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2023.03.09 Thursday
フランスのデモ
フランスはデモが多いらしい。
そういう記事があった。 前に書いたRIKAママという人が書いている。 フランスでは、最近毎週土曜日になると、どこかで何かのデモをやっているという。 今年はすでに年金改革反対のデモが大掛かりになっている。 このところ、フランス人の話題は年金問題で、そういう議論がいろんな所でされている。 今年のデモはもう100万人以上を動員するものになっているという。 この年金改革というのは、定年の年齢が引き上げられることで、今62歳定年であるのを65歳まで引き上げられるというもの。 国民が激怒したので、政府は65歳を64歳に引き下げたのだが、64歳までの延長でもフランスでは「死ぬまで働かせるつもりか」という怒りが収まりそうにないとのこと。 厚生年金が足りないから、60歳から65歳に、そこから70歳にまで引き上げようとしている日本とは大違い。 勤勉な国民性というか、お上が決めたことだから仕方ないと考える人が多いのか、それとも長くなった老後を過ごすことが経済的に心配なのか、いろいろありそうだ。 しかし、フランス人は老後はのんびり過ごす、という計画を持っているらしく、たった2年の延長がデモになっている。 1988年にフランスに長期で行ったとき、先方の部長が家族で住んでいる街のフェスタみたいなところに誘ってくれて、しかたなくついて行った。 その時は、申し訳程度にお祭りらしいところもあったが、ほとんどの時間はボーッと過ごしていた。 あれがフランス人の余暇の過ごし方か、と思った。 バカンスがまる1ヶ月くらいある国だから、旅行と言ってもそんなにお金はかけないのだろう。 日本のように短いバカンスを、リゾートホテルで過ごすというようなものではなかった。 今の先進国は多かれ少なかれ、高齢化で年金財政が厳しくなっている。 年寄が増えて、若い人が減るのだから仕方ない。 その一環なのだろう。 フランス人が今の日本の年金会計や医療の状況を見たら、どう言うだろうか…。 記事にも書いてあるが、フランス人はデモとストライキを誇りに思っている。 自由と民主主義の国だ。 「フランス人は、このデモやストライキをする権利というものをとても尊重していて、彼らの生活にとっては、大前提に存在するものであり、彼らの誇りでもあるのです。 今回の年金改革は、現役世代だけでなく、次世代の若者や子供にも関わることでもあり、高校生がこの抗議のために学校をブロックしたなどということも起こっていますし、デモ隊の中には、子供連れの家族、おばあちゃんが子供夫婦や孫たちまで引き連れて参加し、「言うべきことを言わないのは恥、抗議するべきときには、しっかりそれを表現しなければならない。デモというものを子供たちにも受け継いでいかなければならない!」などと家族ぐるみで来ていたりして、なるほど、こうしてフランスのデモは脈々と受け継がれていっているのだと、フランスの家庭の教育には、このような項目も入っているのだと妙な感心をしたりもしました。」 また、RIKAママはこうも書いている。 「フランスに来た当初は、こうしたデモやストライキを苦々しく思っていた私ではありますが、最近の日本の状況を見ていると、かなり支持率が低い現在の政府にもかかわらず、とんでもないことがどんどん決議されていってしまう気がしていて、もうこれほど人気がないことにも慣れてしまった政府には、怖いものなど何もなく、決められたことにはおとなしく従う国民は、言われるがままに従わざるを得ないような状況に、むしろ、日本にもフランスのデモやストライキなど、政府に抗議する手段はないものか?と思わずにはいられないのです。 フランス政府は、黙ってはいない国民の声に対して、非常に注意を払って発言していると思いますが、日本政府、首相などの説明などフランスだったら、絶対通用しないものばかり。以前、私はフランスの職場でフランス人の同僚に「日本人は黙って我慢するからダメなんだ!」と言われて閉口したことがあり、私自身、日本人的要素がまだまだ強いことも否めないのですが、最近では、フランスのこのデモなどが起こる状態の方が社会としては健全であるような気もしているのです。」 ぼくも本当にそう思う。 日本のマスコミは、働く世代の意見を書かない。 年金や医療の支出がどんどん大きくなり、今や国民負担率が5割になる日本。 社会保障の制度はもう破綻しているレベルだ。 これを本気で変えないと、少子化は止まらないと思う。 そういう論陣を張るマスコミは皆無。 これでいいのかと思う。 |
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