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2017.12.16 Saturday
優しすぎる日本
ある記事を見ていたら、フランスと日本の違いについて書いてあった。
こういう文章。 「今はどうなっているか定かではないが、その話の当時、フランスの鉄道の列車内には、乗客がドアを開閉できるボタンがあった。そのボタンは停車中だけでなく、走行中にも動作した。 ある日本人のフランス駐在員の奥さんがこの事実を知り「これは危険だ」と感じた。そして現地の新聞に「走行中に子どもが勝手にドアを開けて落ちたら大変だ。すぐに改善を求める」という内容の投書をした。 するとそれに対し、新聞の他の読者から意見が寄せられた。「フランスにはそんなバカな子どもはいない」というものだった。」 なるほど、と思った。 日本人なら、「もしボタンを押して落ちたらどうしてくれる」という声が上がれば、マスコミも同調して何らかの防止策がされるだろうと思う。 この国は、そういう声が通る国だ。 フランスのように反対の声を出すと、「それなら、もし走行中にドアが開いて誰かが落ちたら、お前が責任をとるのか」などと言われる。 そうなると、黙るしかないと思ってしまうのだ。 記事の中では、フランス人は子どもに電車の走行中にドアが開いたらどういうことになるかを考えさせる、という。 だから、そんなバカなことはしない、というリクツ。 実際、フランスでは対策はとられなかったのだと思う。 30年ほど前にフランスに3か月出張したとき、そんなことを思ったことがある。 当時のフランスでは、メトロに1等車と2等車があって、乗ってしまえばチェックはなかった。 タダで乗り放題かと思ったら、ランダムに検札があって、もし見つかるとかなりの罰金を取られるというシステムだった。 会社のフランス人に聞くと、法外な罰金を払うリスクを取るのだから、タダ乗りする奴がいてもかまわない、ということだった。 トータルで見ると、罰金でメトロは儲かるだろうということだ。 日本なら、タダ乗りする人が放置される、という声が出てもおかしくなかったが、そんな声は聞かなかった。 日本はそういうことを許さない社会だ。 それはそれで、いいところはあるだろう。 しかし、最近見ていると、行きすぎているのではないかと思う。 これから貧しくなっていく日本の社会。 人の知恵で社会のコストを減らすことも考えなければならない。 少しはフランスみたいに考えないと。 |
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