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2023.09.12 Tuesday
海に消えた神々 今野敏
今野敏の3冊目。
最初はちょっとエンジンがかからないが、探偵が出てくるとエンジンがかかって一気に読める。 この探偵は刑事上がり。 警察の上からの権力に弱いところに嫌気がさして辞めた。 探偵には馴染みはないが、やはりハードボイルドの匂いがする。 物語は沖縄が舞台で、海底の遺跡の話だ。 そこに新聞社や政治家、沖縄の基地返還、大学などが絡む。 ムー大陸なども出てきて、ちょっと浮世離れした感じがある。 2002年の作品。2008年の文庫本だ。 例によって、ニヒルで自堕落でありながら、情にほだされてやる気になる、という探偵のパターン。 最後はちょっと尻切れトンボの感があるが、勢いで読んでしまう。 スキューバダイビングの装備や潜ったときの感覚など、やったことがないと書けないと思う。 当時は考古学が流行っていて、遺跡の発掘に関する捏造もあったりした時代。 そんな時代の風景も読み取れる。 まだバブルの残り香がある時代。 だからこそ、遺跡を題材にした作品が書けたのだろう。 |
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