考えたこと2

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風の果て 藤沢周平
上下2冊の時代小説。
藤沢周平の得意な、お家騒動というか、上層部の派閥争いの小説。
この本は母が中古で買ったものだと思う。
定価は420円だが、裏表紙に鉛筆で300円と書いてあった。

この当時の文庫はだいたい8.5ポイントの字で印刷されている。
今のものは9.25ポイントだそうだ。
今ならもっと分厚くなっていただろう。
ちょっとページが茶色に変色しているが、読み出すと気にならない。

出だしは、主人公の現在から始まる。
そこからすぐ、子供時代に戻り、同じ道場に通う5人組の話になる。
ところどころで、今と過去が入れ子になっている。
なぜわかるかというと、名前が変わるからだ。

5人の中で主人公は正義感の強い、隼太という少年。
江戸時代には次男、三男は婿に出るか、厄介者になるしかなかった。
隼太は婿に出て、藩の要職まで上りつめる。
その縦糸と、5人の仲間がどうなっていくかという横糸がこの物語を作っている。

藤沢周平の筆力はすごい。
まるで江戸時代に武士として仕事をしていたようだ。
それも架空の藩だ。

結局栄華を極めても、ある意味若い頃の夢を捨てて、虚しさが去来する。

もう老境になった身には、染みる小説だった。



| hdsnght1957kgkt | | 10:50 | comments(0) | trackbacks(0) |

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