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2023.03.01 Wednesday
金打
金を打つと書いて、きんちょうと読む。
武士の作法の一つ。 鬼平犯科帳のドラマで出てきた。 盗みはするが、血は一滴も流さず、取られた方もそれがもとで潰れたりしない、という盗人と鬼平が約束をする。 その時、盗人が鞘から少し刀身を抜いて、小柄を刃に当てて音を出す。 盗人が鬼平に懇願し、鬼平も刀を少し抜いて同じ動作をした。 これが金打だ。 それは決して約束を破らない、という意味だ。 これが武士の作法だったらしい。 子供の指切りみたいなものだ。 なんだか、カッコいい仕草。 日本は単一民族国家だから、阿吽の呼吸で物事が決まる。 その一例みたいなものだ。 多民族国家だとそうはいかない。 事細かに約束の内容を書いて、契約を交わす。 今のアメリカだ。 どちらがいいかは時と場合による。 でも、今の日本を見ていると、あまりにもいい加減なように見える。 法律の本文はザルみたいのスカスカで、何でも政令で官僚が好きなように決めるという形。 いろんな政令が入れ子みたいになっていて、一般の人が読んでもなかなかわからない。 そんなことばかりだ。 鬼平のように、ちゃんとした志を持っている人ばかりなら、日本式でいいのだろう。 でも、残念ながらそんな人が減った。 国民負担率がほぼ50%だというのに、生活は貧しい。 税金を使いすぎなのだ。 もう金打の時代は終わったのかもしれない。 |
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