考えたこと2

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歌舞伎の「世界」
「ブーフーウー」というNHKのやっていた子供向けの番組。
着ぐるみの人形劇だったらしい。
ぼくは子供の頃に見た。
1967年までやっていたというから、10歳までの時期だ。

何度か書いたが、「おしゃべりな古典教室」というラジオ番組を毎週聞いている。
先週からは、4回シリーズで「歌舞伎作者になってみよう」という企画。

歌舞伎の世界というのは、オリジナルのストーリーではなく、「世界」という、みんなが知っている歴史上の物語を元にして作るのが普通なのだ。
今でいうと、パロディというのに近いのかもしれない。

源義経や平清盛のような歴史上の人物や、当時よく知られていた物語の世界自体が題材。
そこから、人物像を変えたり、そこにないようなキャラクターを登場させたりする。
また、2つの世界を組み合わせるというようなこともアリだという。
だから、逆に現代では難しくなるのだろう。
みんな、その「世界」を知らないからだ。

そこで、あらたにリスナーも歌舞伎を作ってみよう、ということで出された「世界」が「三匹の子豚」。
たしかに、童話でみんなが知っている。
怠け者の長男はわらの家、次男は木の家、三男はレンガの家を作るというところは誰もが知っている。
「ブーフーウー」は「三匹の子豚」の世界を借りているということだ。

その物語の「世界」の上でどう面白くするか、というのが「新しい歌舞伎」を作るということ。
なかなか面白い企画だ。

でも、それが今歌舞伎を理解する時の障害になっている。
昔の「世界」が共有できないからだ。
そこが難しいところ。

古典落語でも、そういう「世界」があった。
芝居の話で、「忠臣蔵」を知らないと笑えない、というものもある。
古い言葉がわからなければ、現代の言葉に変えたらいいが、そういうある意味当然知っている、という約束事が成り立たない。
こういうのは、どうしようもない。

日本の伝統的な「世界」という考え方は面白い。
そういえば、そんな要素がいろんなところに残っているのかもしれない。

世の中の物語に本当にオリジナルなものなどほとんどない。
ラノベのファンタジーなど、どこかの「世界」を借りているのかもしれない。

そういう伝統がマンガやアニメで生かされているのだろうか。



| hdsnght1957kgkt | 考えたこと | 23:19 | comments(0) | trackbacks(0) |

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