ、経緯がわからないところが出てくる。
劇場版だけ見てもわかりはするのだが、ちょっと欲求不満が残る感じ。

日本の2次元のアニメーションは、本当に作りが丁寧だ。
アニメでないと描けない世界を描いている。

終わりの方で歌が流れるのだが、聞き覚えのあるメロディー。
調べると、ZONEというグループの「secret base 〜君がくれたもの〜」のカバー。
女性4人のバンドだった。
イントロなしで「君と夏の終り 将来の夢大きな希望忘れない…」のボーカルが印象に残る。
カバーの方は映画の中の声優たちが歌っている。

YoutubeにPVがあるが、そのコメントのひとつに「アニメなんかで泣くかよって思って見たら、めちゃくちゃ号泣したのを覚えてる」というのがあった。
きっと若い人なんだろう。
あの映画を見て、この曲を聴くとちょっと感動してしまう。
さすがに号泣はできないが…。

日本的な若者の成長を描いたアニメ。
なかなかよかった。




| | 映画・舞台 | 23:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
ハッピーフライト
2008年の日本映画。
キャビンアテンダントや、空港のグラウンドスタッフの仕事内容が描かれているというので、見てみた。
綾瀬はるかが新人キャビンアテンダントで出ている。

内容は鳥がハワイ行きの飛行機に当たって、計器が壊れ、台風の羽田に引き返すというパニックをコメディ仕立てにしたもの。
なかなか面白かった。

しかし、空港で働く人たちは本当にきつい仕事だ。
キャビンアテンダントやグラウンドスタッフが保安要員であることも、よくわかる。
飛行機がトラブったり、空港で何かあったときには、あの人たちの指示に従わないといけないのだ。

定時運行のためには、すごい努力が払われている。
いい加減な客のために、グラウンドスタッフは走り回る。
時にはスーツケースを追いかけて、バスも止める。

飛行機の整備の担当は、工具に全部名前を貼っていて、鍵付きの工具箱にしまっており、もし何か一つでもなくなったら全員で探すことになっている。
飛行機の中に置きっぱなしにしていたら、大変だからだ。
こんなことも、映画で見るとよくわかる。

2008年はパソコン化が進んでいた頃でもあり、使える若い人が使えない中年を指導していたりする。
そんな時代背景もよくわかる。

今度からエアライン関係で働きたい、という人には見ることを勧めようと思った。




| | 映画・舞台 | 23:43 | comments(0) | trackbacks(0) |
ペンギン・ハイウェイ
WOWOWでやっていた。
ライトSFのアニメ。ファンタジーに近い。2018年の作品。
頭がいい少年の成長と、不思議な出来事を組み合わせたものだ。
小学生アオヤマくんと謎のお姉さんのひと夏の物語。

主人公のアオヤマくんの友だち、これまた頭がいいウチダくんとハマモトさんも出てくる。
要はすごい小学生たちが地球を救うという物語だ。

これに絡むのが謎のお姉さん。
謎があるのだが、普通の歯科受付をやっている。
アオヤマくんとはチェス仲間であり、仲良しだ。

そして、題名にもあるペンギン。
アオヤマくんが住んでいる街に、突如ペンギンが現れ、それを研究するうちにすごいことが起こる。

これ以上書くとネタバレするので止めておくが、こういう映画は日本のアニメが得意とするものだと思う。
謎は謎のまま、不思議は不思議のまま、置いておかないといけない。
こんな構成の物語を映画にするのは、難しいと思う。
逆に言うと、アニメでなければ映画にならないのだろう。

原作は森見登美彦。
人気がある作家らしい。第31回日本SF大賞を受賞した。
ぼくは知らなかった。
今40歳で30歳の時にこの本を書いた。
やはり若い時でないと、こんな小説は書けない。

今でも若い。

この原作の本を読んでみようと思う。


| | 映画・舞台 | 20:51 | comments(0) | trackbacks(0) |
I.Q.
1994年に「星に想いを」という邦題がついた映画。
WOWOWでやっていた。ちょっとネタバレだ。

メグ・ライアンが主演女優。
アインシュタインがアメリカに亡命してからの設定。
1950年くらいかな。

アインシュタインをはじめ、4人の有名な物理学者が出てくる。
彼らの世間離れした会話も面白い。

そのアインシュタインの姪で、数学者という役どころがメグ・ライアン。
すでに実験心理学者と婚約しているのだが、彼はサルやネズミ、大学生を相手に実験をしており、物理学者から見て鼻持ちならない権威主義者として描かれる。
アインシュタインは姪の婚約者が気に入らない。

老人4人でドライブしているときに、車が壊れ、近所の整備工場に入る。
そこにいたのが、ティム・ロビンスが演じる整備工。
彼と話して気に入ったアインシュタインが、姪とひっつけようとして、偉い学者3人といろいろと画策する、というストーリー。

他愛もないロマンスのストーリーだが、そこに50年代の核開発競争が絡んだり、変な老人4人組が絡んで興味深い。
原題の「I.Q.」というのが、アインシュタインのことを表している。

1994年というと、89年にベルリンの壁が崩壊して、西側が東側に勝ったという時代。
日本はバブルが崩壊して、これから不良債権の処理をしよう、という時だった。
冷戦が終わって、何となくまだいい時代だと思っていた。
そういう時代背景があらわれている。

バカでかいエンジンを積んだ、キャデラックなどの流線型の古いアメ車が出てくる。
ぼくが生まれる前の時代。

アインシュタインをはじめ、茶目っ気の多い4人の物理学者がこの映画のキモ。

世間のステレオタイプとは反するかもしれないが、物理学者をいい学者、実験心理学者をヨクナイ学者として対比している。
人間の心をわかっているのは、当時流行った実験心理学者ではないという皮肉も込められているのかもしれない。

なかなか楽しめる映画だった。


| | 映画・舞台 | 22:43 | comments(0) | trackbacks(0) |
聲の形
2016年のアニメ映画。
京都アニメーションで山田尚子という女性の監督。
Eテレ(教育テレビ)で夜中にやっていたのを録画して見た。
見終わって、女性の監督と知り、なんとなく納得。

イジメと聴覚障害、不登校などを題材にした映画。
京都という閉鎖的な場所だからこそ、こういう映画が作れるのかもしれない。

主人公グループの、小学校から高校までの時間が舞台。
女性はみんな外面的にはきれいに描かれている。

イジメる方、イジメられる方の両方の立場に立つ男子が主人公。
今の学校は多様性がどんどんなくなっているので、イジメがおきやすい。
そこに聴覚障害がありながら、一般のクラスにはいった女子が登場する。
この子が主人公にイジメられる。
小学生のイジメは容赦ない。
そして、障害を持った女の子は転校してしまう。

ほんとにこんなことが、今の小学生にできるのだろうか、と思う。
そこは誇張されているのだろう。

そして、イジメたことをきっかけに、中学に入って自分がイジメられる方になってしまう主人公。
ここから先はネタバレするので書かないが、そういう体験を通じて、人とのつながりを少しずつ取り戻していくという話。

今はチャットによるイジメやもっと陰湿なイジメがあると聞くが、そこまでは扱わない。
あくまで映画で、障害者が出てくるのは、もっとも極端な形でいじめの本質を表そうとしたということだろう。

スポーツ選手の為末大氏が、いじめについて語っている言葉を思い出した。

「いじめが起きる構造は、仲良くするということを第一義においた集団が、仲良くするということはひたすらに摩擦を避けることだと認識し、摩擦を起こす存在を排除することだと私は思っている。」

そのとおりだと思う。
イジメをなくすためには、摩擦を起こす存在を「理解し認める」ことだと思う。
それこそが多様性というものだ。
そんなコミュニケーションの基本が、今の学校では難しくなっている。

それがこの映画のテーマだと思う。

最後のaikoの主題歌はよかった。


| | 映画・舞台 | 22:33 | comments(0) | trackbacks(0) |
マイマイ新子と千年の魔法
?樹のぶ子の自伝的小説が原作。
WOWOWでやっていた。

アニメーションが作られて2009年に国内で上映されたが、当初は30ほどの映画館だけで上映された。
「この世界の片隅に」の片渕須直監督は、この映画の根強い評判で熱心なファンを獲得して、日の目を見たということらしい。

この映画は昭和30年代の日本の田舎が舞台。
そこで暮らす少女と、都会から引っ越してきた少女が友達になる。
あの頃の日本はまだまだ戦後すぐで貧しかったし、いろんな運命にしたがって、先生が去っていったり、友達が去っていったり、離れ離れになったりした。
それが当たり前だったからか、明るいトーン。

新子は千年前の世界を見ることができる。
想像の世界だ。
平安の時代。
作家の自伝的小説だったということで、納得。

当時は、遊ぶといっても何か道具があるわけではない。
ボールすらなく、みんなで小川に行ったりする程度。
警官の友だちが木刀を持って遊びに来ていた。
そんな時代だったのか。

明日も遊ぼうと言って別れた友だちが、急にいなくなるような事態がいろんなところで起こっていた。
そういう日常の中での生活。

ぼくが生まれたのが昭和32年。
高樹のぶ子は11歳年上だから、昭和30年くらいに小学校の高学年だ。
ちょうどその頃の風景だったのだろう。

今の70代の人たちはそういう子供時代を送ったのかと思う。

根強いファンができるのがわかる映画だった。


| | 映画・舞台 | 20:29 | comments(0) | trackbacks(0) |
ドリーム
2016年の映画。冷戦中の宇宙開発の話だ。
アメリカとソ連は争って宇宙に進出していた。
ソ連が犬に続いて、ガガーリンを宇宙に行かせた。
アメリカは遅れを取ったのだ。

そのあたりが、この物語の背景。
舞台はNASA。そして、数学の学位を持った黒人の3人の女性。
彼女らが主人公。

まだ黒人差別があり、NASAのトイレも白人と黒人に分かれていた。
宇宙飛行士の出迎えも、黒人、白人別々に立っている。
白人が主体の計算室にただ一人配属された女性は、トイレに行くために走って別の建物まで行かないといけない。
公立の図書館も白人専用だったりする。

NASAの所長が、黒人女性がトイレに行くのになぜ40分もかかるのか?と聞いて、「非白人用のトイレに行くのに走っていっている」からだと答える。
さすがに所長はエライ。
すぐに「白人用トイレ」と書いてある表示版をバールで叩き壊す。

もう一人の女性は、NASAのエンジニアになるために、白人の高校で単位を取らないといけない。
判事を説得して、夜間の講座に出席を許される。

ちょうどIBMのコンピューターが作られた時代。
FORTLANが夢の言語だと言われていた。
3人目の女性は、図書館で借りたFORTLANの本を読んで、コンピューターを動かしてみせた。
計算機を使っていた黒人のグループを連れて、プログラミングの部署を作った。

アメリカの宇宙開発の歴史の中に、そういう3人の黒人リケジョがいた。
実話に基づいたお話。
NASAは一人の女性の功績を称えて、施設に名を冠しているとのこと。

実話に基づいたストーリーというところが泣かせる。

ぼくは、いい映画だったと思う。


| | 映画・舞台 | 23:42 | comments(0) | trackbacks(0) |
A man at the height
フランスの映画というと、昔はよくやっていた。
ジャン・ギャバンが出ていたギャングものや、アラン・ドロン、ジャン=ポール・ベルモンドなどが当時のスターだった。
何となく暗い雰囲気のある、いかにもフランス映画、という感じだった。

でも最近はアメリカ映画に近づいたと思う。
スジの運びや絵がハリウッドだ。

こないだ、A man at the heightというフランス映画をWOWOWでやっていた。
去年公開された作品。
原題はフランス語(Un homme à la hauteur)だったが、それを英語に訳したらこうなる。
「その背丈の男」という感じか。

金髪の女性弁護士が離婚し、もう一度恋愛するというストーリー。
スマホを置き忘れて、固定電話に拾った男から電話がかかってきて、付き合い始めるのだが、その男が身長140センチ足らずだったという話。

設定、スジの運び、絵の作りなど、どれを取ってもハリウッドだ。
あれを見ていると、マルセイユがカリフォルニアにあるのかと思ってしまう。
出てくる車はフランス車が多いが…。

もちろん、面白い映画なのだが、なんだか寂しい気もする。
ハッピーエンドで予定調和。

女優(ヴィルジニー・エフィラ)はきれいだ。
コメディアンだった男優(ジャン・デュジャルダン)もうまい。

せっかくフランスで作るのだから、もうちょっとひねってほしいと思うのは自分勝手か。
こういう映画なら興行的に儲かるのだろう。

いい映画だったが、ちょっと残念だった。


| | 映画・舞台 | 22:25 | comments(0) | trackbacks(0) |
ねこあつめの家
2月22日は猫の日だった。
ニャンニャンニャン、ということだ。
それで2月にはWOWOWでネコの映画の特集をやっていた。
あまり見る気はなかったのだが、暇つぶしに「ねこあつめの家」というのだけ録画して見てみた。

ドカンと賞を取ってデビューした小説家が、書けなくなる。
よくある話だ。
彼を尊敬している若い女性の編集者がいろいろと気を遣ってくれるが、どんどんダメになっていく。
結局連載小説は打ち切りになる。

気分を変えようと郊外の1軒屋に引っ越しをした。
そこにはネコが何匹か住んでいて、だんだんと彼と仲良くなる、という話。
最初はそんなにネコ好きではなかった彼が、たくさんのネコを庭に集めるようになり、ついにペットショップでアルバイトをすることになる。
そして…、というストーリー。

ねこあつめ、というのはスマホのアプリだそうだ。
2017年の映画。

スターも出ず、平凡な景色で、とりたててスゴイところはない。
ネコがたくさん出てきて、それがちょっと珍しいという感じ。
低予算で作ったのだろう。

そんなにネコの魅力が詰まっているわけでもない。

まあ、それでも、ネコが好きな人にとってはちょっといい話だろう。

もうちょっと、ネコの表情を映画的に撮ってほしかったかな…。


| | 映画・舞台 | 21:29 | comments(0) | trackbacks(0) |
メッセージ
去年の秋に封切られた映画。
もうWOWOWでやっていた。
アカデミー賞の音楽編集賞を受賞した。

これは難しいサイエンス・フィクションの映画。
エイリアンものだ。
主役は言語学者。宇宙人の文字を解読する。
その宇宙人は世界各国に突然飛来して、各々コミュニケーションが図られる。
アメリカに飛来した宇宙船の担当が主人公だ。

主演はエイミー・アダムスという女優。
知的な感じがする。

人間は言葉で思考するから、その思考は言語の構造に支配される、というような事が初めの方で語られる。
それほど言葉は大事ということだ。

彼らの文字はサークル状のもの。
紙に書くわけではなく、煙のようなものを出して数秒だけ見える。
彼らにとっては時間は相対的なものだ。
だから、紙に書く必要は無いのかもしれない。
ここがこの映画のキモ。
彼らは、人間のように3次元に住んでいる生物ではなく、時間も含めた4次元に住んでいる宇宙人なのだろう。

そのメッセージを解読して、人類を救うというストーリー。

いろんな解釈ができるかもしれない。

久しぶりにわりとハードなSFを見た。
見ているうちに、どれが過去で、どれが未来かわからなくなる。
そうやって、時間の相対性を表しているのだろう。
映画ならではの描き方。

なかなか面白かった。

| | 映画・舞台 | 00:45 | comments(0) | trackbacks(0) |
しあわせの隠れ場所
2009年のアメリカ映画。
サンドラ・ブロックの主演。
この人はちょっときつい顔をしているが、だいたい出る映画は「当たり」が多い。
これもWOWOWでやっていたので、とりあえず録画して、見たらよかった。

