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2024.02.01 Thursday
ロストレターズ・ミステリー
アメリカのTVドラマ。
90分の枠でやっていた。 こちらもヴァイオレット・エヴァーガーデンと同じく、手紙を扱うもの。 デンバーの「宛先不明郵便配達オフィス(Dead Letter Office)」が舞台。 ここのメンバー4人が、迷子になったレターを何とかして届けるという、一話完結のストーリー。 実際にDLOという部署があるのかどうかはわからない。 いつもながら思うが、Dead Letterというのが「宛先不明郵便」に当たる、というのはよくわかる。 バイオレット・エヴァーガーデンでも「届かなくて良い手紙なんてないのですよ」というセリフは印象的だった。 届かなかった手紙、ということ自体がミステリアスだ。 そして、だいたいが親しい人への手紙だから背景が書かれていない。 そこで、消印や切手などを手がかりに、届け先をメンバーが推定するという仕立て。 シリーズが進むにつれて、メンバー間の関係が変わっていくのも興味深い。 予算があるからこういうドラマが作られるのだろう。 今の日本の民放では、こんなドラマはとても作れないと思う。 今や私信は全てメールの時代。 若い人など、手紙など書いたことがないだろう。 10年以上前、学生に漢字検定の試験をやって、返信用の封筒を書かせた時には驚いた。 A4サイズの封筒に、自分の住所と名前を書くだけなのだが、字のバランスや縦書き、横書きなど、学生の数だけ書き方があった。 次の年から、スライドで見本を大写しにして書かせたが、それでも小さな字でバランス悪くなる学生もいたなあ。 遠く平安時代は、歌のやり取りがメインのコミュニケーションだったという。 それがだんだんと現代に近づくにつれて、郵便制度が整備され、手紙が主体になった。 古い文豪の全集には、書簡集の巻がたいがいあったと思う。 それが電話からメールに取って代わられ、今やLineなどのチャットになっている。 相手が見たかどうかも確認できるし、即時に届くので便利になった。 それしか知らない世代が、どんどん増えていき、手紙を書いたことがある世代が去っていく。 そんな時代になっても、手紙は残るのだろうか。 このドラマを見ていて、そんなことを思った。 |
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