考えたこと2

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生産性向上
日経にデービッド・アトキンソンの記事があった。

以前に日本の生産性について書いた本を読んだことがある。
説得力のある記事だった。
アトキンソン氏の意見は、あの時と基本的には変わっていない。

「2019年に生まれた子供の数は90万人を下回った。予想より早く少子化が進んでいる。先進国においては人口と経済規模に極めて強い相関関係がある。日本は社会保障負担の増加に苦しんでいるというのに、これからは労働者の数が激減するから、さらに富が減少することになる。国内総生産(GDP)は人口×生産性であるから、対策としては生産性を上げるしかない。ただ、生産性向上と簡単に言うが、実行するのはかなりのいばらの道だ。」

という最初の文章に書かれている通り。
去年生まれた子供の数が90万人を下回った、というのが衝撃的だ。
2019年の18歳人口が120万人弱いるのに、0歳人口は89万人しかいない。
30万人も減っている。
これが少子高齢化社会の現実。

人が減れば、生産者人口も、消費者人口も減るので、経済規模は小さくなる。
移民をできるだけ入れないという方針の日本の未来は厳しい。
このままでは相対的に増加する高齢者の社会保障もままならない。
だから、一人あたりの生産性を上げることが必要、というリクツ。
まことにその通りだと思う。

記事では、専門家たちは「痛みを伴わない道」ばかり探している、と書かれている。
MMT(現代貨幣理論)という、国がいくらでもお金を刷って支出を増やそうとか、イノベーション(技術革新)に期待するとかいうのが「痛みを伴わない道」だ。

MMTはいろんなところで言われているが、生産年齢人口が余り、雇用が完全ではない国に限って有効な政策だという。
日本のように、ほぼ完全雇用の状態なら極めて危険らしい。
インフレになったときの対処ができないのだろう。

イノベーションの話も、OECDで唯一、この10年間で子供のパソコンの利用が下がっている現実をみれば無理だとわかる。
今や日本はITの後進国なのだ。

ICT推進の大臣がインターネットを使っていなかったり、多くの大学でITの基礎になる数学が入試科目になかったりする現実をどう考えるのか。
ネットのことを全く考えない電波行政とか、行きあたりばったりのエネルギー政策とか、日がな一日くだらないワイドショーやバラエティを垂れ流している民放とか、先生が問題を起こしても、誰も責任を取らない教育委員会とか、英語やプログラミングを教えることになっているのに、教える先生の教育が後回しとか…、生産性が低い原因と思われることは山ほどある。

この国の一番悪いところは自浄作用のないことだ。
明治維新も、戦後の高度成長も、外圧のおかげだと思う。
日産はゴーンが悪いと言っているが、彼が潰れかけた日産を救ったのは事実。
これも、従来の既得権をすべてチャラにした外国人、ゴーンのおかげだ。

いい加減に外圧なしでなんとかできないのか。




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