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2021.06.18 Friday
ウォークマン
若い頃に「これはすごい」と思った記憶は、そう簡単に拭えない。
ぼくは2年ほど前にソニーのウォークマンを買った。 当時でも、スマホに音楽を入れて、プレーヤーで聞けたのだが、それでもウォークマンを使ってしまう。 なぜいつまでもウォークマンを使うのか?と息子たちは疑問に思っているかもしれない。 ぼくにとっては、音楽は電話機などで聞くものではない、という思い込みがある。 ウォークマンが出た当時、本当に画期的だった。 要は単なるカセットプレーヤーだが、スピーカーがなく、ヘッドフォン専用で、持ち歩きできる。 つまり、音楽をいつでもどこでも聞ける、ということだ。 今でこそ当たり前になったが、あの当時は驚いた。 あのときの感激が今でも尾を引いているのかもしれない。 何台かウォークマンを買い替えた。 長男が中学に上がったときは、カセットの時代の終わりだった。 非常に短い寿命だったが、彼もパナソニックのプレーヤーを持っていた。 そこから、MDに変わった。 これもカセットに比べると、短い寿命だった。 次に出てきたのがiPodだ。 ここらあたりから、ソニーの凋落が始まった。 それまではウォークマンが小型の音楽プレーヤーの代名詞だったが、アップルのiPodになってしまった。 ちょうど日本の電機メーカーがダメになった時期た。 その絶頂期の象徴が、ウォークマンだった。 ウォークマンはそれからも細々と作り続けられたが、もうあの名声を得ることはなかった。 今、ぼくが持っているのは、ネット接続しない型のウォークマンの最終形のものだ。 もはや音源はネットから、の時代になってしまった。 それでも、ぼくはしつこく音源を持ち歩く派だ。 本体メモリとマイクロSDカードに入れている。 なんでそういうことをするのか、と聞かれても、返事がだんだん難しくなってきた。 理屈ではスマホのプランを変えて、無制限にして、好きなものを聞く、というのが方向だろう。 今日、改めて考えたら、スマホとウォークマンを両方持って歩くのは無駄かなあと思ってしまった。 でも、おかげで安いプランでスマホは使える。 それでも、通信費が安くなったら、いよいよウォークマンは終わるかもしれない。 一つの時代が終わっていくのだろうか。 まあ、若い人たちにとってはもう終わっているのだが…。 |
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