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2024.04.14 Sunday
マジメな非常勤講師
マジメな非常勤講師が雇い止めになったという。
この「マジメ」というのは、ちゃんと指定の教科書に沿って教え、試験もして、学校の教務の言う通りのやり方で単位を出していたという意味だ。 直接の理由は、学校が行う学生への授業評価アンケートの結果が悪かったということだ。 「授業がわかりにくい」とか「声が小さい」とかいう自由記述が多かったという。 ただ、5段階評価で中央値の3は超えていた。 人気がないからと言って、悪い先生ではないだろう。 本当に教務が問題としたのは、20%の学生が単位を落としたということだと思う。 他の教員は不合格率が1%だった。 教務としてはたくさんの学生が不合格になると、教室の手配や再履修の手配をしないといけなくなって、面倒だからだ。 学校の言い分は、 「学生の英語能力の向上に資する有益な授業をできていない。受講した学生や他の教員から担当変更の申し出が多数あった」。 大学側はこうした状況を挙げ「他の非常勤講師と比較してふさわしくないとされる評価内容が多い」 ということだった。 非常勤講師の言い分は、 「成績評価は大学側から示された基準に従っている」と反論した。大学は授業に関する指針で、配点割合を「提出課題30%、授業態度20%、筆記試験50%」と示していた。課題をこなして真面目に授業を受けていても、試験の点数があまりに低ければ単位は認定されない仕組みだった。 男性は授業や試験についても大学の教育方針に基づいていると主張した。学生の学力を考慮すると大学指定の教科書は難しすぎると感じていたが、試験を簡単にすれば大学の求めるレベルを満たさないと逡巡し、難易度を維持する代わりに授業で繰り返し復習を呼びかけた。試験問題も解きやすいように教科書の一部をそのまま出題した。 ということだ。 おそらく、本当のことだろう。 どちらが正しいかというと、ちゃんと指示通りやった非常勤講師の方だと思う。 他の講師たちは、学校側が指定した教科書は、この学校の学生には難しすぎると思っても、試験を簡単にしたり、筆記試験の比率を下げたりして、ほとんどの学生が単位が取れるようにしたのだ。 そうしないと、教務からの評価が下がり、もう契約してもらえない。 生活のためには仕方がない。 これが真実だと思う。 裁判所は非常勤講師の方を認めたが、結局示談して学校が1000万円払ったということだ。 ぼくも同じようなことを知っている。 社会学の授業で、統計学という理系の科目があった。 どう考えても、この内容を理解していると思えない学生がたくさんいたので、教務に聞いてどんな授業をやっているか調べてもらった。 試験はやるが、ノートや教科書の持ち込み可で、試験の問題はほぼ授業で指示されているらしいという。 なるほど、それならほとんど通るはず。 結局学校法人の目的は卒業させることで、学生を育てることではないのだ。 実際、Fランクの大学がやっていることは、こんなことだ。 それに忖度しないと、非常勤講師は食っていけない。 ただでさえ安い給料で食えないのだから。 だから、どんな大学でも補助を出すのは間違っている。 ちゃんとやっている大学だけに補助すべきだ。 文科省は天下りのことしか考えていないから、無理だろうけど。 |
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