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2021.06.24 Thursday
アップルカー
アップルカーというのは、アップルが開発しているという電気自動車のことだ。
それについて、立教大学ビジネススクールの田中道昭教授が書いた記事を読んだ。 この人は「アップルカーは3年以内に自動車業界を根本から変える 移動手段はライフスタイルに変わる」ということを言いたいようだが、本当にそんなことが起こるのだろうか。 ぼくは自動車業界の端っこで25年働いたが、ここに書いてあるほどクルマは単純なものではないと思う。 この人の言っている「クルマ」というのが、都市部で買い物や近くの通勤に使う程度の利用だけなら、あり得るとは思う。 でも、普通のクルマなら、3年という時間ではとても無理だろう。 この人は最終学歴がシカゴ大学のMBA。 日本の大学は上智大学で文学部。 金融畑がメインで証券会社や投資銀行のマネージングディレクターを歴任という経歴。 WBSのコメンテーターもしている。 しかし、自動車業界など関係ないし、金融以外の実業の世界も知らないと思う。 ゴルフカートに毛が生えたようなクルマなら、3年以内にアップルが作れるかもしれない。 でも、そんなものは所詮おもちゃのようなもので、ごく一部でしか使われないだろう。 もちろん、この人の言っているコンセプトは間違っていないとは思うが、ぼくはアップルはホビーマシンの会社だと思う。 あくまで趣味の世界であって、その意味ではすばらしい。 ただ、それも全部がアップルでなければ成立しないものもたくさんある。 iPhoneを使うのなら、Macを使うほうがいい。 Appleの音楽配信サービスを使い、アップルの経済圏に入れば快適だと思う。 でも、それはあくまでホビーの領域だ。 お絵かきや音楽など、プロフェッショナルなものもあるが、あくまでエンタメ系だ。 実際にビジネスに使うのなら、規模の経済も含んで、アップルには至らないところがたくさんある。 残念ながら、所詮はホビーマシンなのだと思う。 彼は、アップルカーは、CASEを実現するという。 「次世代自動車の4つの潮流である「CASE」全体を推進するものであろう、ということです。すなわち、Connected、Autonomous、Shared & Service、Electric。スマート化、自動運転、シェア化・サービス化、電動化です。」 たしかに、CASEは自動車業界にいずれ起こる事態だろう。 でも、ぼくはそのキープレイヤーは少なくともアップルではないと思う。 クルマは命を載せて走っているのだから。 |
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