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2024.06.07 Friday
日本の学生
日経に「日本の学生の無関心は危険」という記事があった。
パレスチナの情勢について、ハマスとイスラエルの紛争に関するものだ。 欧米の大学では、大学生が反イスラエルのデモを行っているのに、日本では「即時に停戦すべきだ」という主張のみで、あまりデモなどはない。 それが、「日本の学生たちは自分と直接関係のない国際政治・経済動向への関心が薄い」ということの批判につながっている、というもの。 この記事はよくある新聞社の意見を表明しているのに、記者名は明らかになっていない。 「大機小機」というコラムに載っている。 事実だけを書くのなら、匿名でもいいと思うが、「日本の大学生の無関心は危険」という意見を表明しているのだから、それを匿名で書く意味がわからない。 日本人全般の一般論として、欧米と違って、中近東に対する知識も浅く、歴史上の関わりも薄かったのだから、欧米の学生よりも関心が低いのは当たり前。 学生のなかには、先に仕掛けたのはハマスの方で、なぜ一方的にそちらの肩を持つのか、と思っている人もいるだろう。 日本の喧嘩の仲裁では、「どちらが先に手を出したのか」ということが問題にされるからだ。 そんな海外のことを問題にする前に、どうして日本の学生はバカ高い社会保障制度についてなにも言わないのか、ということのほうがよほど大きいと思う。 今や会社負担分も含めると給料の3割が取られている。 さらに、来年以降、団塊の世代が後期高齢者になり、介護、医療費がどんどん増えていく。 誰がどう見ても、維持不可能な制度になっているのだ。 日経新聞の編集者自身も、高齢だから今の制度を維持するべきだと思っているのかもしれないが、日経を含むマスコミ自体がそういう意見を全く言わない。 新聞というメディアが、高齢者の購買層に支えられているからだろう。 この著者は大学の経済学部で授業も行ったらしいが、学生たちが今の円安動向にも無関心で、極めて危険な状況、と書いている。 なぜそんなことが起こるのか、という疑問は全くない。 それはマスコミ業界ですら、大学生の専門性にコミットせず、「全学部全学科」で求人しているからだ。 文系全般を十把一絡げにして、インターンすらまともにしていない。 そういう自分たちのやっていることを棚に上げて、意見を匿名で言う。 こんな楽な商売はないだろう。 言いっ放しでいいのだ。 この国のマスコミの方が、よほど危険だぞ。 |
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