![]() |
2024.11.15 Friday
私学の公立化?
7月末に千葉科学大学が公立大学にしてほしい、という要望を出した。
学校法人がさじを投げ、公営にしてくれということだ。 本来なら少子化の折、募集停止から廃校になるのだが、助けてほしいということになる。 20年前に銚子市が90億円近くをかけて誘致したという経緯がある。 それもあるから、岡山の加計学園が設置しているが、公立への移行という案になったのかもしれない。 千葉科学大学は建学の理念として「ひとりひとりの若人が持つ能力を最大限に引き出し、技術者として社会人として社会に貢献できる人材を養成する。」を掲げている。 これ自体は誠に結構なもので、時宜にかなっているというところ。 定員充足率を見ると、6年制の薬学部が定員660人で学生が343人、危機管理学部が定員1200人で学生787人、看護学部が定員350人で学生224人、学部合計で定員2210人に対して、学生1402人で充足率が62%という数字。 まあ、科学大学といいながら、薬学部、看護学部、危機管理学部という「科学」とは言い難い構成だ。 危機管理学部は、危機管理学科、保健医療学科、航空技術危機管理学科、動物危機管理学科というわけのわからない構成。 いろんなところから、ニッチなものを寄せ集め、保健医療を足した、という感じだろう。 薬学と看護は6年制になったり、看護人気で作ったのだろうが、どちらも現状あてが外れている。 少子化、立地条件など不幸も重なっているのかも知れない。 90億もかけて誘致をしたということで、学校法人にとってはこの状態でもまだトータル儲かっているのかも知れない。 でも、先を考えると、早く手放したほうがいい、という判断。 商売上手の加計学園だから、そのへんの計算はできているように思う。 銚子市の検討委員会は、まずは他の学校法人への譲渡を考えろというスタンス。 どこも名乗りをあげなければ、公立化の検討は最後の手段ということらしい。 市民の血税を90億も使っている。 市の今年の予算は約500億だから、90億は約20%。 これは大きい。 さすがに、少子高齢化で学生が減って苦しくなりましたから、公立にしてください、というのは虫が良すぎるようにも思う。 学校の創立が2004年。 20年無策だったわけではないだろう。 ちなみに、外国籍の学生が400人。 約3割は海外からということだ。 苦しい学校はみんな同じ。 定員割れがひどい学校の留学生は、学費と補助金のために入れることが多いから、どんな状況なのかわからない。 やり方が悪かったと言われても、仕方ないだろう。 多すぎる大学なのだから、廃校にしてもいいのではないか。 文科省が大学に対してしたことで、唯一良かったのがこの情報公開制度だ。 大学名を入れて、「情報公開」とつければ、上に書いたようなことが一発で出てくる。 学校法人が隠したくても、隠せない。 情報公開は何にしても必要だと思う。 |
![]() |