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2011.06.15 Wednesday
一人称
どういう時に、どういう一人称を使うか、日本語の場合は難しい。
一人称の種類が多いからだ。 これが日本語の特徴かもしれない。 わたし、ぼく、俺が標準的な男性の言葉。 わい、わし、あて、というような方言もある。 フォーマルな場所で、社会人としてふるまう時は、わたしを使う。 このあたりは、会社勤めをしているかどうかが、わりと関係する。 一人でやっている仕事などでは、わたし、というのを使わないケースもある。 友達の間では、ぼく、俺、というのが多い。 飲み会などでは、特にそうだ。 ぼく、というのは、くだけ過ぎず、おさまり過ぎず、好ましい一人称だと思う。 俺というのは、オレオレ詐欺というのもあるように、知っていて当たり前、という間柄で使う。 まあ、目上の人にはわたし、と言っておいて、目下の人には俺、というパターンもよくある。 ○○さん、と呼ばれたら、俺か?と返すパターン。 日本語は上下関係に敏感だから、さん付けで呼ばれると、自動的に俺とかぼくになる。 逆に○○、と呼び捨てで呼ばれると、私ですか?という反応になる。 この調子で、古文では主語がなくなることが多かった。 使っている言葉で、目上か目下かはわかるからだ。 ぼくは、このブログでは、ぼくを使う事にしている。 ぼく、というのが一番ぴったりくるからだ。 そう考えると、西洋の言葉は一人称がほぼ一つ。 英語ではIである。 大統領でも、乞食でもI。 どっちにも、良さがあるが、この一人称の種類がほぼ一つ、というところから、人間関係も変わってくるだろう。 やはり、英語では、どちらかというと、上下関係を意識しにくいのだと思う。 人は、神の前では平等、という考え方と無関係ではないと思う。 日本語の場合は、自分がはっきりしない。 だから、一人称がたくさんある。 時代と共に変わっていく。 だから、自己主張が弱くなるのではないか。 回りに気を使って生きている。 一長一短だ。 以前は英語の潔さにひかれていたが、最近は日本語の良さも捨てがたいと思う。 年をとると、変わってくるのだろう。 |
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