アメリカの南部が舞台。
実話を元にした映画だ。

サンドラ・ブロックはファストフードの経営者と結婚している。
自分もデザイナーをやっている、キャリアウーマン。
BMWを乗り回している。

ひょんなことから、黒人のホームレスの男の子を家に連れて帰って、世話を始める。
自分の娘と息子も無口な彼と馴染む。
彼の生い立ちを調べたり、出身のダウンタウンに行ったりする。
黒人と白人の格差は大きい。
彼のことを考え、後見人になることを決意する。

前半を見ると、アメリカのキリスト教ボランティアの理想がわかる。

レストランで上流の女性たちと食事をしながら、黒人を家に入れたことに驚く友人が言う。
「彼はあなたに会って、変わったでしょう」
「彼が私を変えたの」と答える。
印象に残る場面だった。

後半は、ホームレスの黒人が才能を発揮し、フットボールの選手になる、というストーリー。
どちらかというと、映画は後半が見せ場になっているが、ぼくは前半が面白かった。

サンドラ・ブロックの魅力は、自立した女性を演じられることだ。
儚い、弱々しい女性は似合わない。
こういう役が彼女のはまり役。

サンドラ・ブロックが好きな人にはオススメの映画。



| | 映画・舞台 | 17:49 | comments(0) | trackbacks(0) |
オケ老人
杏が主演の2016年の映画。
初めて実写映画に主演した作品。

題名からわかるように、「梅ヶ丘交響楽団」という年寄りばかりのオーケストラが舞台。
全くのポンコツ楽団。
こういう映画を撮ろうとしたら、役者には事欠かないのが日本の強みと言ったら言い過ぎか。
小松政夫、左とん平、石倉三郎、藤田弓子など、芸達者の俳優。
なんとなく、楽しんで演じているように思える。

そこに間違って入ってしまったのが、杏が演じる高校教師。
若い人があまり出てこないのだが、それが日本の地方の未来を表しているようだ。
杏と同僚の高校教師(坂口健太郎 初めて知った)、団員の娘(黒島結菜 こっちも初めて)くらい。

ライバルの梅ヶ丘フィルハーモニー(これと間違えて、梅ヶ丘交響楽団に入った)との確執が、物語を盛り上げる。
だんだんと老人たちと打ち解けていき、トラブルもあって指揮を任される。
楽団員もだんだんと増えてくる。

フランス人のプロの指揮者が出てくるが、この人が「音楽は楽しくやるものだ」という。
それが物語を盛り上げる。

杏の指揮がいかにも素人臭いところは演技指導だったのか…。
クライマックスの演奏会の「威風堂々」が、下手な頃と大違い。
定番のストーリーだが、笑いあり、涙ありでまとまっている。

見ていて、「1万人の第九」を思い出した。
思いきり、楽しくやろう、という音楽への向き合い方。
終わった後の「ブラボー」の感動…。

これまた、音楽はいいものだ、という事を思い出させてくれる映画だ。

長らくサボっていたギターの弦の交換をやって、ネックの掃除をした。

また頑張ろう。


| | 映画・舞台 | 19:32 | comments(0) | trackbacks(0) |
県庁の星
2006年の映画。
織田裕二が主役の公務員を好演している。

公務員批判の辛口映画。
公務員改革はずっと言われているが、今も全く変わっていないと思う。
いや、地方公務員については実態はどんどんひどくなっているかもしれない。
今見ても新鮮な映画だ。

この映画で初めて知った、柴咲コウというヒロインとのロマンスがサイドストーリー。
単なる辛口映画になっていないところがいい。
2006年の邦画興行収入の第6位を取っている。
織田裕二人気だったのだろう。

県庁の最も県庁らしい公務員だった主人公が、県の公共事業の一大プロジェクトに絡んで、民間との交流でスーパーマーケットに半年間出向するところから物語は始まる。

予想通り、使えない社員ということで、厄介払いもあって店長がベテランのパート(柴咲コウ)を教育係にする。
お決まりのストーリー。
最初は馴染めず、みんなに疎んじられ失敗の連続だが、保健所と消防署の査察があって、流れが変わる。
ちょうどその頃、県庁の仕事もプロジェクトを外されてしまう。

民間のやり方を知り、心を入れ替えた主人公は県庁に戻って頑張る。
こちらがメインのストーリー。

織田裕二のちょっとオーバーな演技と、柴咲コウのいかにもパートでこんな人いるよな、というところで最後まで引っ張る。

県庁に帰って、スーパーで学んだことを活かして、働こうとするが簡単にはいかない、というオチ。

こういう熱血の人がいたらいいと思う。

しかし、現実にはそういう人がいないからこそ、こういう映画が繰り返し作られるんだろう。

みんなとは言わないが、ホントに公務員はダメだと思う。
前例主義、事なかれ、丸投げ、なれあい…。

何とかしないと、公務員は変わらないぞ。


| | 映画・舞台 | 21:13 | comments(0) | trackbacks(0) |
杉原千畝 スギハラチウネ
こういう題名の映画。
姓が同じで何となく馴染みがあったので、ついつい録画した。

杉原千畝は戦時中の外務省の外交官。
リトアニアでユダヤの人たちにビザを発給した。
もちろん、日本はドイツと同盟関係にあったから、その行為は日本政府は許さない。
それでも、人々を助けるために本国の意向を無視して、リトアニアから退去をする時までビザを出し続けた。

それにしても、日本の政治家や軍隊は本当にひどい。
当時ヨーロッパの外交官の中には、ドイツが対ソ不可侵を破って進行し、そうなると日本は連合国と戦わざるを得ず、アメリカと戦って負けると言っていた人もいる。
杉原千畝もその一人。
まともに考えたら、勝てるはずはないのだ。
おそらく、国や軍の上層部でそう考えていた人は多いはず。

それでも、中国に侵攻した関東軍や陸軍の一部はなんとしても戦争をするつもりだった。
若手の士官たちも勝つつもりでいたのだろう。
昭和天皇が開戦に反対していたのは、周知の事実。
天皇陛下万歳と言いながら死んでいった若者はたくさんいるが、天皇陛下の言うことを聞かなかったのは軍隊の上の方の人たち。

それを一部の戦犯のせいにしてしまって、反省しない日本人。
大戦での戦死者は230万人だが、そのうち6割が餓死などの病死だという。
その責任はどこに行ってしまったのかと思う。
もちろん、原爆を落としたアメリカにも責任はあると思うが、日本人が日本人の罪を裁かないまま70年過ぎてしまった。
もう取り返しはつかないと思う。

それはさておき、こういう人が日本人にもいたということは、うれしいことだ。
日本の外務省からは追放され、亡くなってから何年も経ってからやっと認められた。
役所は本当に頭が固い。
間違いがわかったなら、すぐに認めたらいいのに、関係者が生きている間は認めないという感じだろう。

日本人も捨てたものではないと思える。
でも、本当に杉原千畝が訴えたかったのは、ビザのことではなく、世界をよくする、ということだった。

そちらの方がスゴイと思った。


| | 映画・舞台 | 22:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
日の名残り
カズオ・イシグロの原作を元にした映画。
原題は"The Remains of the Day"。
彼の本は読んだことがない。今回ノーベル文学賞をもらったので、ちょうどいいから見ようと思った。

アメリカの映画だが、舞台はイギリス。
時代は第二次大戦のあとだが、ほとんどの場面は回想で、対戦前だ。

主人公は貴族の家の執事。
お城のような大邸宅に住んでいて、たくさんの使用人がいる。
主人の貴族はドイツびいきで、ナチスさえ支持している。
回りで仕える人たちは去っていくが、自分は主人の主義主張は関係ないと残って仕える。
主人が死んだ後、関係があったアメリカ人が邸宅を買い取り、その後もずっと執事として残っている。

去っていった人の中には、有能な女性もいた。
その彼女から、20年経って、もう一度働きたいと手紙が来る。
そこから、この物語は始まる。

お互いに、前の主人の元で一緒に働いていたときが、人生で一番いい時間だった…。

そういうストーリーだ。
回想と現在が行ったり来たりするが、だんだんと分かってくるという脚本。

第2次大戦前にイギリスに親ドイツの思想を持った貴族がいた、ということにちょっとビックリ。
そういえば、以前やっていた刑事フォイルというのでも、そんな話が出てきたと思い出す。
いつの世も、いろんな考えの人がいて、世の中は成り立っている。
歴史になってしまうと、まるで一色に塗りつぶされたみたいになるが、現実はややこしいものだ。

執事を演じるのがアンソニー・ホプキンス。女性を演じるのがエマ・トンプソン。
どちらも、いい役者だ。

淡々と流れる時の中で、人生も流れていく。
思い出せば、いろんなことがあった。
執事という仕事は、何となく武士の仕事みたいな気がする。

人生の寂しさ、自分の居場所というものを感じさせる物語だった。
こういう作品を書いたのか、と納得。

カズオ・イシグロはイギリス人だが、この作品には人生の無常、という日本的なものがあるような気がした。

| | 映画・舞台 | 21:58 | comments(0) | trackbacks(0) |
パッセンジャー
2016年のアメリカ映画。
恒星間旅行を舞台にしたSFだ。

新しい地球型の惑星に旅行するためには、光のスピードでもかなりの時間がかかる。
光のスピードの半分の速さでも、100年以上だ。
その宇宙船に5000人の乗客と、250人ほどのクルーが乗っている。

もちろん、人間はみんな冬眠している。
ところが、機械のトラブルで技術者が一人だけ起きてしまう。
到着まではあと90年。着く頃には死んでいる。
そういうストーリー。

CGで宇宙の姿もこんなんだろうと思わせるような出来栄え。
恒星の火の玉も見える。

宇宙船が無重力空間で重力を発生させるために、クルクル回っている。
船の内部はどうやって撮っているんだろうか。
あれもCGなんだろうか。

船の内部も良くできている。
みんなが集まるはずのコンコースや食堂など。
酒場にはアンドロイドのバーテンダーがいる。

一人で寂しく生活する男が選んだ方法は…。

スペクタクルシーンもあり、ハラハラさせる。
CGにお金がかかるから、出演者は少なくなるんだろうか。

なかなかいい映画だった。

| | 映画・舞台 | 23:12 | comments(0) | trackbacks(0) |
最高の人生のはじめ方
モーガン・フリーマンの主演。2012年の作品。
ケーブルテレビでやっていた。

今はもう書いていない年老いた西部劇作家が、田舎に静養に来た夏の話。
彼は車椅子で左手も動かない。
酒が好きで、酒浸りの毎日。
甥が夏の間借りたから、ここに住めと言って連れてくる。
同居人は夏の間は主人がいない犬だけ。

アメリカのヒューマン・ドラマのパターンだ。
フリーマンがいい味を出している。

隣の三姉妹の真ん中の少女と仲良くなり、想像力について教える。
彼女に教えている間に、自分もだんだんと前向きになる。
9歳の女の子は、時々驚くほど真実を語ることがあるのだ。
子どもの力はスゴイ。

西部劇を70年代に書いてから、もう書いていない。
書く気もないのだ。

でも、子供と話していると、だんだんと書く気になってくる。
ロマンスもある。

そんな風にして、人生をもう一度取り戻すという感じのドラマ。

あり難いことではあるが、そういう場面も人生にはほしい。

見た後、ほっこりする映画だ。




| | 映画・舞台 | 23:42 | comments(0) | trackbacks(0) |
奇跡の教室
WOWOWでやっていた。
2014年のフランス映画。
問題児クラスの高校生たちが、第二次大戦時の虐殺について調べるコンクールを通じて、クラスをまとめるという物語。
出てくる俳優は全く知らない人ばかり。

29の民族がいるクラス。
ぱっとみても、アラブ系、アフリカ系の生徒が白人の中に混じっている。
日本では考えられない。
こういうことが日常的に起こっている国は、やっぱり強い。
平和ボケにはならないだろう。
フランスの個人主義と相まって、人と人は仲良くできない、という状態が当たり前。
宗教も違えば、風習も違う。
そういう人たちがどうやってわかり合うか、ということだ。
日本のように、わかり合うのが当たり前、という文化ではない。
逆に、分かり合えないのが当たり前の世界。
民族や宗教のぶつかり合いだ。
今の西欧諸国はそんな状態になっている。

そういう中で、教師はクラスをまとめようとして苦悶する。
強制収容所の歴史を知ったら、うるさかったクラスも静かになる。
コンクールの発表に向けて、自主的にグループを作り、構成を考え、まとまっていく。
宗教や民族の違いを超えて、生の尊厳について考え始める。

そういう姿を見ると、「死」が大事なことがわかる。
人は「死」を考えることで、謙虚になる。
高齢化社会で、死は遠い遠いものになった。
学校で死について考えることなどない。
だから、生をも真剣に考えられなくなる。
そういう意味で、戦争の悲惨さは伝えられるべきなんだろう。
平和が大事だということよりも、生の尊厳を伝えるべきだ。

現代のヨーロッパの民族の問題と、彼らがそれを乗り越える努力をしていること、そして何より「生」や「死」を教えることの大事さがわかった。

いい映画だった。



| | 映画・舞台 | 23:35 | comments(0) | trackbacks(0) |
柘榴坂の仇討
2014年の松竹映画。
浅田次郎の短編を映画化したもの。
ケーブルテレビでやっていた。
井伊直弼を水戸藩士が暗殺したという、桜田門外の変にちなんだフィクションらしい。

中井貴一と阿部寛が江戸から明治になる時代の変わり目を生きる武士を演じる。
中井は井伊直弼に仕える武士。
阿部は井伊の討ち手だ。

井伊直弼という主君に忠義を尽くし、明治維新になってもまだ仇を討つために仇敵を探す。
13年間の歳月が過ぎていた。
車夫をやっている仇をついに見つけ、車に乗って2人が話す。
車の行先は桜田門外の変の近くの柘榴坂(ざくろざか)だ。

ぼくらは江戸時代と明治時代は、はっきりと分かれていると思っている。
1868年という年号で、それ以降は明治、それより前は江戸時代。
でも、実際はそうではない。
明治になっても髷を結って、武士を捨てきれず、両刀を差した人もいたはず。
散切り頭の明治政府の役人が「武士はもう古い」と言われ、武士だった人たちが名乗り出て、主人公をかばう場面がある。
そのあたりの世相が、よくわかる映画だ。

この映画、時代は変わっても、守らないといけないものがある、ということが言いたかったのだろうか。
それとも、滅んでいくものの美学を伝えたかったのか。

日本文化の奥底には武士の文化も入っていると思う。
それが良かれ悪しかれ伝統というものだ。

そういうものを思い出す映画だった。

| | 映画・舞台 | 23:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
山桜
今まで邦画はほとんど見なかった。
見るといったら、アニメかよほど話題になったものくらいだ。

こないだ「三屋清左衛門残日録」というドラマのことを書いたが、最近、藤沢周平の作品のドラマを見るようになった。
こないだやっていた映画「山桜」というのも藤沢周平だったから、録画して見た。
田中麗奈という女優がヒロインをやっている。
不幸な結婚をして、苦労するというおなじみの役。
映画はほとんどヒロインの姿を映す。

ヒーローは東山紀之。
最近は大岡越前などやっていて、それを見ているともう一つだったのだが、この映画ではなかなかよかった。
その原因は、一本の映画を通じてセリフがほとんどなかったからだ。
喋ると、イメージがちょっと変わるのかもしれない。
こんなヒーローは珍しい。

百姓の取り立てが厳しく、年貢が払えなくなった田畑を手に入れ、私腹を肥やすという絵に描いたような悪者が出てくる。
その悪者に対して、一人で立ち向かい、斬る。
無言で牢に入り、沙汰を待つという剣の達人を演じた。

昭和のタイプのヒーローだ。
そういえばあの頃「男は黙って…」という宣伝も流行った。

この映画をいい映画にしているのは、出番も少なく、セリフもほとんどないが、それ故に重みがあるこのヒーローだと思う。

山桜の清々しい花が、それを表しているようだった。

| | 映画・舞台 | 21:58 | comments(0) | trackbacks(0) |
Re:Life
ヒュー・グラント主演の2014年の作品。
WOWOWでやっていた。

