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2025.03.10 Monday
日本刀
うちの母方の祖父のことは一度書いた。
幼稚園のときまで隣の家に住んでいた。 というか、家が同じ敷地にあった。 祖父は小学校1年の夏休みに亡くなった。 小学校にあがるまで、よく祖父にかまってもらった。 祖父は日本刀をいくつか持っており、時々出してきて手入れしていた。 よく時代劇でやっている、表面に粉をつけて拭くというやつ。 白くて丸い、ピンポン玉のようなものに柄がついているもので、刃の部分をたたいて粉をつけ、たぶんあとで拭き取っていた。 Webで調べると、以下の記載があった。 「日本刀の手入れで使う粉は「打粉(うちこ)」と呼ばれ、砥石の粉末です。古い油を吸い取って除去する役割があります。 【打粉の使い方】 棒の先端に丸めた布に砥石の粉末を入れます。 刀身をポンポンと軽く叩いて、粉末を刀身に付着させます。 拭紙で刀身を拭いて、古い油を除去します。」 そういうことらしい。 座布団に座って、刀を片手で構えて、慎重に打粉をつけている姿をよく覚えている。 もうその時は胃がんがだいぶ進んでいたのかもしれない。 母が亡くなってから、叔母さんにあの日本刀はどうなったのかと聞いたら、ちゃんと役所に引き取ってもらったとのこと。 何本かあったと言っていた。 不思議だが、60数年経ってもあの景色を覚えている。 そんな景色が誰にもいくつかあるんだろう。 年を取ると、そういうことが気にかかる。 |
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