考えたこと2

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日本語の文字体系
日本語能力検定の自学自習ができるページをネット上で探すと、「JLPT Sensei Vietnam」というページが出てきた。
こないだN1を持っているベトナムの学生に、やはりベトナム語で学ばないとニュアンス等がわからない、ということを聞いたので、探してみたのだ。

日本人が作った日本語能力検定の自学自習のページは、すべて日本語でほかの言葉は出てこない。
それを使って、自学自習をするのには、やはり無理がある。
母語での説明無しに、複雑なニュアンスはわからない。

例えば「望む」と「臨む」、「早い」と「速い」などの漢字の意味などを、母語でない言葉で説明されてもなかなかわからない。
日本に何十年もいるような人が相手なら、それもいいだろうが、日本語を十代後半から学び始め、やっと日本に来たような外国人にそれをやるのは無茶だろう。
留学生の彼女は、そういう母語での解説があるものが望ましい、と言うのだ。

そういうページを探して出てきたのが、冒頭の「JLPT Sensei Vietnam」というページ。
「Học Tiếng Nhật Và Thi Đỗ JLPT!」という表題がトップページに大きく出ている。
グーグル翻訳によると、「日本語を学んで、JLPTに合格する」という意味らしい。
JLPT(日本語能力試験)」の過去問が出ていたり、レベル別の文法(用例集)や語彙が日本語、ひらがな、ベトナム語の3種類で表になっていたりする。

書籍をあたると、アルク出版が「TRY!」というシリーズを出しているが、これは英語版、中国語版、ベトナム語版の3つがあり、それぞれ3カ国の言葉で説明されている。
やはりベトナムの人たちにとっては、日本が学びやすいのだ。

ところが、ネパール語で解説しているネット上のページや書籍はないかと探したが、見つからない。
ベトナム語と同じように、「JLPT Sensei Nepal」というサイトは存在するが、解説は英語になっている。
なぜネパール語の解説がないのかと考えたら、ネパールは文字がアルファベットではないからだと気づいた。

今はGoogle翻訳が進化しているので、解説文をネパール語に翻訳することはできるが、それにはいちいち文字を洗濯して、翻訳しないといけない。
元のページと翻訳後のページを出しておいて、見比べて理解するという手もあるが、二度手間だ。
さらに、留学生はほとんどスマホかタブレットで操作するので、2画面を並べるのは難しい。
こういうところでも、ベトナムとネパールでは差がつく。

日本人は漢字を捨てず、母語に入れて訓読みを付加して、ひらがなやカタカナと組み合わせ、文字の体系を作った。
漢字を取り入れはしたが、そのまま使わずに、日本語の読みを結びつけるという荒業をやったのだ。
そのおかげで、今でも漢字を使っている。
でも、このことが日本語の理解を難しくしている。

ベトナムや朝鮮半島でも漢字を使っていたが、彼らは漢字を捨てた。
いろんな事情があったのだろう。

ベトナムの場合は、フランスの植民地になって、アルファベット表記が導入された。
それでも、中国と同じく漢字を使っていたのだが、もう今の若い人たちは漢字は知らない。
1940年代に漢字を使わないということを決めているので、もう80年くらい経つ。

逆に言うと、そのおかげで、ベトナム語で日本語を解説し、ネット上でベトナム語が割と簡単に表記できるようになったのだろう。
漢字を捨てたのは、その面では正解だったのだと思う。
文字を捨てる、というのはある意味文化を捨てるということだから、当然、見返りでなくなった文化もあるだろうが…。

ネパールなどは文字自体が難しい。
インド主要言語のひとつである「デーヴァナーガリー文字」を使い、64文字ある。
発音は難しいが、文法は日本語の助詞を抜いたもの、という感じらしい。

日本語は何度も書いてきたように難しい。

漢字、カタカナ、ひらがなの3種類の文字を使い、一つの漢字にいくつもの読み方があり、発音と書き言葉の対応が1対1では決まらない。
もちろん、それ以外の難しさもあるが、読み書きに関しては表意文字を使う以上、文字種が多く難易度はすごく高い。
その上、何種類もの読みを覚え、同じ発音でも違う漢字を使いこなさないといけない。

そういう文字の体系を作ってしまった日本語は、やっぱり難しい。

それでも、漢字を使って文字の体系を作った先人の努力は、敬服に値すると思う。



| hdsnght1957kgkt | 考えたこと | 22:36 | comments(0) | trackbacks(0) |

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