ヒュー・グラントはさえない二枚目半がよく似合う。
今回もはまり役。
若い頃にヒット作を出したが、その後ずっと鳴かず飛ばずで、田舎町でシナリオ学を教える中年の脚本家の役。

最初はいやいややり始めるが、だんだんと学生たちの人柄が面白くなって、みんなが書いた脚本を批評し、育て始める。
学生も先生の事を理解し、心が通い始める。

実際には教師に向いていないと思っている人が、本当は教師に向いている。
何かの道で名を挙げ、その後苦労しているような人がいいのだろう。
大学の先生というのはそういうものだと思う。

でも、女子学生とのトラブルで大学を追われる。
君たちを教えられて光栄だった、と言って大学を去ろうとする。
最初のやる気がなかった頃に、ついついやってしまった。

それでも、学生の成長を目にして、やっぱり戻りたくなり、学部長に直訴する。
そして、教え、自分も学ぶことの楽しさを知った彼は、また先生になるというストーリー。

バックの音楽もいい。

中年になったヒュー・グラントが本当にいい味を出している。
最初のやる気のない男から、先生としてやる気を出す(それでもちょっといいかげん)ところまで、地でやっているわけではないだろうが、本当にはまった役だった。

いい先生はこんなふうに生まれる、という映画だった。

いい映画は見た後にうれしくなる。

| | 映画・舞台 | 21:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
ボーイ・ソプラノ
WOWOWでやっていた。2014年の映画。
ダスティン・ホフマンが国立少年合唱団の指揮者役で主演している。
この人も年をとって、何となく暗い過去があるが、いい指揮者の役が板についてできるようになった。

言われてみれば当たり前のことだが、男子には声変わりがあってボーイ・ソプラノという声は人生でほんの短い間しか出ない声だ。
だからこそ、素晴らしいのかもしれない。
映画の中では、「ボーイ・ソプラノという声はほんのつかの間、神様から借りる声だ」と言われる。
ある日突然声変わりで、その声が出なくなった場面でのこと。
それまでの短い間の声をきつい練習で鍛える。

声変わりしてアルトに転向するものもいるが、うまくいくとは限らない。
そういうものなのだろう。

ストーリーは、飲んだくれのシングルマザーに育てられていた不良少年が、親の突然の死で本当の父親に出会い、通っていた学校の先生から国立少年合唱団に推薦され、成功するまでを描く。
お金は出すが、隠し子として家族には隠しておこうとしていた父親も、最後は認めて迎え入れる。
不良少年のサクセスストーリーとしてはありきたりのもの。

でも、声が素晴らしい。
ふつうのハイトーンで出すDの音(レ)の1オクターブ上の音を出す。
選ばれたソリストしか出せない音だ。

見事に演奏会でソリストになったが、声変わりをして、合唱団を去っていく。

少年合唱団のはかなさがよくわかった。

だから、少女ではなく、少年なんだろう。


| | 映画・舞台 | 21:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
ロング・トレイル
ロバート・レッドフォード主演の映画。
ニック・ノルティが助演でいい味を出している。

1936年生まれのロバート・レッドフォードはもう80歳になる。
若い頃の面影はもうない。
「明日に向かって撃て」でサンダンス・キッドの役をしたのが1969年。
ぼくがそれを見たのは、3本立ての映画館で、封切りから1,2年後だった。

その後何本か主演作を見たが、今回は本当に年をとったと思った。
そういうオジンの映画だから、それでいいのだが…。

役柄は年老いた旅行作家。
もう引退と思っていたが、アパラチア山脈の縦断であるアパラチアン・トレイルを思い立つ。
全体の距離は3500キロ。
妻は一人で行くのはダメだという。
電話をかけまくったが、友人は誰も行かない。
みんなに断られた時に、電話をかけていない友人から電話があり、オレと一緒に行こうという。
若い頃一緒に旅したことはあったが、かなり年をとっており、無理かと思っていたが二人で行くことになる。
そして、山道を歩き始める…、というストーリー。
さすがに、3500キロのトレイルだから、途中町にも泊まる。
アメリカは広い。
毎年2000人ほどが挑戦し、成功するのは10%程度らしい。
この2人もいろいろなトラブルに見舞われ、それを乗り越えていくのだが…。

こういうロードムービー(旅の物語)はいい。
友人役のニック・ノルティはまだ75歳だが、ちょっと太っていて、顔のしわは少ないが、レッドフォードよりは歩くのがしんどそうだ。
本当に山道を歩いているのだが、見ていて心配になる。

人生という旅は、いくつになっても続くという希望が持てる。

最後に主人公がワープロを前に、"A Walk in the Woods"と打つ。
ずっとこの旅の本は書かないと言っていたが、きっと思うところがあったんだろう。

そういう映画。

あの二枚目のレッドフォードも年をとる。
年を取ってもスタイルを維持しているし、元気だ。
でも、80歳。

老いということについて考えさせられる映画だった。


| | 映画・舞台 | 00:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
デ・ニーロみたいに
ロバート・デ・ニーロは今年72歳らしい。
渋い役者だ。
代表作はゴッドファーザーとか、タクシー・ドライバーとかたくさんある。

今回は、The Internという映画に出ていた。
アン・ハサウェイと共演している。

若い人が見たら、アン・ハサウェイの方に共感する映画だろうが、ぼくにとっては、デ・ニーロだ。

70歳のリタイアしたサラリーマンの役。
妻は中学の校長だったが、死に別れた。
リタイア後は旅行に行ったり、趣味の活動をしたりするが、結局は家に帰って一人、ということに耐えられず、毎日行くところがほしくなって応募する。

彼のキャリアは、電話帳の印刷をやっていた会社の部長、という設定。
アメリカにはインターン制度というのがあって、いろんな会社が長期の就業体験をやっているのだが、その一環のシニア・インターンという制度で申込み、入社するところから始まる。

アン・ハサウェイがやっている会社は、婦人物のアパレルの通販会社。彼女ひとりでやっていて、急成長した。
今やビルの1フロアをオフィスにして、その中を自転車で走り回って指示している。
大きな倉庫もあって、それらを文字通り取り仕切っているというのが社長である彼女。

Facebook世代の社長たち若い従業員にとっては、「電話帳って何?」というジェネレーションギャップがある。
インターネットで調べたらわかるのに、なんで電話帳を印刷するの?というところだろう。
今や電話帳を印刷する会社というものはない。

シャツをズボンに入れない若い従業員に囲まれて、スーツにネクタイ姿のデニーロがシニア・インターンとして座っているところは、なんとも言えない。

第二次大戦の直後のベビーブーマー世代であるデニーロと、Y世代と呼ばれる80年代生まれのインターネット世代の女性社長とのやりとりが面白い。
デニーロがFacebookのプロフィールの設定をアン・ハサウェイに手伝ってもらって完成し、あなたもこれでFacebook世代の仲間入りね、と言われるシーンが象徴的。

ぼくらは、やっぱりデニーロの雰囲気にあこがれる。
皮のスーツケースを持ち、ボタンダウンのシャツにネクタイで、スーツを着ている。
何事にも一家言持ち、若者たちの恋愛のアドバイスをしたりする。
さすがに、勤め人を長年やって鍛えられた、人生の達人という感じだ。

こういう人になりたいと思わせる。
これがデ・ニーロの貫録だろう。


| | 映画・舞台 | 00:44 | comments(0) | trackbacks(0) |
インターステラー
WOWOWでやっていた。
近未来に地球が異常気象などで住めなくなってきた、というのが時代設定。

昔NASAの宇宙飛行士だったというクーパー(マシュー・マコノヒー)が、人類が住むことができる惑星を探しに、異なる銀河に行く、という映画。
異なる銀河に行くとなると、時間の問題があり、相対性理論に基づく異なる時間の進み方が出てきたりして、ややこしい。
いろいろとおかしな所はあるが、そのへんは、SFチックな言葉でうまくスジを運んでいる。

でも、この映画のテーマは家族の絆。
娘に、きっと帰ってくると約束して行った父親。
帰ってくるのを待つ娘。

行った星の調査をするのだが、その星の1時間は地球の20数年になるという。
こういうことが、恒星間の宇宙旅行では起こる。
宇宙船の中で液体の中に入り冬眠したりする。
そうしないと、年をとってしまって調査どころではないのだろう。

いったい地球の時間がどうなっているのか、というところを気にさせられる。
時間の流れが違うところにいる、ということが実感できる。
最後まで、どうなるのかわからない。

相対性理論をわかっている方が、面白い映画だ。

でも、そういう理屈がわかっていなくても、楽しめる。

ただ、2時間50分という時間は長い。

これは地球上の時間で、1本の映画としては、長いと思う。


| | 映画・舞台 | 21:51 | comments(0) | trackbacks(0) |
ターミネーター ジェネシス
ターミネーターの最新作を見た。
シュワルツネッガーのカムバックだ。
彼も68歳。さすがに年は感じさせるが、あの懐かしい姿で楽しませてくれる。

今回のターミネーターは今までの総決算。
そして、すべてをゼロリセットするような作品。

思えば1984年に撮られたターミネーターが、シュワルツネッガーをスターダムに押し上げ、その後の成功ももたらした。
彼は、悪役の予定だったんだろう。
ターミネーター2からはそれも主役に転じて、不死身のロボットになった。

アメリカの深夜放送にシュワルツネッガーが出ていたが、アイルビーバック、という決まり文句もあって、まだまだ撮る気という感じだった。

あんまりセリフ回しも上手そうにはないし、筋肉ムキムキのオーストリア生まれのボディビルダーがこんなに人気が出るとは思わなかっただろう。
果てはカリフォルニア州知事までやってしまう。
愛嬌のある顔で救われたんだろう。

ターミネーターのシリーズはみんな見た。
どれもそれぞれに良かった。

シュワルツネッガーが出ている作品では、キンダガートン・コップがちょっと毛色が変わった作品で良かったおぼえがある。
トゥルー・ライズもなかなか良かった。
どちらもコミカルな映画だった。

やっぱり、愛嬌のある役どころが、ぼくは好きだ。

まだまだ頑張ってほしい。

| | 映画・舞台 | 20:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
ラブソングができるまで
WOWOWでやっていた。
2006年。ヒュー・グラントとドリュー・バルモアが主演。

このブログを書き出した時に、ノッティングヒルの恋人、という映画でヒュー・グラントのことを書いたのを思い出す。

彼は、意外としょぼいおっさん役が似合う。
この映画では、80年代に売れていたバンドのメンバー。
ピアニストで作曲家でもある。

今は80年代の懐かしのメロディーという感じ。
遊園地や同窓会のドサ回りをやっている。
カラオケで昔の歌を歌って踊る。踊って腰を痛めたりしている。
実にしょぼいおっさんである。

ドリュー・バルモアは文学を志す女性。
大学時代に文学の教授と深い仲になってフラれ、それを悪しざまに小説にされて傷ついている。
文学の道はあきらめ、姉の痩身エステを手伝っている。

その二人が知り合い、売れっ子の若いシンガーの曲を作ることになる…。

思いっきりベタな邦題と、それにふさわしい内容。

でも、この映画はよかった。

こういうふうに、ラブソングが作られる、という夢をもらえる。

"Way Back into Love" というのが原題。
英語でもベタだ。

ヒュー・グラントとドリュー・バルモアが歌っている"Way Back into Love"のサイトがあったので、リンクを貼っておきます。

http://www.azlyrics.com/lyrics/hughgrant/waybackintolove.html

映画を見てからこの曲を聞くと感動するんだが…。


| | 映画・舞台 | 23:25 | comments(0) | trackbacks(0) |
お見送りの作法
イギリス映画。
ヨーロッパの映画らしく、派手さがなく淡々と流れる。

地方公務員が主人公。
孤独死した人の身寄りを探し、連絡し、葬儀を行うのが仕事。
亡くなった人の部屋で遺品をまとめ、弔辞を書いたりする。

その仕事も解雇される時が来た…。

主演はエディ・マーサンという俳優。
イギリスでは大御所なのだろう。
いかにも地方公務員という役を上手にこなしていた。

ハリウッドの映画に比べると、お金もかかってないし、出てくる場面も普通のものばかり。
同じ入場料を払って損をしたような気分になっても良さそうなものだが、この映画はそうでもない。

イギリスといっても、ブラックユーモアではなく、まともにセンチメンタルな映画だ。

ネタバレするのでこれ以上は書けないが、最後は感動する結末。

情けは人のためならず。

悲しいが、爽やかな映画だった。




| | 映画・舞台 | 22:25 | comments(0) | trackbacks(0) |
グッド・ライ -いちばん優しい嘘-
4月に封切らた映画。
リース・ウィザースプーンが職業斡旋人の役で出ている。
この人も年をとっていい味を出せるようになった。

前半はスーダンの内戦。
いきなり村を襲われ、親は亡くなり、子供だけで逃げる。
途中数々の悲劇があるが、延々とサバンナを歩いて、ケニアの難民キャンプにようやくたどり着く。
そして、十数年が経ち、あの時の4人が「ロストボーイズ」としてアメリカ行きに選ばれる。

スーダンは何度かの内戦を経て、今もややこしい状態みたいだ。
石油の利権があって、アメリカも関係した時期もあったのだと思う。
そんなことがあるから、こういう映画が作られたんだろう。
宗教と民族が絡むと、虐殺が起きる。

スーダンから来た黒人にも、最初からアメリカ人のように接するのは、さすが移民の国アメリカだと思う。
アメリカに来た彼らが言うこと、することにいろんな細かいギャグがあった。
ここは見ていて面白い。
移民局、福祉局、職業斡旋局など、いろんな人が彼らの熱意に打たれて支援の手を差し伸べる。
そうでないことも多いのだろうが、アメリカは懐が深い。

9.11が絡んで、スーダンの援助もややこしくなったところをみると、ここにもテロリストが潜んでいるという疑いがあったんだろう。
世界は善意が通じるところばかりではない。

グッド・ライ〜いちばん優しい嘘〜 という題名の意味は、最後のお楽しみ。

なんとも言えないエンディングだった。

いい映画だ。




| | 映画・舞台 | 00:16 | comments(0) | trackbacks(0) |
イミテーション・ゲーム
イギリス映画。
シャーロック・ホームズの新しいイメージを作ったベネディクト・カンバーバッチが主演している。

この映画は第二次大戦中に、有名なドイツの暗号生成器エニグマの暗号を破るイギリスの暗号解読チームのリーダー、アラン・チューリングの実話だ。

アラン・チューリングはパズルが好きな数学者。
エニグマの暗号を解くために、すごい働きをする。
真空管しかなかった頃に、暗号を解くための機械を作る。
これがチューリング・マシン。
コンピューターの元になったと言われている。

歴史上の数学者は変わり者が多い。
チューリングもその例にもれない。
そして、変わり者であるがために、世の中に受け入れられないことが多い。
天才の大部分は孤独なものだろう。

チューリングは自分が普通では無いから、苦しむのだ、と言う。
でも、一番の理解者であるジョーンは「あなたが普通と違うから、世界はこんなに素晴らしい」と答える。
天才は世の中を変える発明や発見をするが、それは本人がそうしなければおれないからだ、という事がよくわかる。

この映画はそういう切ない数学者の物語。
第二次大戦を早く終わらせた功労者の物語にしては、あまりにも切ない。

天才は世間に受け入れられない。
死んでから認められる人も多い。

そういう人たちのおかげで、今の科学があるのかもしれない。

いい映画だった。





| | 映画・舞台 | 23:03 | comments(0) | trackbacks(0) |
人生の特等席
クリント・イーストウッド主演の2012年作品。

年老いた野球のスカウトの役。
33歳の娘は弁護士。
もうすぐアソシエイツ(経営者の一員)になれるという直前のところ。

今やコンピューターが使えないスカウトは時代遅れだと言われている。
そんなものは役に立たない、という父親。
目で見て音を聞いて初めて判断できるという昔気質のスカウトを、イーストウッドが好演している。

