考えたこと2

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テセウスの船
ぼくは25年メーカーで勤めたが、ものづくりの難しいところは、時間の流れに耐えるのが難しいということだ。
一つのものを作るためには、たくさんの部品が要る。
それらの部品をいつまで作ってくれるかが問題だ。

昔使っていたVTRは、保証期間が決まっていて、それを過ぎるとお金を出しても修理できなかった。
生産終了から、10年とか15年とかいう数字だったと思う。
それは仕方がないと思う。

その製品がどれだけ続くかわからないが、いくらベストセラーになっても、新しい部品が出てくる。
新製品は、最新の部品を使うから、旧製品の修理部品の供給もだんだんタイトになってくる。

世にいう、消耗品ならいいが、何年か使われるものなら、いつか部品の終了の時が来る。
その時に、簡単に製造中止にはできない。
だから、同等品ということで置き換えていくしかないのだ。

「テセウスの船」という言葉がある。

意味は、

「「テセウスの船」は、ギリシャ神話を語源とするパラドックス(逆説)を表す用語です。怪物を倒した英雄テセウスが乗っていた船が記念として後世に残され、老朽化すると部品を交換して修復されていましたが、古くなった部品が新しいものに交換されるうちに最初の部品は徐々に失われていきます。このことから、部品が交換された船は元の船と同じ船なのか、という矛盾が生じ、哲学的に「そこにあるものが同じである」ということの定義を問う有名な逸話となっています。」

ということだ。

ベストセラーがいつしかビンテージになって、それ故にメンテナンスしないといけない。
40年から50年経つと、さすがに部品がありません、と言っても理解されるだろうが、一方でビンテージを成り立たせるためには、部品を確保する努力もメーカーとして必要になる。
これは本当に難しいことだ。

でも、よく考えたら人間も同じこと。
細胞は60兆個あって、1日に3000億個が壊れて死んでいく。
だから、2年半経てばその人間を作っていた細胞はすべて入れ替わっているということだ。

生まれたときの細胞はもう影も形もない。
それでも、人間にアイデンティティがあるというのは興味深いことだ。

ぼくらの世代は、製品でいうとビンテージだが、その値打ちがあるのか、というと甚だ心もとない。

だから、賞味期限があって、死んでいくのだろう。






| hdsnght1957kgkt | 考えたこと | 21:28 | comments(0) | trackbacks(0) |

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