![]() |
2021.06.13 Sunday
ハイブリッド車
世界でハイブリッド車をたくさん作っている国は日本だけだろう。
それだけ技術がある、ということだ。 フォルクスワーゲンを筆頭にした欧州勢はディーゼルエンジンに賭けて失敗した。 燃費の虚偽をしてしまったからだ。 もともと大気汚染という意味ではスジが悪かったディーゼルエンジンが悪者になると、欧州勢は一気に未来をピュアEV車に乗り換えた。 アメリカにはテスラというピュアEV専門のメーカーがいる。 車という製品を電気で作り変えよう、という感じだ。 ただ、ここも影響力はあるものの、そんなに車を作れない。 フォードもGMもまだまだ従来のガソリン車がメインだ。 でも、未来はハイブリッドではなく、ピュアEVにしている。 電気自動車、と巷で言われているのはピュアEVのことが多い。 エンジンを併用している車は、未来には存在しないと言いたげな規制や、威勢のいい言葉が出てくる。 地球温暖化も見方にして、まるでピュアEVでなければならない、という感じだ。 2040年にはエンジンをなくす、という方針は多くのメーカーが言っているが、本当にできるのだろうか。 今や石油の輸出国になったアメリカも、そちらに舵を切るのだろうか。 だんだんと現実味を帯びてくるピュアEVだが、問題もたくさんある。 一つはバッテリーの問題。 リチウムという希少金属を使う限り、コストアップは避けられない。 電池だけで走るとなると、大きなバッテリーが必要になるからだ。 さらに、リチウム電池の製造時に出るCO2も考えなければならない。 もう一つ、今の日本なら原発がたくさん止まっていて、電気は火力で作っているから、その電気を使うのならあまり意味がない。 クルマに乗るときにCO2は出さなくても、充電のための電気をつくるのにCO2を出しているからだ。 もう一つはインフラの問題。 電気ステーションを作っても、1回の充電に時間がかかる。 車庫があって家庭で夜間に充電するのならいいが、遠出したり、夜間充電できないクルマはスタンドに行かないといけない。 現在ピュアEVに乗っている人たちも、次は買わないというアンケートが多いらしい。 それは主に充電に時間がかかるとか、電気スタンドが少なく混んでいるとか、家から遠いとか、遠出したら不安だとか、そういう理由になる。 要は駐車時に充電できない人はEVなどまだまだ不便だということだ。 お隣の中国は電気自動車に最も熱心。 バッテリーをたくさん作っているし、共産党が号令をかければ一気に進むという特性もある。 それでも、一気に今のガソリンエンジンを使う車並みにはできないだろう。 もちろん技術革新もあるだろうし、そもそも自家用車がそんなに要るのか、という問題もある。 ライドシェアなどが、増えてくるという面もあるだろう。 でも、そうなればなるほどインフラの問題は大きくなるのだ。 エンジンがメインのハイブリッドや、モーターがメインのハイブリッドなど、日本にはいろんなハイブリッドがある。 エンジンのサプライチェーンを活かしたやり方だ。 マツダはローターリーエンジンを発電用に使うという。 今の技術がいつまで続くのか、どこでブレイクスルーするのか、社会がどうなるのかなど、未確定の変数だらけだ。 しかし、今は日本の強みを活かして、いろんなハイブリッド車を作るというのもアリだと思う。 今の脱炭素、カーボンゼロとか、環境保護原理主義の人たちを見ていると、効率や経済を度外視してピュアEVに代表される「グリーン」なものに走っているような気がする。 ピュアEVはグリーンのアイコンになってしまった。 でも、それはハイブリッドを作れない国が、負け惜しみで言っているようにも見える。 それに乗ってはいけないだろう。 アメリカだって、本気でやっているのではないはずだ。 石油メジャーがいるのだから。 カージャーナリストの記事でこういう締めくくりがあった。 「得意だったICE(エンジン車)や金を稼げるITで、欧州企業は惨敗が続いた。ゲームチェンジャーはもうBEV(ピュアEV)しかない。しかしLiB(リチウムバッテリー)は中国、韓国、日本のアジア勢に握られている。なりふり構わずこの3国からいろいろなものを盗もうとしているのが現在のEUである。こうした行為のすべては、「地球温暖化防止」という水戸黄門さま印籠のごときひと言で浄化できるからEUは笑いが止まらないのだ。」 ぼくもそう思う。 |
![]() |