娘は小さいころスカウト稼業で全米を連れて回られ、野球に詳しくなった。
それでも、母が亡くなり、ある時から父と別れて暮らすようにされた。
それが、彼女が弁護士になって働いた源になっている。

年老いた父親が娘との過去の確執を乗り越え、親子の絆を深める。
そんな映画だ。

こういう映画を見ると、本当にアメリカ人は野球が好きなんだと思う。
映画の中で、70年代のチームや選手、ワールドシリーズの成績などの会話がある。
もちろん、脚本だとわかっているが、そういう会話を楽しむというのが、野球好きの人たち。

父親は娘を人生の三等席に座らせたくなかった。
高校を回って選手を見て、バーで飲み、同じスカウト仲間と情報交換する生活。

それは本当は人生の特等席だった。

主演のクリント・イーストウッド、娘役のエイミー・アダムス。
どっちもいい演技だった。

| | 映画・舞台 | 21:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
幸せの教室
2011年のアメリカ映画。
トム・ハンクスとジュリア・ロバーツが主演。

スーパーをクビになったトム・ハンクス。
高校を出てすぐに海兵隊に入り、そこでコックを20年やって、除隊後スーパーに就職した。
でも、ある日大学を出ていないからという理由でクビになる。

アメリカらしく、退職金もなく、呼ばれていきなりクビ。
厳しい社会だ。

一念発起して、トム・ハンクスはカレッジに行く。
日本でいうと、単位履修になるのかな。
学生部長のような人がいて、オススメの講義の番号を言う。
スピーチのクラスと、経済学のクラスを取ることになる。
スピーチクラスの先生がジュリア・ロバーツ。

アメリカのカレッジは、本当に生徒がバラエティに富んでいる。
若い人もいれば、年寄りもいる。
いつからでも、学び直しができるようになっている。
授業を選んでそれだけの履修もできる。

トム・ハンクスはスピーチクラスでジュリア・ロバーツに出会い、人生が変わる。
というか、カレッジに行って、若い友だちもでき、住んでいたところも売って、人生を変えたのだ。
スピーチクラスの最後の授業を終え、A+の評価をもらう。
すごくいいスピーチだった。

アメリカのカレッジはオープンでいい。

こういう映画を見ると、日本の大学ももうちょっと開かれた大学にするべきだと思う。




| | 映画・舞台 | 23:08 | comments(0) | trackbacks(0) |
The Guilt Trip
バーブラ・ストライサンドというと、「追憶」で有名。
シンガーが本業かもしれない。
その彼女が2012年で主演した映画。
当時69歳だが、とてもそうとは思えないほどきれいだった。

日本では上映されていない。
WOWOWでやっていて、面白そうだから録画して見たが、なかなかいい映画。
でも、ネットで見たらあまり評価は高くない。

ぼくは好きだ。
これはロードムービー。
映画全体が旅になっている。

旅は日常から離れる機会。
そういう時には何かが起こる。
それが面白い。

息子と母親という珍しい取り合わせ。
過保護で子離れできなかった母親が、離れている発明家の息子(有機化学者)の洗剤の売り込みにつきあって、東海岸から西海岸までドライブする。

実際には、旅の終点のサンフランシスコでは、息子の仕事はない。
母の昔の恋人をネットで探し、独身の彼ともう一度会わせるという計画だ。

例によって、途中で母と息子のケンカがあり、仲直りがあり、テキサスでは1.5キロのステーキを完食するというイベントもあって、楽しめる。
クルマで走っている場面が多いが、景色が楽しい。
アメリカは広いから、雪が降っているところもあれば、真夏のようなところもある。

クルマの中では、母が持ち込んだ本の朗読のCDを聞く。
最初は嫌がっていた息子も、最後は一緒に聞いている。
アメリカにも、ああいうのはあるのか。

邦題が「人生はノー・リターン 〜僕とオカン、涙の3000マイル」という題名。
これがいただけない。
こんな題で見たいと思うだろうか…。

それが残念。

完全にハッピーエンドとは言えないが、いい映画だった。


| | 映画・舞台 | 23:15 | comments(0) | trackbacks(0) |
トスカーナの休日
何気なく映画を録画して見た。2003年の作品。「トスカーナの休日」という映画。
ダイアン・レインが主役でいい味を出している。

アメリカ人の作家が離婚し、訴訟を起こされ、何もかも元夫に残してイタリアのトスカーナにやってくる。
そこで目にとまった古い屋敷に一目惚れし、その屋敷を買う。
改修をするのだが、その業者が連れてくる人足が、ポーランド人や文学の教授など、変わった人たちで、仲良くなる。

ローマにシャンデリアのガラスを買いに行って、恋をして破れたり、アメリカから友達が恋人にフラレてやってきて出産したり、若い二人の結婚を助けたり、いろんなことがある。
その中で主人公は悲しんだり、喜んだり、自暴自棄になったりしながら日々を過ごしていく。

イタリアのトスカーナ地方の自然が描かれている。
すごくきれいだ。
そして、人々が明るい。
イタリアというと、景気が悪く、ヨーロッパの中でもシンドイ国だと思っているが、そんなことはどこ吹く風で、とにかく明るい。

そして、主人公はトスカーナで人生を取り戻す。
最後に主人公は言う。

「アルプスのウィーンとベニスを結ぶ線路が敷かれたのは実際に列車が走るずっと前のことだ。
線路が敷かれたのはみんなが未来を信じていたからだ。
人は人生の曲がり角を経て、見知らぬ地に行き、生まれ変わるのだ。」

この映画を見ると、イタリアに行ってみたくなる。
トスカーナは美しい。

人はだれでも人生を振り返りたい時がある。
その時が早いか、遅いかは人による。
この主人公は結婚に失敗して、そういう状態になった。
いろんな理由がある。
人はそれぞれに、自分のトスカーナを見つけないといけないのだろう。

イタリア語がわかればなあ。


| | 映画・舞台 | 00:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
ジャージー・ボーイズ
クリント・イーストウッド監督の作品。
レイトショーを見に行った。

フォーシーズンズという白人4人のバンドの物語。
60年代のアメリカンポップス満載だ。

Wikipediaによると、「アメリカ合衆国の、1960年代中期に世界規模で成功したロックおよびポップス・バンド。ヴォーカル・グループの殿堂はビートルズよりも以前に最も人気のあったロック・バンドだとしている」と書いてある。
アメリカの田舎から都会に出てきて成功し、ヒットチャートを駆けのぼり、そしてツアー先で仲間割れがあって、そしてバンドは解散、そしてソロで続けるというパターン。

もとはブロードウェイ・ミュージカルだったものを映画化した。

中に出てくる曲で唯一知っていたのが「君の瞳に恋してる Can't Take My Eyes off You」だった。
この曲をトップテナーのフランキー・ヴァリが歌うシーンは素晴らしい。
ペット・ショップ・ボーイズが歌っていたが、こっちがオリジナル。
この場面は泣ける。

そして、圧巻はフォーシーズンズがロックの殿堂入りするということで、オリジナル・メンバーで25年ぶりに歌うところ。
みんな白髪になってしまったが、4人揃って歌う。

ロックの殿堂はオハイオ州クリーブランドにある。
2003年にアメリカに出張した時に行ったが、その時はフォーシーズンズは気にかけていなかった。残念。

映画としては今ひとつだったが、音楽はよかった。

リードボーカルがファルセット(裏声)で歌う、60年代のポップスから生まれたパターン。
黒人の専売特許かと思っていたが、白人のバンドもいたんだなあ。

ちなみに、ジャージー・ボーイズという題名は、ニュージャージー出身の4人組だから。

あの頃のアメリカのポップスは底抜けに明るい。

その事がわかった映画だった。

| | 映画・舞台 | 01:08 | comments(0) | trackbacks(0) |
最高の人生の選び方
2009年の作品。
録画して見た。

元メジャーリーガーで殿堂入りしている父親と、スランプ中のメジャーリーガー親子のロードムービー。

主人公は息子の方だ。
心臓病で手術を待つ母親が、父親に会いたいということから、この映画はスタートする。

不仲だった父は息子に野球のことは一切聞かない。
きっと調子が悪いのは知っている。
父親の目から見て、彼に自分ほどの才能がないこともわかっているのだろう。
恋人から彼が何か書いているのを聞き、クルマの中で長編を書け、とハッパをかける。

紆余曲折を経て、父親は母親と再会し、また離れてアリゾナに帰っていく。
野球に集中するために関係が微妙になっていた恋人のために、息子は野球をやめ、スポーツライターになる決心をする。

これが旅の結末。

尊大なオヤジだと思っていたが、年齢でいろんなところにがたが来ている父親を見ると、許す気になった息子。
偉そうにしているが、身体は着実に弱っている。

「クリスマスには会おう」と言ってまた別れる。

親子の関係、夫婦の関係は複雑だ。
夫婦は別れても、親子の関係は変わらない。

それらをどこかの節目で修復していく。

そんなロードムービーだった。

アメリカは広いから、車で走るのが絵になる。

この映画の原題は”The Open Road"。

あんなところを走ってみたい。

| | 映画・舞台 | 22:35 | comments(0) | trackbacks(0) |
RE:CYBORG その2
以前、見ないと言っていたサイボーグ009の映画だが、テレビでやっていたのでついつい見てしまった。
石森章太郎の代表作のリメイクだ。

石森作品は少年漫画のメカニックな面とロマンチックな面を合わせ持っている。

サイボーグという言葉も009で覚えた。
当時のマンガにしてはすごくメカニックな面もあったと思う。
世界中から集められた9人の戦士、というだけで胸が踊った。
人間の器官を残して、一部を機械に置き換えるサイボーグ。
アトムや鉄人28号に代表されるロボットブームに新たな1ページを加えた。

この映画は石森プロもクレジットされていたが、どうも消化不良だった。
オリジナルのサイボーグ009を知らなければ、全く何のことかわからない映画だろうと思う。
そういう意味で、第一世代のぼくらがターゲットの映画。

オリジナルのラスト・シーンが再現される。
002ジェットと009ジョーが大気圏でミサイルを爆破するのだ。

それにしても、センチメンタルな映画だった。
せっかくのアニメなのだから、もっと荒唐無稽なストーリーにしてもよかったと思う。
ヘンに現実の世界を取り入れて、3次元CGを使い、リアルにしてしまった。

だからどうなのか、と言われても難しいが…。

残念なリメイクだった。


| | 映画・舞台 | 00:45 | comments(0) | trackbacks(0) |
ダイ・ハード ラストディ
2013年に発表されたダイ・ハードの5作目最終話。
WOWOWでやっていた。

このダイ・ハード、第1作が封切られたのは最終作の25年前。
ブルース・ウィリスも年をとった。
1作目の時は髪の毛があったが、4作目からはスキンヘッドだ。

ダイ・ハードシリーズにしては、この作品はハードなアクションに欠ける。
これは仕方がない。もう派手なアクションはできない。
もう年だ。
その代わり、今回は息子が出てくる。
マクレーンのジュニアである。

舞台はロシア。
例によって、着いた日から騒ぎに巻き込まれ、そのまま一日でエンディング。

カーチェイスはすごい迫力だった。

当初うまくいっていなかった息子との仲が、協力して仕事をするうちに信頼関係に変わっていくのが見どころ。

これで、ブルース・ウィリスもダイ・ハードから引退。

スタローンのランボーやロッキー、シュワルツネッガーのターミネーターなど、シリーズ物を持ったスターは退き時が難しい。
興行成績も1作、2作、3作…と続くとだんだんと落ちてくるらしい。
でも、この5作目はシリーズ第3位の興行収入だった。
さすがウィリス。

25年の月日を感じさせる映画だった。

| | 映画・舞台 | 23:48 | comments(0) | trackbacks(0) |
遠すぎた橋
テレビでやっていたので、見てしまった。
若いころに映画館で見たのだが、ほとんど忘れた。

この映画はノルマンディー上陸以降の連合国のドイツ軍との戦いを描いたものだ。

連合国の活躍のイメージしか残っていなかったが、この映画は連合国側の作戦のまずさを描いたもので、たくさんの国が絡んで作戦を立てると色んな所で齟齬が起こり、違う風土の組織を束ねるのは難しい、ということを描いた映画でもある…ということがわかった。
1977年にこの映画を作っていたのか…。
製作国はイギリスとフランス。
だから、ちょっとイギリスびいきなのかと思う。

ショーン・コネリーやジーン・ハックマン、ロバート・レッドフォードの顔は若く、懐かしかった。

前線で取り残されたイギリス軍を率いるショーン・コネリーは、油が乗り切った中年の少将を見事に演じている。
結局、作戦のまずさや装備の故障などで、最後は退却を余儀なくされる。
退却したコネリーが将軍に「部下を8000名失った」と言ったら、「あの橋は遠すぎたな」と言われるシーンは何とも言えない。

ラスト・シーンは全く覚えていなかった。
20代のぼくは意味がわかってなかったのだろう。

ヨーロッパは2回の大戦を通じて、多くの国々が戦争に関わり、まだそれを体験した人もいる。
しかし、それを乗り越えてEUという連合を作っている。

あらためてヨーロッパの人たちの懐の深さに感心した。

異なる国々でチームを作って作戦を立て、それを遂行する難しさも興味深かった。
しかし、今となっては東アジア(つまり日中韓)との比較で、やっぱりヨーロッパはすごいと思う。
オトナの国々だ。

この映画は単なる戦争活劇ではない。

そんなことに今ごろ気づくのも情けない…。


| | 映画・舞台 | 00:33 | comments(0) | trackbacks(0) |
鉄の女の涙
マーガレット・サッチャーの自伝映画。

あまりにも語ることが多すぎて、詳しいことは語れない。
メリル・ストリープが現在のサッチャーと、首相時代のサッチャーを演じている。

今のサッチャーはすでに引退して、アルツハイマーになっているらしい。

労働組合のストが繰り返され、アイルランドのテロリストが爆弾をしかけ、疲弊したイギリスをもう一度盛り返した女性首相。
冷戦を終わらせたという功績もある。
フォークランド紛争に毅然とした態度で臨み、軍隊を派遣して勝った。

鉄の女と呼ぶにふさわしい。

食料品店の生まれで、階級社会のイギリスでは珍しい首相ではないか。

「働かざる者食うべからず」という自助の哲学を持っていた。
自ら努力しないものには容赦ない政策。

最後は人頭税という、全ての国民が同額の税金を払う、という政策で支持を失った。

映画では、年老いたサッチャーが、夫の幻影に悩まされながら、人生を回想する。

イギリスにサッチャーがいなかったら、どうなっていただろう。
サッチャーは効率を追求し、公営でやっているものを民営にどんどん変えていった。
そのおかげで、イギリスは息を吹き返し、金融の中心になった。

映画の中でイギリスの国会が写される。
保守党と労働党が向かい合って座り、議論する。
日本のように、みんな前を向いて座っているのではない。
向かい合って座る。

それがすごく印象に残った。

あまり面白い映画ではないが、メリル・ストリープの演技がすごい。


| | 映画・舞台 | 00:30 | comments(0) | trackbacks(0) |
時をかける少女
初めて「時をかける少女」のアニメ版の映画を見た。
筒井康隆の原作とは違う。

原作を読んだのはもう何十年も前だが、なんかおかしいなあと思って見ていた。

タイムリープという、時間を飛び越える能力を身に付けた少女の物語。
Time waits for no one.
時間は誰も待ってくれない。
これを越えることができる。

