![]() |
2020.11.04 Wednesday
研究不正
日本の研究者の不正が多い、という記事を見た。
ノーベル賞の受賞の未来の見通しは暗いという。 今のノーベル賞の受賞は過去の遺産だからだろう。 一方で、サイエンスとネイチャーという有名な雑誌は日本人研究者の論文不正問題を取り上げている。 2018年のサイエンス誌によると論文撤回数のワースト10のうち、半分は日本研究者で、それも悪質なものだという。 2019年のネイチャー誌は、そもそも論文の不正を監視する制度が不十分という指摘。 論文撤回の1位は183本もの論文を撤回した麻酔科医。 不正発覚後、諭旨退職処分を受けているらしい。 文科省は不正行為に危機感を持って、2006年に「研究活動の不正行為に関する特別委員会」を設置し、報告書を作成・公開した。 当時大学事務局にいたので、聞いた覚えはあるが、下位の文系私学だったのでそれほどの事とは全く思わなかった。 まあ、ぼくのいた文系私学は世界的な学会誌や発表媒体に出すような人は皆無だったし、出してもほとんどが学部紀要という査読などない、内輪のものだったから、もとより関係はなかった。 それはそれで問題なのだが…。 今回の不正は医学や生物系の分野で、この分野はデーターの捏造をしても確認が難しく、比較的捏造が容易な分野だという。 だからといって、捏造をしていいわけではない。 記事の中では日本の研究現場は瀕死の状態にある、という。 下位の大学の文系私学では、瀕死なのは研究をしようとする人がいないことであって、現場は学校から研究費をもらっても使い切れない人が多く、年度末におかしな伝票が沢山でるという状態だった。 だから、瀕死と言われても理解できない。 高度成長の時代のシステムを引きずっているから、苦しいのだと思う。 今国が借金まみれで、カネがないのは周知の事実。 それでも昔のようにしたい、という方が無理なのだ。 「このままでは、ノーベル賞受賞者はおろか、科学者自体が日本から消えてしまいそうな状況なのである。」 と書いてあるが、それはまんべんなく資金を与えようとするからだろう。 国が貧しくなったのだから、みんな同じように資金がもらえないのは当然。 もっと研究の内容を精査して、資金を回すところを減らす必要があると思う。 本来はそういう役目を学術会議がやるべきだと思うが、マトモに機能していないのだろう。 もっとちゃんとした研究内容のチェック機構を作るべきだ。 厳しいようだが、そういうことをしないと、日本の研究は成り立たない。 みんなで一緒に、ではダメなのだ。 そういうことだと思う。 それをどうやって合理的にやるのか。 それを考えるのが大事だと思う。 研究不正を行うような輩は。1回やればアカデミアから排除すればいいのだ。 |
![]() |