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2006.02.26 Sunday
音のない時間2
昨日書いた、「音のない時間」について、もうちょっと書く。
詩は不得意だが、詩の行間というのも、「音のない時間」だ。 一連の言葉があって、その次の言葉があるが、言葉と言葉のあいだに、感情が宿る空間が必要だ。 もう終わってしまったが、以前プロジェクトXで感激したのが南極越冬隊の話。 今はオーロラの専門家になっている人が、第一回の越冬隊の隊長に助けてもらった話をしているときに、急に思いがこみ上げてきて、無言になった。言葉を出そうとしても、その時の思いが胸いっぱいになって、言葉が出てこない。 テレビではめずらしいが、アナウンサーもじっとその人の顔を見つめていた。 どこまで続くんだろうという無言の後に、その人が嗚咽をはじめ、あの時あの隊長が助けてくれなかったら…という話を泣きながらし始めた。 思わず、もらい泣きしてしまった。 「音のない時間」が言葉にできない感動を表したと思う。 もう一つ、「音のない時間」がある。水の中だ。 以前、プールに通っていたが、泳いでいるときには人工的な音は聞こえない。 水の音だけだ。 水の音を聞きながら泳いでいると、気持ちが集中できる。 頭の中から余計な思いが去っていく。 20分くらい泳いでいると、気のせいか頭がスッキリしたような気になる。 これは、「音のない時間」の効用だと思う。 世の中には音が溢れているが、「音のない時間」は貴重なものだと思う。 |
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