最後に1回だけ残ったタイムリープを使って、過去に戻り、全てをリセットしてしまう。

未来から来た少年と知り合い、出会いと別れがある。

少年は「未来で待ってる」と言って去っていく。

何度も時間を行き来して、わけがわからないところあるが、いい青春ものになっている。

タイムリープするのは、結局タイムリープできなかった普通の自分に戻るためだった。

少女は普通の少女に戻る。

そんなストーリー。

いいアニメだった。

| | 映画・舞台 | 20:35 | comments(0) | trackbacks(0) |
かがりさん
いしだあゆみと言えば、ブルーライトヨコハマ。

「街の明かりがとてもきれいねヨコハマ」、という歌い出しのフレーズは昭和を代表するヒットソング。
スケートと関西弁が上手だった。

その後女優に転身して、映画にも出た。

何となく幸せ薄い女性の役がよく似合う。
男はつらいよでも、何となく影のある、おとなしいが芯の強い女性を演じていた。

あじさい寺という鎌倉の寺で寅次郎とデートをする。
あじさいが参道に咲いている、きれいな寺だ。
いつもの通り、寅次郎がいざとなると身をひいて、失恋する。

「今日寅さん別のひとみたいやから…」

旅人としての寅次郎と、家に帰ったときの寅次郎は違うと気づく。

かがり、という名前の役だったが、本当に魅力的だった。
いつものように、かがりの方も惹かれているのだが、その思いを寅次郎がやんわりと拒否する。

デートを終えて、とらやに帰って来ると、さくらが兄に言う。

「本当はかがりさん、お兄ちゃんを好きだったんじゃないの」
「馬鹿野郎、おれみたいなやつにあんなきれいな人が、惚れるわけないじゃないか」

そう言ってまた旅に出る。

そういう恋が昭和の恋。

今の若い人にはわからないかもしれない。


| | 映画・舞台 | 13:53 | comments(0) | trackbacks(0) |
ロスアンゼルス決戦
2011年の映画。

突然宇宙から来た生命体に地球が侵略される、という映画。
使い古されたストーリーだが、話をロスアンゼルスに限って、地上戦を戦う、というところが新しい。

宇宙人も地上で戦う。
海兵隊のストーリー。

全貌がわからない中、ずっと局地戦が続く。
最終的にロスアンゼルスを放棄することになるが、海兵隊の一部隊が敵の司令基地を破壊し、一気に優勢になる、というエンディング。

地球侵略ものにしては、ロスアンゼルスに限定された局地戦であるのが面白い。

海兵隊の活躍の映画だ。

こういう映画を作って、海兵隊員を増やすのだろう。

冷戦が終わり、仮想敵がいなくなった。
だから、この手の映画も作りにくい。

CGの進歩もあいまって、こういう映画が作れるようになった。

アクションものが見たいなら、面白い映画だ。


| | 映画・舞台 | 22:12 | comments(0) | trackbacks(0) |
ミュージカル
劇団四季を見に行ってきた。

事情があって、余った切符を買ったのだが、京都劇場の一番後ろ。
切り立った崖のような席だった。

アスペクツ・オブ・ラブという演題。
海外の作曲家が書いたミュージカルらしい。
セリフがなく、歌ばかり。
曲はなかなかよかった。

日本語の歌詞がちょっと不自然だが、これは仕方がない。

ストーリーは題名の邦訳どおり、愛の諸相を描いたもの。

まあ、登場人物をあまり増やさずに、色恋沙汰を描くと、こういうふうになるか、というものだった。

海外のものにしては珍しく、輪廻の思想という感じだった。

あらゆるものは、繰り返す。
人間関係もまた同じ。
因果はめぐる糸車…という感じのミュージカルだった。

たまにこういうのを見るというのも、なかなかいいものだ。

観劇の類は、日常から非日常への体験だ。
劇場という場所が、観客にそういうリセットをしてくれる。

だから、四季劇場には赤絨毯が敷かれている。
そこを通ったら、もう日常ではないのだ。

そういう体験を時々はしないといけない。



| | 映画・舞台 | 00:16 | comments(0) | trackbacks(0) |
宇宙戦艦ヤマトのセンチメンタリズム
宇宙戦艦ヤマトの実写版の映画を見た。
だいぶ古い。
キムタクが主演。

日本人の美意識が過剰に出ている映画だと思う。
スケールは違うが、ブルースウィリスのアルマゲドンも同じように地球を救うストーリー。
この2つを見ると、日米の違いがよく分かる。

地球を救うために、ヤマトは犠牲になって神風特攻隊のような状態になるのだが、そのシーンが長い。延々と別れのシーンが続く。もうわかっているから、早く一人だけ残して退去しないと…、と思わせる。
ベタなシーンが続く。

対して、アルマゲドンの方は地球に衝突する小惑星に核爆弾を埋め込んで、誰かがそれを起爆しないといけない。
起爆場所に行く人をくじ引きで選ぶ。
当たりくじを引いた若者を連れて行く途中で、年配の方が代わって行くことになる。
時間は短い。これでもか、という長さはない。

今生の別れに、心理的に永遠の時間がかかる、というのはわかる。
しかし、事態は迫っているのだ。
そんなに別れの時間などない。

どちらがドラマチックか。
ぼくはアルマゲドンだと思う。

アルマゲドンには安易なセンチメンタリズムはない。
すべてお膳立てして、みんな揃って別れの場面をゆっくり悲しむ場面などいらない。
時間がないのだ。

何となく割り切れないものが残る映画だった。





| | 映画・舞台 | 00:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
昭和の名作
WOWWOWで「男はつらいよ 奮闘篇」を見た。

全作品をハイビジョンで、という企画。

この作品はシリーズの中でもちょっと変わっている。
当時にしては珍しく、知的障害を持った女性が出てくる。
何度見ても、せつない気持ちになる。

寅がいつものパターンで好きになるわけではない。
知的障害の娘を守ってやらないといけない、という気になるのだ。

このマドンナを榊原るみが好演している。
青森の田舎から出てきた知的障害を持つ女性。
榊原るみは好きな女優だった。

知的障害をテーマにしているわけではない。
あくまでも寅の恋の相手がそうだっただけだ。

音楽は、山本直純。
大きいことはいいことだと言っていた。

それにしても、昭和である。
高度成長の時代。
1970年当時、まだまだ現在と比べると貧しかったと思う。
東京の下町は、ほとんど木造で、高いビルディングもあまりない。
車も40年前のものだから、今のようなツルンとした顔をしていない。

みんな貧しかったが、明日に希望を持っていた。
そんな時代だから、「男はつらいよ」シリーズは流行ったのだろう。

寅さんの実家は葛飾柴又の団子屋さん。
ここは今でも、土産物屋として成り立つだろう。
でも、隣のタコ社長のところの印刷屋は、今ならもう苦しいだろう。
みんな自分で印刷する時代。
印刷屋に頼むとしても、データー入稿の時代だから、設備投資をしないと無理だ。
今なら潰れているだろう。

そんな小さな印刷所でもやっていけた時代。
それが昭和だ。

IT化など、まだまだだった、1970年代。
2011年がこんな時代になるとは、想像もしていなかった。

そんなノスタルジーを感じながら、見ていた。

でも、その一方で、時代を超えて訴えるものがある。

よかったなあ。


| | 映画・舞台 | 23:38 | comments(0) | trackbacks(0) |
マネーボール
今日映画館で見た。

原作は読んだが、ちょっとイメージが違った。
ブラッド・ピットが主人公を演じたが、どうも思い描いていた姿とは異なる。

原作を読んだ時に書いたのは、「この本は、メジャーリーグの野球という世界最高レベルのスポーツで、過去の因習にとらわれず、カネをかけずに勝てるチームを作るという仕事を実際にやってのけた、オークランド・アスレチックスのゼネラル・マネジャーとそのブレインを縦糸に、そして実際の選手たちや過去に野球というスポーツを解析しようとした人たちを横糸に織り交ぜて、実際の取材に基づいて書かれたドキュメントだ。」ということ。

もともと、ドキュメントとして書かれたものをドラマにするのは難しい。

本に書かれた主人公は、もっと緻密かつ大胆なイメージだった。

でも、おそらく本人はブラッド・ピットのような人なのだろう。
過去に野球選手として失敗し、悩み、そして弱小球団のゼネラル・マネージャーとして野望を持っている、そんな人間。

原作は2時間以上かけても、描き切れない。
映画3本分くらいの量がある。

原作を読まずに見たら、きっといい映画だと思う。

しかし、原作のドキュメンタリーがあまりにも印象が強く、それを読んだ人にはちょっとつまらない、そんな映画になったと思う。

まあ、仕方ないことだが…。


| | 映画・舞台 | 00:07 | comments(0) | trackbacks(0) |
グラン・トリノ
久しぶりにいい映画を見た。

クリント・イーストウッドの映画。
グラン・トリノという題名。クルマの名前だ。

彼の役どころは、妻に先立たれ、子供夫婦も去り、一人で暮らす老人。
周囲からわからずやで頑固じじいと思われている。
イヌだけが彼の友達。
時々吐血して、あまり先が長くない事を匂わせる。

そんな彼がアジア系の姉弟と知り合う。

そして二人と親しくなり、弟に工具の使い方を教え、建設関係の仕事を紹介してやる。

姉弟にはアジア系のギャングの従兄弟たちがいた。
あいつらがいる限り、姉弟は安心して生きていけない。

姉が襲われたのをきっかけに、ギャングたちに一人で立ち向かう老人。

老人はグラン・トリノを大事にしている。
古い車だが、ピカピカに磨かれたグラン・トリノは、老人の人生を象徴しているようだ。
何でも新しいものがいいとは限らない。

息子夫婦に老人ホームに入ることを勧められるが、けんもほろろに断る。
一人で生きられなくなったら、死を選ぶというような人生。
彼を見ていると、孤独はつらいものだが、それを選ぶ気持ちもわかる。

純粋なアジア系アメリカ人の方が、世故長けた息子夫婦よりも、老人と合う。

そんな老人を演じられるのは、クリント・イーストウッドしかいない。

古き良きアメリカ。

最後に老人は亡くなる。

老人がかわいがったタオという若者とイヌを乗せて走り去るグラン・トリノ。

それがラストシーン。



| | 映画・舞台 | 13:34 | comments(0) | trackbacks(0) |
ATOM
3次元のCGで作られたアトムの映画。

アトムが作られたストーリーを再現している。
アトムは天馬博士の息子、トビオが亡くなって、代わりに作られた。
しかし、博士はロボットは人間の代わりにはならないと知って、アトムを捨てていく。

これがアトムの誕生のお話。
手塚治虫らしい、葛藤のストーリーだ。

捨てられたアトムは、自分の存在の意義を探す。
人間型ロボットという、人間でもなく、ただのロボットでもない不思議な存在。

それが、色々な出来事を経て、人間とロボットの架け橋になるという居場所を見つける。

ここからのストーリーはテレビでおなじみだが、ここまでの部分はあまり知られていない。

なぜ、3次元のCGが必要だったのか、それは難しい。
2次元でも充分表現できたと思う。

それでも、3次元CGにして、手塚アニメとは違うものにしたかったのかもしれない。

この出来映えを、手塚は草場の陰でどう思っているだろうか。

自分が生きている時には、ここまでのCGができるとは思っていなかっただろう。
技術は進歩した。

しかし、大事なのはマインドだ。

ロボットとしてのアトムが、ロボットと人間のために戦うというところから、正義のために戦うというところまでいってほしかった。

マイケル・サンデルによると、正義が何かは難しい問題だが、やっぱりアトムは正義の味方でないといけないとぼくは思う。


| | 映画・舞台 | 21:58 | comments(0) | trackbacks(0) |
ハンコック
ウィル・スミスが酔いどれのスーパーヒーローを演じる。

最初はおもしろオカシイだけかと思ったら、後半はシリアスなストーリーになる。

鉄よりも強い身体、空を飛ぶし、トラックも片手で持ち上げることができる。
その上、不死の身体。年をとらない。
紀元前4世紀には、もう生きていた。

どうやって生まれたのか、いつからそんな力を持ったのか…、疑問はあるがそこは映画として楽しむことにする。

そのスーパーヒーローがヨッパライでいい加減となると、悪いヤツをやっつけるのはいいが、いい人にも迷惑がかかる。
それを何とかしようと思ったのが、ハンコックに助けられた広告マン。
彼の言う通りにして、ハンコックは刑務所に入る。
そして、思惑通りに警察署長が出所を要請する…。

しかし、ここからが一転して重いストーリー。

ふーん、そんなこともあるのか…、とおどろき、しんみりする。

人と人が近づき、そして離れていく。

ちょっと、運命を感じさせるドラマ。

前半は面白く、後半は考えさせられる。

そんな、スーパーヒーローものです。

| | 映画・舞台 | 23:16 | comments(0) | trackbacks(0) |
幸せの1ページ
幸せの1ページという映画を見た。
去年封切られた映画。

外出恐怖症の女性作家が、孤島に住む少女を助けに行くという映画。

海洋科学者の父と娘が住む南海の孤島。
平和な暮らしをしていたが、一人で海へ出た父親が嵐に遭遇。
一人になった娘は、冒険小説の主人公にメールを出す。
実は、その作家は外出恐怖症で、女性だった。
その、彼女が一大決心をして、少女を助けに行く…。

ジョディ・フォスターが作家の役で好演している。
年をとっても、キレイだ。
サンフランシスコから南の島までの道中が面白い。

しかし、何といっても子役の娘がすばらしい。
アビゲイル・プレスリンという女の子。
崖からすべり落ちたり、一人で海賊と戦ったり、大活躍だった。

そして、トカゲ、アザラシ、コウノトリなどの動物たち。
ロケはオーストラリアのゴールドコーストとのこと。

よくできたコメディだ。
こんなことは、あり得ないというシチュエーション。
でも、それを感じさせず、最後のハッピーエンドまで進んでいく。

こういうコメディはやっぱりハリウッドの独壇場だと思う。



| | 映画・舞台 | 20:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
マッハGo Go Go
ストーリーは近未来が舞台。主人公がレース界の腐敗を暴くというもの。
スピードレーサーという題名。

まるでゲームの舞台を見ているようなCG。
目が回る。昔のアニメに比べると、すごい技術だ。
車と車がぶつかり合って出る火花や、ドリフトしてカーブを曲がるところもホンモノのように見える。
砂漠を走ったり、空中のコースを走ったり…。

最後のタイトルバックがやたら長くて、Visual Effectsを多用していることがわかる。
お金はかかったのかもしれない。

しかし、昔のマッハGo Go Goとは違う。
サンダーバードはよくできていたが、これはちょっとやりすぎだ。
昔のマッハGo Go Goを知らない人にはいいかもしれないが、あれを期待して見たらちょっと違う。

たかがアニメ、されどアニメ。
もともと、アニメを再現しようとして作られたのではないのだろう。
最後にテーマソングがかかって、ゴールインする。
でもなあ…。
アニメを覚えている人には、オススメできない映画だった。

全く別のものだと割り切って見るならイイと思う。



| | 映画・舞台 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
トレイラー・ハワード
トレイラー・ハワードという女優がいる。
名探偵モンクというアメリカのドラマに出てくる。

モンクは主人公。
強迫神経症で異様にきれい好き。
その探偵の助手のナタリー。

ナタリーはモンクを助けて、事件を解決する。
時にはイライラしながら、時には正義感を表に出して。
このトレイラー・ハワードという役者、その加減が実にいい。

モンクが電信柱を一本ずつ触っていったり、いがんでいる置物をちゃんと置きなおしたり、ブロックを敷いてある道をブロックに沿って歩いたり…。

見ていてイライラする場面でも、ほどよいイライラ度でつき合う。

助手だが、時にはモンクを引っぱる名脇役。

この女優のファンになった。


| | 映画・舞台 | 00:26 | comments(0) | trackbacks(0) |
メジャーリーグ3
メジャーリーグという映画がある。
野球をテーマにした映画はたくさんあるが、これもその佳作。
1,2,3とあるが、3をみた。

