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2024.12.29 Sunday
月の石
月の石といえば、ぼくらの年代なら「万博」と答えるだろう。
それくらい評判になった。 70年の万博の目玉だった。 ぼくは並んでまで見る気はなかったが、みんな並んでいた。 アポロで月に行って、持って帰ってきた石をアメリカ館で展示していた。 7時間、8時間の行列ができていたはず。 だから、月の石といえば「万博」だった。 こないだ、ハンドリフレに行って手のマッサージをしてもらっているときに、施術してくれている40歳過ぎの女性に「月の石」って知ってますか?と聞いたら、無反応だった。 「なんのことですか?」と聞くので、1970年の万博のときに、アメリカ館で展示していた石のことだと言うと、「それがどうしたんですか?」という返事。 それはそうだろう。 生まれる前のことだ。 ぼくらの年代は「月の石」というと反射的に万博を思い出すが、今の40代以下は全く違う。 当たり前といえば、当たり前だが…。 当時は7時間も8時間も並んで、月の石を見たいという人がいた、というと「信じられない」という反応。 あの狂騒は、経験したものでないとわからないのだ。 アポロが月に行って、その中継を見た年代だ。 地球上では重い宇宙服を着て、1/6の月の重力で飛び跳ねていた。 この一歩は小さな一歩だが、人類にとっては大きな一歩とかなんとか、アームストロング船長が言ったはず。 そのときに拾った石が間近で見られる、という興奮状態だったのだろう。 2000年くらいに、カウスボタンが漫才で、その話をして「あの頃はアホが多かった」と言ってみんなが笑っていた。 今になって思えば、そういう感じだ。 笑っている人は、月の石騒動を知っている人だろう。 ぼくらは刷り込まれたから、死ぬまで「月の石」というと「万博」と反射的に思う。 なんせ、「人類の進歩と調和」やったからなあ。 |
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