考えたこと2

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良薬は口に苦し
何度か書いたが、またD.アトキンソンの記事を見た。
日経の「成長のために本当にやるべきこと」という記事だ。

彼も岸田首相の「成長と分配」ということをとりあげて、「日本の課題は成長と分配で解決できるほど甘くない」と言っている。

「給料が増えていないにもかかわらず、高齢者を支える生産年齢人口の減少により増税が繰り返され、可処分所得は減る一方だ。結果、個人消費は冷え込む。また、企業は将来の先行きが見えないので投資をしない。従って国内総生産(GDP)も増えない。

そして急増する社会保障費を負担するために国の財政は悪化している。社会保障の増加は企業の生産性を高め、経済成長に資する生産的政府支出(PGS)を犠牲にする。日本のPGSはGDP比で1割を切り、先進国の平均24.4%を大きく下回っている。」

これが今の日本のネックなのだろう。
彼が書いているが、これを解決するためには社会保障を削るか、生産性を向上するしかない。
でも、社会保障を削ろうとすると、人口のマジョリティである高齢者が反対する。
だから、政治家はそれを言えないという。

日本が戦争に負けたのは、誰一人犠牲にしないというタテマエの精神のせいだと思う。
この師団は犠牲にして、こちらを生かそう、というような冷静な決断ができなかった。
だから、結果的にみんな負けたのだと思う。

イミテーション・ゲームという映画で、第二次大戦中のイギリスのアラン・チューリングがエニグマという暗号生成機で作られた、ドイツ軍の暗号を解読するところが描かれていた。
必死の思いで解読に成功した時、スタッフの一人の兄弟が載っている船が、ドイツ軍のUボートの攻撃を受けることがわかったが、敢えてそれを軍に伝えなかった。
それを伝えると、ドイツ軍に暗闘解読がバレて、暗号生成機のキーを変えてしまうからだ。

作戦のためには、味方をも犠牲にする。
そういう冷徹な判断を連合軍はしたのだろう。
日本軍は勝つことを前提にして、すべての作戦を立てたのだと思う。

同じように、すべての中小企業を助けようとしているのが今の日本だという。

「生産性を大きく向上させるには、日本企業の99.7%を占め、7割以上の労働者を雇用している中小企業を全体として底上げするしかない。しかし私が中小企業の問題に触れると、すぐに「淘汰策だ!」と反対される。現状維持をしたい人が、そう叫ぶことによって改革の回避を図っているように見える。

また賃上げする企業を税制面で優遇するというが、それは性善説である。7割近くの企業は法人税を納めておらず、税率優遇程度で賃上げする企業は少ないと思う。「生産性を上げてから賃上げをする」という向きもあるが、そもそも賃上げを考えていない企業はどうするのか。結局、最低賃金が肝心なのだ。」

最低賃金を上げるという策にはいろんな意見があるようだが、とにかく成長しないと分配はできない。
みんなを助けることばかり考えていたら、誰も本当に助けることはできない。

良薬は口に苦し、ということだと思う。





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