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2021.06.23 Wednesday
追悼 立花隆
立花隆が4月30日に亡くなった。
後半生は科学ジャーナリストという感じだったが、ぼくには若い頃の著作の影響が大きかった。 若い頃に「田中角栄研究」、「日本共産党の研究」を書いた。 これらは食うためにやった仕事だろう。 でも、入念な取材、調査をやって書いていて、その方法論を書いた本もあったはず。 どちらかというと、日本共産党の研究が印象に残っている。 彼の執拗な調査、取材によって、この本ができたのは立派。 「農協」という本もあった。 この本を読んで、日本の農家に対して農協がやってきたことがわかった。 その後、彼が科学に傾倒して書いた「宇宙からの帰還」「臨死体験」「精神と物質」なども読んだ。 「宇宙からの帰還」はアポロ宇宙船のクルーにインタビューしていたはず。 宇宙に行くと、宗教心が強くなるということだった。 なるほどと感心した。 「臨死体験」は文字通り死にそうになって、帰ってきた人へのインタビュー。 死の瞬間の体験が語られていたはず。 「精神と物質」はノーベル賞を受賞した利根川進と共著。 利根川の研究をわかりやすく解説していたと思う。 それ以外にも知的生産の方法について書いた「「知」のソフトウェア」とか、彼の読書遍歴を書いている「ぼくはこんな本を読んできた」、時事問題の解説をしている「同時代を撃つ」シリーズなどが、ぼくの本棚に並んでいる。 彼はネコ好きで、自分のビルにネコビルという名前をつけていた。 壁面にネコの絵が描いてあるらしい。 また一人、偉大なジャーナリストが亡くなった。 政治がらみの本で世に出た人。 どちらが後世まで残るかというと、きっと政治の方だと思う。 80年の彼の生涯を考えると、圧倒的に科学ジャーナリストだが…。 合掌。 |
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