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2024.03.03 Sunday
教員の働き方
公立学校の教員の働き方は、普通の労働者とは違う扱いになっている。
今はそれが劣悪な労働環境を作り出している、という意見もある。 その代表的なものが「給特法」というもの。 正式には「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」という。 これによって、公立学校の教員は、公務員給与の+4%を一律支給する代わりに残業手当を支給されない、ということになっている。 これが長時間の残業を生み、本来なら事務職員などを入れてやるべきことを(無料で)教員がやらされている、ということだ。 もっともな意見だと思う。 ぼくは日本の教育の一番の問題は、義務教育にあると思っている。 なぜなら、教育とは積み上げであり、最初に躓いてしまうとあとの事はわからないからだ。 高等教育をいくら補助しても、無駄になる。 そして、教育の根本はやはり「先生」にあると思う。 10年間の大学の事務仕事で感じたことは、いくら設備やカリキュラムをかっこよくしても、「いい先生」がいなければ、教育の質は担保されないということだ。 今の公立の小中学校の先生に、どれだけ「いい先生」がいるんだろうと思う。 イジメの問題で漏れ聞こえてくる教育委員会の隠蔽体質や、教員自体がイジメを助長している、というようなこともある。 さらに、文科省の教員養成課程の問題。 小学校からの積み上げである、国語と算数の今の大学生のレベルを見ていると、本当に憂鬱になる。 そもそも教育学が文系の学問であり、その人達が作った体制も現代にマッチしたものとは思えない。 特に算数の理解など、致命的だ。 ぼくは初めて大学で就職筆記試験(SPI)の内容を見たとき、びっくりした。 損益算、速度算、仕事算、鶴亀算、濃度などの小学校で習うことが並んでいたからだ。 まあ、忘れていることを思い出せばいいだけだと思ったが、そういうことではなかった。 それらが全くわからない学生が大量にいるのだ。 数というものは、実際には存在しない。 頭の中だけに存在する。 そういう形而上のものの扱い方が苦手になる。 教員の働き方を改革するのなら、教員養成課程も、理系人材の教員への登用も考えてほしいものだ。 |
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