マイナーリーグのチームがメジャーリーグと勝負して勝つというストーリー。
マイナーといっても、AAA(トリプルA)だから、かなり待遇はマシだ。

アメリカのマイナーリーグは、日本のプロ野球の二軍とは違う。
ほとんどが独立の資本で地域密着型の運営を行っているとのこと。
だから、地域の人たちにコミットし、興業として成立するように必死でやる。

アメリカと日本の違いは何か?
場所が広いのだ。
カリフォルニア州一つが日本の面積の1.1倍。

wikipediaによると、AAAにインターナショナルリーグとパシフィック・コーストリーグが、AAにイースタンリーグと テキサスリーグが、アドバンストAとして、カリフォルニアリーグとカロライナリーグ、フロリダ・ステーツリーグ…。
たくさんのチームがある。

たくさんのチーム数があっても、面積が25倍もあれば、ひいきのチームを応援するのは大変だ。
飛行機に乗って見に行かないといけない。
だから、地元のチームをひいきにする。

メジャーリーグはもちろんのこと、マイナーリーグでも立派な野球だ。
その興業が独立採算で成り立つということは、野球の底辺が広いということだ。

映画の舞台はBUZZというチーム。
ミツバチのマスコットがいる。黄色と黒の縞模様。

はだかで応援している一群や、ペインティングして応援している人、そして、普通の人々。

マイナーリーグだからといって、お客がいないわけではない。
専属の中継アナウンサーもいる。
移動はバスだが、これは仕方がない。

上を目指して、必死で頑張る選手。
若い人を育てようとする監督。

メジャーリーグ3という映画は、そんなことを教えてくれる。


| | 映画・舞台 | 22:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記 NATIONAL TREASURE: BOOK OF SECRETS
ニコラス・ケイジ主演の宝探しの映画。

おきまりの宝探しの鍵を探し、その謎解きをする。
大統領執務室の机に隠された謎や、大統領本人に聞かないとわからない謎があり、それなりに楽しめる。

中で歴代大統領が書き記した本があり、それが次の大統領に引き継がれていくという。
その本が国会図書館にあるというのが面白い。
もちろんパスワードに守られているのだが。
そんな本があったとしても、日本ならもっと別の場所にあるだろう。

一方でニコラス・ケイジはリンカーン暗殺者の孫。

その汚名を晴らすのが、もう一つのプロットになっている。

楽しめる映画。

ニコラス・ケイジという役者、こういう映画ではいい味を出している。

一方で救命士という映画での暗い役もこなす。

自分らしさがわからない。
本当の役者だろう。

監督もやっていて、この人は多才な人だと思う。



| | 映画・舞台 | 13:33 | comments(0) | trackbacks(0) |
ダイハード4
遅ればせながら、ダイハード4をみた。

いつもながら、タフなブルースウィリスが見られる。

サイバーテロがテーマ。
テーマ自体は、あるよな、というもの。

何気なく取った電話で、ハッカーの一人を逮捕に行って、騒ぎに巻き込まれる。
ヘリコプターまで出てきて、すごい活劇。

ハッカーの彼と助け合って、犯人捜しをする。

どんでん返しもなく、後はそのままぶっ飛ばし…。

ダイハードならではのストーリー。

久々のダイハードだったが、ハードさは減っている。

もう年だということだろう。

今回はハッカーが最後にマクレーンからお礼を言われる。

追いつめられた時に、人は自分の得意ではないことでもやれる。

人それぞれ、得意なことは違うだろうが…。


| | 映画・舞台 | 20:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
シビル・アクション
ジョン・トラボルタと言えば、サタデー・ナイト・フィーバー。
若いダンサーだった。

ビージーズの音楽とともに、一世を風靡したなあ。
Night fever Night fever … というサビのところが耳に残っている。

それから20年くらい経って、トラボルタが弁護士役で出たのが、シビル・アクションという映画。
エリン・ブロイコビッチという環境汚染の訴訟を扱った映画があったが、それと良く似た設定。

もともとは、冷徹に裁判に勝つことだけを考えていた主人公だったが、ラジオの相談番組で電話があったのがきっかけで、大きな工場の廃液による環境汚染の訴訟に関わって…というストーリー。

訴えた側が証拠を出さないといけないという状況で、弁護士事務所が潰れ、本当に資材まで投げ出して訴訟に立ち向かう。

あの、ディスコで踊っていた頃からみると、恰幅がよくなって、いい中年の顔になった。

アメリカでは弁護士というと、人のもめ事につけ込んで…ということでバカにしているジョークがたくさんあるが、これは実話にもとづいた話とのこと。

1999年の映画。

全くお金がなくなったトラボルタが一人部屋でタイプを打つところ…、いい場面だった。

トラボルタ、いい中年になりましたね…。





| | 映画・舞台 | 19:53 | comments(0) | trackbacks(0) |
スペリング
Dreams come trueという映画を見た。

カリフォルニアの黒人少女が、スペリングコンテストに出るという映画。
彼女の中学校はダウンタウンの中学校。

スペリングコンテストというのは、日本でいうと漢字検定のコンテストみたいなもの。
学校の代表に選ばれた生徒が、ステージの上で一人ずつ順番に審査員から難しい単語を言われ、そのスペルを答える。
一つ間違えたら、その場で失格。

スペリングが大好きな亡くなった父親に似て、才能のある子だったが、簡単にはいかない。

母親の反対、コーチである近所の大学教授との人間関係、州大会に勝ち、有名になったことで離れていく友だち…。

それでも、それらを乗り越えて、ワシントンDCの全国大会に行く。

DCからのテレビ中継に町中の人たちが歓声を上げる。

厳しいルールだ。一度言ったスペルは言い直せない。
こんな大会があるのかと驚いた。

決勝戦の最後は、残った二人の対決。
超難関のラテン語系の単語、ギリシア語系の単語…信じられないような単語が出てくる。
最後の25問の超難関単語を順番に答えていく。

クライマックスの場面はすばらしい。
映画だからこそ描けるものだ。
安物のドラマみたいに、なんでもセリフだけで説明などしない。

太宰治は、世の中には本人にしかワカラナイ真実があり、それを描くことができるのは小説だけだと書いていた。
それは、映画にも言えると思う。

映画にしか描けない真実がある。

いい場面だった。





| | 映画・舞台 | 20:59 | comments(0) | trackbacks(0) |
レッスン!(Take the Lead)
アントニオ・バンデラス主演の映画。

社交ダンス教室の教師が、ふとしたことから、ニューヨークのスラム街の高校でダンスを教えるというストーリー。

「天使にラブソングを」とか「陽だまりのグラウンド」とか、この手の映画は多い。

社交ダンスを通じて、人を信頼することや礼儀正しくあることを教える。

アントニオ・バンデラスの洗練された動きがすばらしい。

何より、社交ダンスを通じて変わっていく生徒を見ているとうれしくなる。

少し固いことを言うと、こういう映画は、何かを一生懸命やるということが、人を育てる…ということを描いている。
それが、ゴスペルのコーラスであったり、野球であったり、そして社交ダンスであったりする、ということだ。
何でもいいのだ。

そして、それが見ている人の心を打つというのは、そこになにがしかの真実があるということだろうと思う。

そういう経験が人に自信を与え、生きることに価値を見出し、自分の人生を大切にすることにつながるのだと思う。

コーラスや社交ダンスでそんなに簡単に人が変わるのか?と言われると、たしかにそうだと思う。
だからこそ、映画で描かれる「主人公=教える人」は、いろんな意味ですばらしい人として描かれていると思う。

やっぱり、教える人が大事なのだ。

こんな映画を見ていると、今の教育の問題は指導要領や方針の問題ではなく、「教師」の問題なのだと思わされる。

あまりにも本質的すぎて、なかなか議論できないが…。

だいたい、世の中にそんな「すばらしい人」がたくさんいるワケがないのだ。
さらに、その「すばらしい人」が教師を目指すとはかぎらない。

だから、映画の中にそのような「すばらしい人」が何度もカタチを変えて描かれるのだと思う。

これも一つのファンタジーなのだろう。



| | 映画・舞台 | 18:58 | comments(0) | trackbacks(0) |
ロッキー・ザ・ファイナル
ビデオを見た。
ロッキー・ザ・ファイナル。

レンタルビデオでずっと見てきたが、一つ飛ばして、ファイナルを見たことになる。

よかった。

ファンタジーみたいなものだろう。
50歳を越え、妻を亡くし、レストランを経営するロッキーが、現役のチャンピオンと試合をする。
エキシビジョンマッチとはいえ、マトモに試合ができるわけはないのだ。

昔トレーニングで走った道を、老いぼれの捨て犬を連れて、走り、階段を上がっていく。
もうスパーリングの練習もできない。

それでも、「思い」を残したまま生きていくわけにはいかない。
親父から独立して、自分を見いだせない息子もいる。
もう一度だけ、リングに上がらなければいけないのだ。

レストランの経営で生きていくことはできる。
客に、昔話をして、一緒に写真を撮って、そして、亡き妻エイドリアンの墓にバラを置き、語りかける…毎日同じことの繰り返し。

そして、最後のリングに上がり、現役チャンプと戦う。

勝敗は問題ではない。
最後まで立ちつづけ、リングに思いを残さないこと。

昔のトレーナー、エイドリアンの兄、息子、友だちに囲まれて、リングを去っていくロッキー。

ロッキー・ザ・ファイナル。

題名にふさわしい映画だった。



| | 映画・舞台 | 17:29 | comments(0) | trackbacks(0) |
最高の人生の見つけ方
今日は一日出張で、仕事は夕方終わったのだが、名神の集中工事で渋滞しているので時間つぶしに映画を見に行った。

最高の人生の見つけ方。

ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマン。
どちらもいい役者だ。

ジャック・ニコルソンは、こういう役がはまり役。
傲岸不遜な大富豪だが、内面はいいヤツ…という役どころ。
難しい顔をしている彼が、物語が進むにつれて見せる笑顔がいい。

モーガン・フリーマンはいつものように哲学者のような思慮深い人という役どころ。
それでも、自分の意志は曲げない。

死を目の前にして、やり残したことをやるのだ。
時間はそんなに残されていないが、二人ともそれほどたくさんやりたいことが残っているわけでもない。

若いころ、大学の教授にリストを書けと言われたのを思い出して、モーガン・フリーマン扮するカーターがベッドの上で書いたメモ。
余命を宣告され、ショックで床の上に丸めて投げたメモがきっかけになる。
実現すると、一つずつ消していく。
最後に残ったいくつかは、お金があればできるというものではない。
それは誰かと心が通じあわなければできなかったり、自分の気持ちの中で納得しなければできないことだ。
そして、それは最後に…。

原題はThe Bucket List…かんおけリスト。
死ぬまでにやりたいことのリストという意味。
映画はその原題通りのおはなし。

これは、オトナのおとぎ話だと思う。




| | 映画・舞台 | 23:34 | comments(0) | trackbacks(0) |
プラダを着た悪魔
ファッションにはほとんど興味はないが、この映画は面白い。

何のマチガイか、ジャーナリスト志望の女性が一流ファッション誌のカリスマ編集長のアシスタントに就職してしまうというコメディ。

編集長はハッキリしている。
人づかいが荒く、仕事を要求する。
実際には孤独なビジネスパーソン。
家庭を犠牲にしてまで仕事に打ち込む。
自分の作った帝国を簡単にあきらめたりしない。
食うか食われるか…それがビジネス。
でも、彼女にも彼女なりの思いやりがある。

そんなファッションビジネスの社会に飛び込み、知らぬ間に染まっていく主人公。
やるからには、認められたいという執念。

いったい何が大切なのか?

仕事、信念、生き方、友だち、恋人…。

そんなことを考えさせられる。

メリル・ストリープとアン・ハサウェイ。二人の心がだんだんと近づいていく。役者のパワーがあるんだろうと思わせる演技。

アン・ハサウェイを見ていると、元気になる。

ぼくには、メリル・ストリープが着ているものがプラダなのか何なのか、全くわからないが、それでも楽しめる。

ラストシーンは感動的。

いい映画だった。




| | 映画・舞台 | 22:18 | comments(0) | trackbacks(0) |
ナイト・ミュージアム
封切りの時に少し気になっていたが、今日子どもが見ていたので一緒に見た。

ベン・スティラーという役者、コメディなどでよく見る人だが、主役を好演している。
頭はいいけど、どうも人生がうまくいかないという役どころ。

もう一人、博物館のマネキンのフランクリン・ルーズベルトの役でロビン・ウィリアムズが出ている。
この人は、「グッド・モーニング・ベトナム」での社会派のコメディアンというイメージが強い。
「いまを生きる」での教師役もよかったし、「ロボッツ」もよかった。

ストーリーは、博物館の展示物が、夜になると命を得て動き回るというドタバタと、離婚して養育権を得た息子とのつながり、そして泥棒との対決とつながっていく。

何といっても、特撮(いまはVFX…ビジュアル・エフェクツというらしい)がすごい。
ティラノザウルスの化石が動き回ったり、ジオラマの小さな人形たちが動き回ったり、最近はそういうのが多いので当たり前みたいに見てしまうが、それでも70年代なら考えられない映像。

ネアンデルタール人、フン族、エジプトのミイラ、モアイ像、南北戦争の戦士、マンモス…、いろんな時代のものが出てくる。

よくできた映画だと思う。

リクツ抜きで楽しめる。

博物館、昔は退屈であまり行きたいとは思わなかったが、この年になると逆に退屈しのぎに見てみようという気になるところ。

でも、日常から離れた体験をするところだから、ある程度お金がかかっていないとイケナイと思う。

だいぶ前に行ったが、ポートアイランドの神戸市立青少年科学館はなかなかよかった。

中途半端にお金をかけるのではなく、作るならスゴイものを一つ作って、それを長く続けること(もちろん、展示の内容は変えていく必要があるが…)が大事だと思う。

ああいうのは、文化だから、世の中が豊かでないと作れないものだ。

豊かだからいいのか?という疑問はあるが、ちゃんとした博物館が作られ、運営されていくというのは、いいことだと思う。

おもしろい映画だった。




| | 映画・舞台 | 23:25 | comments(0) | trackbacks(0) |
世界最速のインディアン
アンソニー・ホプキンスが純粋な老人を好演。

ニュージーランドの老人が、家を抵当に入れてアメリカに渡り、ずっと改造を重ねてきたインディアンというバイクを走らせて、最高速に挑戦する。
25年間の夢を叶える老人と、彼を支える人たちの物語。

隣家の少年トム、年金係の女性、若いバイカーたち、ハリウッドのモーテルの受付嬢、中古車屋の主人、ロスからボンネビルに行く途中に知り合ったインディアン、通りがかりに助けてくれた女性、ボンネビルのスピードコースで出会った人たち…。
彼とかかわった人たちは、彼を好きになる。

心臓発作やバイクの不調など、夢を遮ろうとするものがあっても、彼は止まらない。

速く走るための彼の哲学は、時代遅れだと言われても、人々を説得する力があるのだ。

タイヤの軽量化をするために、ナイフでゴムを削り取ったり、自分でエンジンのピストンを鋳造したり…。

ブレーキもなく、止まるためのパラシュートもない。サスペンションは旧式だし、タイヤはひび割れている。
「そんなバイクで、ここを走るのか?」とスピードコースの人たちは言う。
それでも、あの年で地球の裏側から、ここで速く走るためだけにやってきたのだから…。

いわゆる、ロード・ムービーである。

ぼくは、このロード・ムービーものが好きだ。
「エリザベス・タウン」もそうだった。

人生は旅。

彼のように、一つの夢を求めて走り続けられる旅を見ていると、せつなくて、うれしくなる。


| | 映画・舞台 | 22:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
50回目のファーストキス 50 FIRST DATES
久しぶりのロマンス映画。
コメディとしてもよくできている。

