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2021.06.20 Sunday
エルサルバドルの革新
エルサルバドルの大統領がビットコインを法定通貨にする、と宣言したらしい。
まだ国会で承認されていないが、どうなるのかと思う。 39歳の若い大統領。 国の通貨を発行するというのは、主権国家としての権利であり、それをある意味別のところで流通しているもので代行する、というのはどうなんだろうか。 主たる目的は、エルサルバドルからアメリカに来ている不法入国者の出稼ぎの送金をやりやすくする、ということらしい。 不法入国者は簡単に送金できないのが実情だが、ビットコインにすればスマホで簡単に送金できてしまう。 ある意味、国家の権利を侵害しているとも言えるかもしれない。 エルサルバドルでは国民の7割が銀行口座を持っていないらしい。 となると、現金を送るしか送金の手立てはない。 それをスマホでやろう、ということだ。 すでに国の通貨はドルになっているとのことだ。 アメリカへの移民は140万人もいるらしい。 本国の人口は640万人だ。 国民の15%ほどが移民になっているということになる。 アメリカからの送金額はGDPの約2割にもなるらしい。 一方でやはりアメリカは懸念を表明している。 国家の記録に残らない海外送金は、いざという時に困るからだろう。 要は、お金に関して国境がなくなる、ということだから。 エルサルバドルのように、金融が発達していない国にとっては、もとから金融業の受ける痛手は小さく、国家収入が増えるメリットのほうが大きくなる。 インターネットを使ったフィンテックというような技術は、国家など意識していない。 このあたりが問題だ。 だからこそ、GAFAなどは国を超えて儲かるのだ。 EUや本国のアメリカすら課税を強化しようとしている。 アナーキーなビットコイン対伝統的な通貨ドル。 これを解決するには、やはり中央銀行が電子通貨を発行するしかないのだろうか…。 中国はデジタル人民元という通貨を作っているが、どの程度動いているのだろう。 エルサルバドルの実験はよく見ないといけないと思う。 |
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