考えたこと2

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小学校教員の現状
プレジデントオンラインに藤原和博(リクルート出身で民間から校長になった人)が書いている記事を読んだ。
「学校がウソくさい」という本から内容を取っている。

だいたい、想像通りのことが書いてあった。

「中学で数学が「できない子」の中には、小学校の算数ですでに落ちこぼれてしまっている子が多い。」

まさに、そういう子どもたちが文系私学の大学を選ぶ。
そういう高校は1年で数学を終える。

その結果、就職時に小学校の算数が出来ず、苦労するのを何人も見てきた。
ネックは「割合」だ。
ぼくはだいだい小学校4年の内容で落ちこぼれると思っていたが、藤原氏は3年だという。

「小学校では、「2個のリンゴと3個のイチゴではいくつになりますか?」と具体的にイメージできる算数から始まるが、3年生にもなると、「3分の2」というような分数が出てくるからだ。しかも「0.3」という少数も登場して、それらを足したり引いたりしなければならない。さらに「図形」も現れる。
つまり、小学校3年生で一気に、算数が抽象概念の世界に入るわけだ。」

そういえば、小数になると筆算が出来なかったり、分数はお手上げという学生も多い。

藤原氏は校長経験者で、「算数で最も大事な時期に教えるのが“弱い教員”」だという。
ベテランの教員はスタートの1,2年か、仕上げの5,6年に配されることが多く、小学校の3,4年は最後に残った新卒教員や指導力が弱い教員になってしまうという。

「つまり、算数では、子どもの脳に抽象概念が形成できるかどうかというような最も大事な時期に、相対的には弱い教員が教えているのだ。現在、文科省が専科教員の小学校への配置を進めているが、小学校3年からの算数にこそ厚く張るべきだろう。」

まさにそのとおりだと思う。
それらの結果、学力が二極化してしまい、その真中を狙って授業をしてしまうと、できる子はバカバカしいし、できない子は全くわからないということになる。

それは大学生の就職筆記試験の講座でも同じこと。
どこにターゲットを置くか、難しい。
できない子は約分や通分も忘れてできないし、できる子は集合や確率もわかっている。
今はYoutubeの動画で一人ずつ合ったところからやる、という方針に変えた。

採用についても書いている。

「人手が足りないなら中途採用で補充すればいいじゃないか、と指摘する人がいるかもしれない。だが、それができるのはビジネスパーソンの場合だ。教員の採用ではそうはいかない。30代、40代の仕事盛りの時期に、しかも成功している人の場合はとくに、別の職種から教職に転じることに経済的な魅力はない。仮に転職を考えたとしても、大学に入り直して教員免許を取ってまで学校現場を目指す志のある人材は少ない。」

たしかに、記事にあるような難しさはあると思うが、ぼくは以前から教員の社会人採用をすべきだと思っている。
大学の教職課程がジャマになるのなら、そんなものは採用してからe-learningででもやればいいのだ。
給与は別枠にして、高くすればいい。
やりがいも感じられるだろうし、志を持った人を雇うべきだと思う。

現実には大量採用された50代以上のベテラン教師が退職して、新卒採用者が増えて、少子化の今小学校教員の倍率は最盛期の12〜13倍から2倍になってしまった。
これが「質の低下」を生み出している。

「リクルート出身者として私企業の常識を言えば、応募採用倍率が7倍を切ったら、質が低下するとされていた。10人採用するなら70人、100人採用するなら700人、東京都のように2000〜4000人規模の採用をするなら2万人近い応募者が必要だということだ(実際には応募者7911人、受験倍率2.1倍で、5年前より半減している/東京都教育委員会の発表資料より)。」

これが現実。
記事の終わりにはこう書いてある。

「先述の通り、ある自治体では、新採教員の出身大学の偏差値が50を切っている事実を知らされた。私としても意外だった。もちろん、入学時の偏差値でひとくくりに比較するのは乱暴だし、大学で学んだ成果を評価しているわけでもない。ただし、「先生というのは、少なくとも普通以上の学力を有する人のことだ」という常識はとっくに崩れているらしい。その事実をタブー扱いにすることは、その現実を踏まえて対処する態度より、よっぽど不誠実でウソくさい!」



| hdsnght1957kgkt | 考えたこと | 23:32 | comments(0) | trackbacks(0) |

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