主人公が水族館で働いていて、出てくるセイウチやペンギン、イルカを見ていると楽しい。

舞台がハワイで、そののんびりした雰囲気が、少しシリアスな設定に合っているんだろう。

彼女は交通事故の後遺症で、事故のあとから、記憶が1日分しかないのだ。
何度会っても、その日初めて会った…という事になってしまう。
ドリュー・バルモアが好演。

アダム・サンドラーという主人公の男性も、いい感じ。
コメディにしては二枚目だが、いい俳優だと思う。

1日分の記憶しかないことがわかった彼女が、彼の将来のために、自分の過去の記憶を書きとめたノートから、彼の部分を捨てていく場面は名場面。

悲惨な状況ほど、コメディになるという脚本の見本のような映画。

見ていると、ハワイに行きたくなる。

人には歴史があり、それによって生きている。
そんなことも思い出させてくれる。

最後にちらっとハワイアン風のOver the Rainbawが流れる。

なかなかいい映画です。



| | 映画・舞台 | 09:51 | comments(0) | trackbacks(0) |
がんばれベアーズ
懐かしい映画を見た。
野球をテーマにしたアメリカの映画はイイものが多い。

ダメな野球選手くずれが、ダメチームの監督になるという、よくあるパターン…。

最初は弱いチームが、いい選手を迎え入れ、だんだんとまとまり、強くなっていく。

決勝戦まで行き、オトナの監督には勝利への執着が出てきて、選手たちとの行き違いが起こるが、選手たちの気持ちに気づいた監督が、最後に控えの選手たちをグラウンドに送る。

同点の最終回の守りである。

ずっとベンチを温めてきた選手が言う。
「このゲームに勝ちたいから、ぼくを出さないで。」

「おまえはベンチをあたためるために生まれてきたのか?行って全力でプレーしてこい。」

その選手がホームラン性の当たりをキャッチするのだ。

ベアーズは結局は決勝戦に負けてしまう。

でも、優勝チームのメンバーにずっといじめられていた選手が、相手に向かって準優勝のトロフィーを投げつけて言う。
「来年は見てろよ」

映画である。

折りしも日本の現実では、野球留学、奨学金の記事が出ている。

アメリカでも、実際には野球はビジネスであり、大金が動いているのだろう。

でも、映画は夢だ。

一度見てから、もう30年になるか…。

でも、こういう映画を見ると、あたたかい気持ちになれる。

結果よりも大事なものを教えてくれるおはなしだ。



| | 映画・舞台 | 19:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
007
こないだ、コメントにちょっと書いたが、007が好きだ。

色々な人がジェームス・ボンドの役をやったが、やっぱりショーン・コネリーだ。

僕らが小学校の頃は、まだまだ東西冷戦の真っ最中であり、西側対東側というスパイの戦いがリアリティを持っていた時代だったし、とにかくカッコ良かった。
若いころのショーン・コネリーは、小説の中の洗練されたイギリス人というよりは、ちょっと俗っぽさのあるバタ臭さが良かったと思う。
マジメ一徹ではないが、やるときはやる、という感じが出ていたし。

サンダーボール作戦やゴールドフィンガーなど、派手な映画だった。
日本の怪獣ものとはまったく違う世界だったし、少年マガジンの巻頭特集に出たりしていた。

アストンマーチンに代表される特殊仕様のクルマ、、ナイフが隠してあるアタッシュケースや、時計型の通信機など、映画の中ではQという名前の技術屋が毎回新しい武器を渡すのも見物だった。

また、1回説明を聞いただけで、ボンドはそれを上手に使うんですよね。
映画と言ってしまえばそれまでだが…。

スパイらしさが出ていたのが、何といっても「ロシアより愛をこめて」だったと思う。
これは、原作も読んだ。
ちょっと暗い作品だが、後のスペクタクル・シーンがクローズアップされる007映画とはひと味違う良さがあった。

「ダイヤモンドは永遠に」も良かったなあ。これは映画館で見たから、特に印象に残っている。
砂漠のサソリの場面がスリリングだった。

ベルリンの壁が崩れ、東西冷戦が終わってしまって、スパイのリアリティがなくなってしまい、一時ちょっと人気がなくなった時期があったが、やっぱり007は好きだ。

今年のお正月には、カジノ・ロワイヤルが上映される。
この作品は、ボンドが007になる前から描かれるとのこと。

今回から、また新しいボンドだが、どうなんだろうか…。

今から楽しみである。



| | 映画・舞台 | 01:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
エリザベスタウン
ちょっと前に封切りだったが、上映期間が短くて見ることができなかったのが、この映画。
TSUTAYAでもうビデオになった。

会社に10億ドルの損をさせてしまった青年が、自殺をとどまって、父の葬儀に故郷に帰る…。
その飛行機の中で…というおはなし。

たぶん、評価が分かれる映画だと思う。
現実味がないといえば、そうだろう。

僕はこの映画が好きだ。

アメリカ南部の素朴な風景、少しブルース気味のサントラ、そして、人生で大事なものは何か…。

主人公の青年と、飛行機の中で会うスチュワーデスのナレーションがいい。

父親の灰を撒くシーン、彼女と最後に再会するシーン、母親が告別式で話したあとダンスを踊るシーン…。

棺の中のシーンしかなかったが、父親も良かった。セリフはないけど、ギャラはもらえる役だ。

挫折、故郷、家族、旅、恋、音楽…そんな映画でした。

母親役のスーザンサランドン、こないだ書いたところだが、この人はうまい。

オススメはしません。
ひょっとしたら、面白くないかもしれません。

でも、いい映画だと思います。
| | 映画・舞台 | 23:18 | comments(0) | trackbacks(0) |
Stepmom
邦題と原題が全然違うので印象に残っている映画がある。

ジュリア・ロバーツとスーザン・サランドンが出ていた、グッドナイト・ムーンという映画。

原題はStepmom(継母)という。なんでグッドナイト・ムーンなのか…。

この映画の中に出てくる、マービン・ゲイとタミー・テリルの Ain't no mountain high enough という曲がいい。

映画では、子どもたち二人が、離婚した母親(スーザン・サランドン)の家に泊まり、この曲のレコードをかけて、3人で踊る場面が感動的だ。

この曲は、「天使にラブソングを2」のエンディングでも、出演者がみんなで歌っていた。

曲の解説はこちらに。
http://takamatsu.cool.ne.jp/divamania/newsonglist7/aintnomountainhighenough_mavin.htm

ジュリア・ロバーツは「ノッティング・ヒルの恋人」も良かったが、このStepmomでは悩める継母をうまく演じていた。

スーザン・サランドンは、病魔に襲われる、別れた母親役で、さすが、という感じ。

1年ほど前にジュリア・ロバーツが出ているというだけで、借りてきて見たが、Ain't no mountain high enough という名曲とともに、忘れられない映画になった。



| | 映画・舞台 | 22:54 | comments(0) | trackbacks(0) |
サマーリーグ Summer Catch
久しぶりに映画を見た(といっても、映画館ではない)。
サマーリーグというヤツ。

才能はあるが、自滅してしまう大学出身のピッチャーの家族・友情・恋・そして成功を、西海岸の避暑地で開催されるサマーリーグを舞台に描く…というお話。
最終戦で、ノーヒット・ノーランをかけて…というパターン。

ストーリーは単純で、楽しめる映画だった。

スポーツが舞台になっている映画はいい。

陽だまりのグラウンドもよかったし、ラブ・オブ・ザ・ゲームやメジャーリーグ、前に書いたオールド・ルーキーもよかった。

アメリカ人がいかに野球を愛しているかがよくわかる。

フェア・プレイとか、アメリカン・ドリームとか、自分を信じることとか…野球を通じて表現されると、よくわかる。

ノーヒット・ノーランを達成しかかっている時には、スタンドで見ている観客が、そのことを口にしてはいけない、という場面が出てくる。
へー、そうなんや、と感心した。

はっきりとそういう観客の約束事がある。

口に出して、言葉にすると、逃げていくという感覚は日本的なものかと思っていたが、そんなこともないのか。
野球というものを通すと、日米の文化の違いや共通点がわかって、面白いと思う。

単純に楽しみたい方、いいですよ。


| | 映画・舞台 | 11:57 | comments(0) | trackbacks(0) |
僕はラジオ RADIO
久しぶりに、感動する映画を見た。

2003年のアメリカ映画。最初に「実話にもとづいたストーリー」と出てくる。
アメリカン・フットボールが題材になった映画は多いが、どれも面白いと思う。
さすが、アメリカの国技と言っていい。

この映画も高校のアメリカン・フットボール部のコーチが主人公。厳しいコーチだ。
もう一人の主人公が、知的障害を持つ黒人青年。

コーチの役はエド・ハリスという俳優だが、この人が渋い。
こんな50代になれたらいいなあ、と思わせる。

黒人青年役の俳優もすごくうまい。
タイトルのラジオというのは、この青年がラジオが大好きで、自分のことをラジオ、というところからついている。

この、ラジオがコーチに頼まれて、アメフト部の練習を手伝い、だんだんと心を開き、苦難を乗り越えて・・というおはなし。

淡々とストーリーは進む。

このコーチが、娘に、なぜ自分がラジオの世話をするのか、という場面は良かった。
盛り上げて、感動的にしている映画ではないが、淡々と進む中に、じんわりと心打たれるシーンが出てくる。

最後のタイトルバックに、実際に今も高校のフットボール部にいる、ラジオの映像が出てくる。
この映像を見たら、この映画を見て良かった・・と本当に思う。

すごくいい映画だと思います。

| | 映画・舞台 | 23:56 | comments(0) | trackbacks(0) |
スパイダーマン2 SPIDER-MAN 2
いい映画だった。

アクションヒーローもののパターンとして、ヒーローであるがゆえの孤独にスポットを当てたストーリーは今までもあったと思うが、この映画はそのスジで作っていて、すごくよくヒーローの孤独を描けた作品だと思う。

好きな女の子との行き違いから、主人公がスパイダーマンとして生きることに疲れ、普通の生活に戻り、学生としての生活をエンジョイしようとしてスパイダーマンをやめてしまう・・という展開。

しかし、何となく主人公のピーターの異変を悟ったメイ叔母さんから諭され、近所の子供がスパイダーマンのヒロイズムを信じている事を聞き、自分の宿命を受け入れ、スパイダーマンに戻っていく。
その過程が自然で、スッキリと描かれている。

ヒーローの孤独、普通の人間に戻りたい・・・。
恋人とのすれ違いの展開が、クライマックスでお互いに素直になって、結ばれる。

CGの素晴らしさも見どころ。
ビルの間を糸を操りながら飛び回るスパイダーマンを見ていると、映像はすごいなあ、と思わされる。

主人公のトビー・マグワイアは少し影のあるヒーローをうまく演じている。
「サイダーハウス・ルール」にも出ていたが、ちょっとクセのある、いい俳優だと思う。

ビデオを借りてみても損はないと思います。

| | 映画・舞台 | 00:05 | comments(0) | trackbacks(0) |
もう一つのメリークリスマス COMFORT AND JOY
今朝もクリスマス映画をやっていたのを見てしまった。
2003年のアメリカ映画。

キャリアウーマンで、とにかくおカネが大事、家庭よりも仕事・・という女性が自動車事故を起こし、事故から覚めてみると10年間の時間が経っていて、全く逆の境遇の家庭の主婦になっていた・・・というおはなし。

結婚した相手は、ホームレスのケアをする団体の仕事をしていて、おカネは儲からない。
子供が二人もいる。
自分もホームレスのケアのリーダーをやっている。
料理がすごく上手。
おカネはないが、仕事よりも家庭・・そんな境遇。

彼女はなぜこの男性と結婚したのか、全くわからない。
でも、今日はクリスマスだし、他に行くところもないので、彼の家で過ごさざるを得ない。
両親もやってくる。
両親は離婚していたはずなのに、5年前に復縁していた・・。
何もわからない。そもそも10年間の記憶もないのだ。

結婚した彼に、どうして自分と知り合ったのか?と聞くと、彼女の方から、会ったこともないのに、いきなり「ずっとあなたを待っていた」と言って、彼女の方から積極的に知り合ったとのこと・・信じられないという思いが募る。

両親と一緒にクリスマスディナーを食べている時に、母親と彼女がケンカになり、母親が彼女の結婚について批判すると、彼が母親を遮って、彼女を守ってくれる。
両親は帰ってしまったが、彼女は彼に守ってもらったことで、心が通じ合い、ハグをして・・・そこで時間がもどる。

車の事故の場面にもどり、事故をした車のドアをあけてくれたのが、10年後に会った彼だった。

ドアが開くと同時に、彼女は彼を見て言う。「ずっとあなたを待っていた。」
彼は、どうして自分のことを知っているのか?という表情。
そして彼は自己紹介をして、二人で歩いていく・・・。

いきなり違う境遇になった彼女が色々とトンチンカンな事をして、笑える場面もたくさんあり、ラストの場面のどんでん返しがすごく印象的だった。

クリスマス・イブにふさわしい、よくできたファンタジー映画だった。

これで、99記事目。

今日はサンタが来る家も、ばれていて、もう来ない家もあるんでしょうね。

昔は、子供が靴下に手紙を入れて、枕元に置いていたのを思い出す。

何が欲しいのか、情報を得るのが大変だったりした。

「サンタさんはわかっているハズや」などと言われると、どうしようもない。

夜中にこっそりプレゼントを置かないといけない方、ごくろうさまです。

明日の朝起きたら枕元に自分へのプレゼントがある・・なんて事があったら、それこそファンタジーだろう。

いくつになっても、サンタはいてほしい・・これはホンネでしょうね。


| | 映画・舞台 | 18:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
アリー・マイ・ラブ
遅まきながら、ケーブルテレビで再放送(再々放送?)でやっている、アリー・マイ・ラブを見始めた。
NHKで日本語吹き替えでやっていたが、どうもアリーの声がぴったり来ず、見たり見なかったりで、入り込めなかった。
やっぱり、字幕の方がいい。

今回、1回目から見たが、最初から見ると、すごく面白い。
プロデューサーが「シカゴ・ホープ」や「ザ・プラクティス」のDavid E. Kellyでこの人のドラマらしく、人間関係が複雑で面白い。

アリーは弁護士だが、毎回の裁判ネタと、人間関係の展開がうまくミックスされている。
役者もうまいし、また、毎回弁護士事務所のビルの下にある、バーでやっているライブの曲もいい。

ベイ・シティ・ローラーズの I only wanna be with you が、原曲よりゆっくりしたアレンジでかかった時は、すごく懐かしかった。

調べてみると、David E. Kellyは僕とほぼ同じ年齢だった。だから、年代的に共感できる曲がかかるのか・・・。

さすがに、TSUTAYAでいつもDVDが貸し出し中だけのことはある。

前に、海外のドラマについて書いたが、このドラマもリストに加えないといけない。

最近テレビはほとんど見ないが、これは当分楽しめそうだ。

見逃した方、見てない方、面白いですよ。お勧めします。

| | 映画・舞台 | 23:54 | comments(0) | trackbacks(0) |
男はつらいよ 寅次郎相合い傘
こないだ、BSで「寅次郎相合い傘」という1975年の作品をやっていた。
浅丘ルリ子が「リリー」という売れない歌手の役で2度目に出た作品。

「男はつらいよ」シリーズは大好きで、全部ビデオを借りて見た。

30年前の作品を見ているという感じはなかった。
調べてみると、浅丘ルリ子が35歳、渥美清が47歳。

この時の浅丘ルリ子は、すごくきれいだ。こんな女優は今はいないだろう。

このシリーズ、決まりきったパターンである。

テキ屋の寅次郎が恋をして、ふられる、それだけだ。
そこに妹のさくら(倍賞千恵子)や柴又の団子屋のおいちゃん、おばちゃん、さくらの夫、印刷屋のタコ社長、帝釈天の御前様などがからむ。

寅次郎は商売柄、いつも旅に出ている。
旅先で恋人を見つけたり、柴又で知り合ったり、知り合い方が毎回楽しみだった。

なんで48作も作られたんだろう?

