考えたこと2

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なんとか力
土曜日の朝はゆっくりできる。
朝刊を読む暇がある。

ゆっくり読めるときは、新聞の下の方の本の宣伝に目がいく。
最近増えてきたタイトルが、「なんとか力」というもの。
今朝は「本番力」という本があった。
昔はそんなタイトルはなかったのだが、ここ数年増えてきている。

本番に強くなるという意味で、本番力。
よい質問ができるという意味で、質問力。
その他にも、鈍感力、人間力、コミュニケーション力、読書力、地頭力(「じとう」ではない、「じあたま」だ)、問題解決力、チームワーク力などなど。
なんとか力の種類は増え続けているようだ。

ややこしいのは、おおかたの本はこの「なんとか」が伸びるという、ノウハウ本である、ということである。

人間力などは、そもそも何を表しているか、わからないが、それでも「人間」を良くしようとしているのだろう。
コミュニケーション力は、コミュニケーションを伸ばそうとしている。
それは、それでいいのだが、例えば「コミュニケーション力」を伸ばすためには、また別の「なんとか力」がいるということだ。

コミュニケーション力をつけるためには、相手の立場を思う「想像力」や、自分のことをわかってもらうための「表現力」、相手とうまくやるための「信頼」を築く力、自分と相手の意見の違うところや同じところを見つけるための「分析力」、自分と相手の立場の全体像を知るために全体を俯瞰する力、そして、双方とも納得するための意見を出す「説得力」「提案力」といったものが必要となると思うし、もちろん「妥協力」もいるだろう。

そんなものは、一朝一夕では身につかない。
そういう立場に身を置いてからでは、遅いのだ。
ノウハウでごまかせるものではない。
そういうことを理解していないと、単に挨拶をするとか、人の目を見て話す、聞くとか、人の意見を聞く態度とか、そんなものがコミュニケーション力だと思ってしまう。

コミュニケーション力について書いている人は、それ以前に必要な力をつけているのだろう。
ところが、それ以前に必要な力をつけていない人にとっては、少しは役に立つだろうが、本当に役にはたたない。
そもそも、コミュニケーション力という言葉自体が矮小化されたものだし、ノウハウというのは、所詮それだけのものだ。

意味がない、と言っているのではない。
たとえば、コミュニケーション力についての本を読んでも、本当の力は別のところでつけないといけない、ということだ。

そういうものが多すぎる。
早く答えがほしい、というのは現代人の風潮である。
とにかく、早く、効率的に、ということが至上命題になる。

すでに多くの人々が書いているが、どんな力も簡単につくものではないのだ。
自分が生活してきた歴史や環境の集大成なのだと思う。

そう言ってしまえば元も子もないから、「なんとか力」は増えつづける。



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