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2011.10.29 Saturday
宗教
宗教という言葉は日本人にはあまりなじみがないと思う。
特に友人どうしでは、宗教についての会話などほとんどない。 宗教がタブーでさえなく、話題にならないだけだ。 日本人は無宗教だとか、生まれたときは神道で死ぬときは仏教だとか、いろんなことが言われているが、みんなそんなことも全く気にしていない。 ぼくは、漠然と、神さんはいるだろうと思っている。 これを宗教心と言えるかどうかはわからない。 世界の戦争のかなり大きな部分は宗教戦争だ。 パレスチナとイスラエルの戦いも、現代の宗教戦争と言えるだろう。 日本人は宗教に関して鈍感だから、宗教上の対立ということがわからない。 そんな細かいこと、気にせんかったらええやん、というような本音がある。 パレスチナとイスラエルの争いも、ええ加減なとこで手打ちしたらええのんちゃう、というような本音がきっとある。 みんな仲ようしいや、といって半々で住んだらどうか、というような気分。 だから、国際的な和解の立役者にはなれない。 何でそんなしょうもないことでいがみ合ってんねん、と思ってしまっては本腰が入らない。 実際は彼らにとっては、「しょうもないこと」などではないし、命をかけて戦うべき価値があるものなのだろう。 だから、日本人は世界では珍しい部類の民族になるだろう。 しかし、山本七平は実際には日本には日本教がある、といった。 日本人は気づいていないが、我々にも宗教がある。 たとえば、犬を食べるということは禁忌である。 どこかに、日本人は「彼らは犬を食べる」という理由で、かつて民族差別を行った、と書いてあった。 日本人にとっては、宗教というのは難しい。 本当に難しいのは、宗教があることを認識せず、宗教がないと思っているのに、実際は宗教があることだろう。 これから本当にグローバル化していくのに、これはいつか認識せざるをえないと思う。 |
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