やっぱり、寅次郎のキャラクターだろうと思う。

旅をしている・・それが一つめ。
恋をする・・これが二つめ。
帰る家庭と暖かい家族がある・・これが三つめ。

ふられるのは、ふられないと、次の恋ができないからだ。

この3つ、揃えるのは難しいと思うが、それが揃っているから、48作も作られたんだと思う。


| | 映画・舞台 | 23:44 | comments(2) | trackbacks(0) |
恋愛適齢期 Something's Gotta Give
2004年の作品。
ダイアン・キートンとジャック・ニコルソンという渋い俳優に、キアヌ・リーブスが入って恋愛模様を描く。

ジャック・ニコルソンも、ダイアン・キートンも、恋愛ものの主役になるには年齢がいっているが、そんなことは全く感じさせない。
笑わせる場面もたくさんあり、また、最後に泣かせる場面もある。

今まで、若い女性としか遊んでいない実業家のジャック・ニコルソンと、バツイチの売れっ子脚本家のダイアン・キートンという取り合わせが新鮮。ダイアン・キートンの年齢を感じさせないキュートさも見どころ。

食事の場面がたくさん出てくるが、いずれも印象的。
こんな感じで食事ができれば・・と思わせる。

ダイアン・キートンが、泣きながら自分の失恋をテーマに脚本を書く場面は圧巻。
こんな演技ができる女優はなかなかいないと思う。

クライマックスは場面がパリ。
人はパリで恋を知る・・・という言葉はなさそうだが、パリの夜景のシーンはすばらしい。

この映画は、サウンド・トラックもすごくいい。
シャンソンあり、ボサノバあり、ジャズありで、音楽でも楽しめる。

ベタベタしない恋愛ものを見たい人には、お勧めします。

| | 映画・舞台 | 23:53 | comments(2) | trackbacks(0) |
バック・トゥ・ザ・フューチャー
今日はテレビでバック・トゥ・ザ・フューチャーをやっていたので、ついつい見てしまった。
マイケル・J・フォックスの大ファンだ。

この映画は、今から20年前の作品。
マイケルがいい味を出している。
コメディが絵になる役者だ。

この人の書いたラッキーマンという本を読んだ。
この映画が発表されて、マイケルがテレビから映画に進出したちょうど13年後に、彼は自分がパーキンソン病にかかっていることを発表した。
ラッキーマンは彼の自伝であり、闘病記でもある。
この本は、なかなかめぐり逢えない本だった。

アマゾンのレビューから抜粋すると・・

「フォックスは、パーキンソン病が自分に何をもたらしたかを語る。すばらしい人生と仕事に感謝するチャンスが与えられたこと。そして、治療法を探すための手助けをし、人々に広くこの病気について知ってもらう機会を得たこと。そう、彼は実に幸運な男なのだ。」

だから、本の題がラッキーマンになっている。

発病は1992年らしい。パーキンソン病はゆっくりと進行していく。難病であり治療法が見つかっていない。
マイケルは今、財団を作って、この病気の治療法を確立しようとしている。

彼が引退する直前の番組が、ニューヨークの市庁を舞台にした、スピンシティというドラマシリーズ。
マイケルは市長の補佐官の役で出ていた。
番組の中の彼に、少し違和感を覚えるのは、病気の事がわかってからだった。
本の中に書かれているが、この番組の収録は大変だったとのこと。発作を抑えるための薬をのみ、いうことをきかない身体がほぐれてきた時を狙って、自分の出演場面を撮っていたらしい。
その演技が面白い。本当にこの役者はすごいと思う。

マイケルは、今、バック・トゥ・ザ・フューチャーを見て、映画のように、自分はもう一度過去に戻りたい・・・と思うんだろうか?
きっと思わないだろう。

「神様、自分では変えられないことを受け入れる平静さと、自分に変えられることは変える勇気と、そしてそのちがいがわかるだけの知恵をお与えください。」

彼が毎日捧げている祈りの言葉。

マイケル・J・フォックス財団が、パーキンソン病の治療法を確立して、彼の姿をもう一度見られることを願う。


| | 映画・舞台 | 23:35 | comments(2) | trackbacks(0) |
きっと忘れない(with Honors)
TSUTAYAで面白そうだったので、借りた。1994年の作品。
期待通りの映画だった。

ジョー・ペシがホームレス、ブレンダン・ブレイザーがハーバードの大学生の役で出ている。

卒論間近の大学生がホームレスの男と知り合う。

最初はホームレスを嫌っているが、次第に彼の過去を知り、考えを知り、そして彼の人生を知ることになる。
ルームメイトの大学生も加え、最後には5人の学生がホームレスと心を通わせる。

ストーリー展開としては、よくあるパターンという感じだが、バックの音楽もいいし、二人の役者がよくて、引き込まれる。

ラストシーンが近づくとともに、大学生たちとホームレスの友情が高まり、ハーバードという、権威のかたまりのようなところの学生が、事情があってホームレスにならざるを得なかった男の考えに共感し、権威よりも自分に素直になること、という選択をしていくところがこの映画の主題。
ちょっと過激な意見もあるが、要は権威を信じ込まず、自分の考えを持て、ということを学んでいく。
with Honors、誇りをもって生きろ、ということか。
卒論で賞を取ることよりも、もっと大切なことがある。

青春の一途さ、仲間との友情、人生の悲哀、人間の温かさ、そして死・・・この映画のようなことは、映画の中にしかないだろうが、だからこそ映画にする価値がある。

涙もろい人は、ラスト近くでは、絶対にタオルが必要です。

| | 映画・舞台 | 00:03 | comments(0) | trackbacks(0) |
イン・アメリカ 三つの小さな願いごと
とにかく、二人姉妹役の子役がすごく上手で、感動する。
物語は、アイルランドからニューヨークにやってきた一家が、つらい生活を乗り越えて、最後には、アイルランドで亡くした息子の死の悲しみを乗り越えていく、というもの。

この映画を撮った監督の自伝的な作品とのこと。

貧乏で苦しい生活・・・つらい物語だが、子供たちの純真さに救われる。

「三つの小さな願いごと」というのは、長女が天国の弟に願いをかける・・そのお願いである。
この子がけなげで、ラストシーンでは大人びた言葉を、自然に、父親に対して話しかける。
「弟が死んでから1年、私が一家を支えたのよ」
これはすごく感動的な場面だった。

それと、長女がイーグルスのDesperadoを歌う場面がある。
これはいい場面だと思います。
カウボーイハットをかぶって、か細い声だけど、しっかりと歌う・・・。
「困った人だけど、ここに愛している私がいるんだから・・」という歌詞。よかったです。

キャストを調べてみると、この二人姉妹は本当に姉妹だった。
それにしても、子役二人がよかった・・。(何度も言いますが、本当に良かったです。)

興味のある人は、

http://www.foxjapan.com/movies/inamerica/index.html

を見てみて下さい。
| | 映画・舞台 | 00:05 | comments(0) | trackbacks(0) |
コメディ女優
日本に、コメディ女優、という人はいるだろうか・・・?

アメリカの女優で、シェリー・ロングという人がいる。
この人はコメディ女優で、大、大、大ファンだ。

ハロー・アゲイン、うるさい女たち、マネーピットの3本を見た。
マネーピットはちょっとブラックユーモアで、今ひとつだが、ハロー・アゲインとうるさい女たちは、すごく面白かった。

こういう、コメディエンヌという部類の日本の女優は誰かいるのかな。

コメディだから、笑いはとるが、すごく上品で、知的な感じがする。

最近の映画はあまり見ないが、昨日シェリー・ロングが主演している、中古のビデオを買ってしまった。
もう日本では販売してないものらしい。

解説を見ると・・「ガールスカウトの隊長に立候補したビバリーヒルズの金持ち奥様のズッコケ奮戦ぶりを描くコメディー。」とのこと。

めちゃ楽しみだ。
最近はネットで色々なものが見つかってしまうので、困る。

「うるさい女たち」と「マネーピット」はまだTSUTAYAを探せばあるのではないかと思います。
うるさい女たち、はオススメです。

| | 映画・舞台 | 01:57 | comments(0) | trackbacks(0) |
サンダーバード
1960年代後半に小学生だった人なら、きっと見ていたのが、サンダーバード
国際救助隊(International Rescue)である。

英国BBCが制作した、モダンな人形劇。

何といっても子供の心をとらえたのは、出てくるメカである。
サンダーバード1号から5号まであり、ロケット型の1号、災害発生地にものを運ぶコンテナを内蔵した2号、宇宙に行ける3号、水中専用の4号、そして宇宙ステーションである5号。これらのメカに、トレーシー一家の兄弟5人が乗り込んで、世界各地で発生した災害を救助する。とにかく、かっこよかった。
それ以外にも、地底を掘り進むジェットモグラ、隊長の姪(だったかな)のペネロープ(黒柳徹子が吹き替えしていた)御用達の乗用車であるペネロープ号など、みていてわくわくするようなメカが満載だった。

客席は空いていたが、見に来ていたのはほとんどが40代以上だった。

今回の映画は実写+コンピューターグラフィックスで、思わず、「おー、このコクピットはこうなっていたのか!」と声が出そうになる場面がたくさんある。

ストーリーとしては、今回、一番下の弟がまだ国際救助隊に入っておらず、勉強中の身であるのだが、その彼が友達とガールフレンド3人で、国際救助隊を亡き者にしようとする敵と戦う、というもの。
アクション場面も面白く、良くできたストーリーだったと思う。

これはオトナの童話。
昔見た人、ほんとに声が出そうになりますよ。

きっとこのコンピューターグラフィックスを担当した人たちも、昔サンダーバードを見ていて、今回はみんなで、ああでもない、こうでもない、などと言いながら楽しんで作ったに違いない。
そんな仕事ができたら、それはすごくハッピーな事だろう。

続編ができそうな終わり方だったが・・作ってほしい。



| | 映画・舞台 | 23:08 | comments(0) | trackbacks(0) |
オーシャンズ11 Oceans Eleven
ジョージ・クルーニー主演。

泥棒のおはなし。
11人のプロが集まって、大きなヤマをやっつける、というストーリー。
それに絡めて、主人公の元妻(ジュリア・ロバーツ)との関係が横糸になる。

共演しているブラッド・ピットがいい感じ。
11人のプロが個性的で面白い。

脚本もよくできていて、途中、手に汗を握る場面も十分だし、トリックにも感心。
この手の映画は、映画を見ている側が泥棒の動きをわかっているが、最後の最後には観客も泥棒にだまされる、というパターン。だまされ方が心地よければ成功、という事だろう。その意味で、よくできたおはなし。

借りても損はないと思います。

| | 映画・舞台 | 02:03 | comments(0) | trackbacks(0) |
ミリオン・ダラー・ベイビー Million dollar baby
映画というのは、もしも主人公が自分だったら・・とか、自分ならこうする・・とかいうことを想像しながら見るのが楽しかったりするが、この映画はそういうタラレバはできないと思う。

あまりにも重いテーマで、見ていて息苦しくなるが、見る意味はある。
特に今のような時代には・・・。

ヒラリー・スワンク、ビバリーヒルズ青春白書に出ていたが、すごい女優になりましたね。

クリント・イーストウッドは75歳。
こんな75歳になれればいいなあ、と思った。

| | 映画・舞台 | 20:37 | comments(2) | trackbacks(0) |
メラニーは行く! Sweet home Alabama
リース・ウィザースプーン主演。

2002年の作品らしい。
アラバマからNYに出てきた主人公が成功して、市長の息子と結婚することになるが、彼女にはアラバマに残してきた秘密があった、というおはなし。
今でも南北アメリカはかなり文化が違うということがよくわかる。
ニューヨークとアラバマの違いを、恋愛のストーリーをからめて、うまく見せてくれる映画。
これを見ると、南部の泥臭さもいいなあ、と思わされる。

洗練されたNYの生活になじんでいるが、やっぱり故郷の幼なじみが・・・というパターンだが、色々と細かいギャグもあり、楽しめる。

南部の英語はもっとわかりにくいと思うが、映画の中では少し手加減してくれていると思う。
きっと、標準語でなまった関西弁をテレビで聞いて気持ち悪い思いをする関西人のように、バリバリのアメリカ南部の人たちはこの映画を見て、北部なまりの英語や、と言っているんだろう。

一度見ても損はないと思います。

| | 映画・舞台 | 10:03 | comments(0) | trackbacks(0) |
劇場をあとに
先週末にシアター・ドラマシティで舞台を見た。

主人公の女たらしの刑事が、宝石泥棒を捕まえようとして、いちびって窓から落ち、そのショックで実際に見た人物と、記憶の中の人物が入れ替わって見えるという病気になるというドタバタのコメディ。その中に、刑事とやたら格闘技が強い、ブサイク(本当はかわいい)なガードマンの女性との恋を絡めていた。

シャッフル、という題名。石野真子がホンモノの石野真子の役で出ていた。(刑事が石野真子のファンで、会ったことのある人が石野真子に見えたりする)

良くできた脚本と、スピーディーな舞台の転換、芸達者な役者陣で、すごく面白かった。

きっかけは、関西の小劇団が面白い、という人の話。ネットで申し込んでチケットを取った。今回で2回目の観劇。
前見たのも良かったが、今回の方が好み。

舞台はテレビや映画と違い、真剣勝負なので、気合いが伝わってくる。
やはりライブというのは素晴らしい。スタジオ録画などで、スタッフが楽屋落ちの笑いを入れているものなどとは大違い。あんなものは公共の電波上でやる価値がないと思う。(おれたちひょうきん族が悪の根源かな?)

ベタベタのギャグが多いが、吉本新喜劇が面白いのは、大勢のお客さんの前でやっているからだろう。役者の手抜きがない。何度見たギャグでも笑える。いくつか、かなり前に録った吉本新喜劇のビデオがあるが、古くても、面白い。おそらく、観客無しのスタジオ録画のバラエティ番組などは、時間をおくと笑えないのではないか。お客さんは大事だ。

いい舞台を見ると、ストレス解消になるし、心が豊かになるような気がする。

今回のコメディでは、主人公が脳の病気になり、会ったことのある人が別人に認識されるという、実生活でそんなことになれば、すごく悲惨なおはなし。女性・男性まで入れ替わっていたからさらにひどい。たとえばの話、入院中に恋人の女性が見舞いに来たが、それが同期入社の男に見える、という事です。これは悲惨でしょう。
ところが、やたら面白い。

これを見ていて、マイケル・J・フォックスが、「コメディ=悲劇+時間」という公式を信じる、と書いていたのを思いだした。読んだときは、今ひとつピンとこなかったのだが、今回の舞台など、まさに「悲劇+時間」だ。

落語や漫才を見に行ったことはあったが、劇団というのはここ1年の経験。
これからもちょくちょく見に行こうと思う。


| | 映画・舞台 | 00:05 | comments(0) | trackbacks(0) |
ヒュー・グラントいくつか
ヒュー・グラントという俳優のファンです。
2枚目半の感じが面白く、ハリウッドスターらしからぬ味あります。

最初に見たのが、ノッティング・ヒルの恋人
たくさん、面白いギャグを入れてました。

Two Weeks Noticeでも、いいかげんそうで、実はマジメな一面をもつ役柄をうまく見せてました。

この2本は、借りても損はないと思います。
| | 映画・舞台 | 19:10 | comments(0) | trackbacks(0) |