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2023.08.05 Saturday
2007年6月29日のメモ
ずっとほったらかしのメールアカウントがある。
こないだそこの整理をした。 驚いたのは、まだ大学で勤めていた頃のメモが出てきたこと。 2007年の6月にはこんなメモを書いている。 「駿台やベネッセが初年次教育やリメディアルの売り込みを始めている。文系の大学で、読み書きの基礎を外注しようとしている。そんなことをするのは教育の放棄であり、大学はただの箱で生徒と教室があるだけになってしまう。」 予備校の大手が、大学の初年次の学生相手の商売を始めようとしていた時に書いたもの。 大学が教育を外部に丸投げしようということになる。 文章の読み書きを教えるのは、基礎の基礎だ。 それを外部に委託するのはどうか、ということだ。 それらの学生を入れた責任がある先生がそれを教えないと、自分たちがどんな学生を選んだのかがわからなくなる。 そういう事を知らないとダメだろう。 ぼくの勤務先は、教員が自分の研究だけやっていたらいい、というような大学ではなかった。 当時はまだ定員こそ割っていなかったが、かなり厳しいレベルだった。 入試で選別できる、というレベルではない。 そういう大学は、実際に専門を教える先生が初年次も面倒を見て、学生のレベルを知ることは大事だと思ったから、メモを書いたのだろう。 教育6、研究2、地域貢献2でいいのだ。 この後、「書く技法」という授業を発案して実施した。 結局、専任の教員を一人雇って、残りは非常勤でやってもらった。 入れた学生に責任を持とうという教員は非常に少ない。 研究費がもらえて、自分の研究ができて、あわよくば他の大学に変わりたいと思っているような教員の方が多い。 大学に対する補助をするくらいなら、幼児や初等教育に補助をするべきだというのが経済的な通説。 そちらのほうが効果が大きい。 基礎ができていないと、伸びないのは明白。 それでも、天下り先を増やすために文科省は大学に補助金を出す。 そんな事を続けて、こうなった。 罪は重いと思う。 |
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