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2022.11.11 Friday
電気代のマッチポンプ
この冬は電力が逼迫するらしい。
足りなくなったら発電を増やせばいいし、そのための発電所もある。 それでも、逼迫するという。 そのうえ、電気代が上がるから政府が補助金を出す。 値段が上がるから、使用量が減るというのが普通の考えだが、政府は何を考えているのだろう。 電気の需要を減らすためには、電気代を上げなければいけない。 送電と発電を分離して、諸外国のように電力市場を作って、自由化した。 自由化するということが、停電の可能性を上げるのは当たり前だ。 それは電力を市場に任せるということで、市場メカニズムに従うということ。 つまり、だれも発電量について責任を持たない。 普通は自由化したら、競争が起きて価格は下がる。 そのための自由化だからだ。 実際、いろんな売電会社ができて、安くなった。 しかし、市場に任せるということだから、逆もあり得る。 ここのところ、その手の売電会社が潰れているのも同じことだ。 電気代が急に何倍にもなったら、誰も買ってくれないから潰れる。 でも、夏は大丈夫だったのに、なぜ冬がより危ないのかと思う。 以前は夏のエアコンのピークがやばいということで、授業中の部屋も28度にして教員から暑くて授業にならんと言われたものだが…。 理由は、冬は雪が降ったり、日照が弱くなって太陽光が出力できないかららしい。 再エネは安いというが、そのバックアップも入れると高いのだ。 当然、再エネ業者はバックアップなどしない。 バックアップなどしていたら値段が上がるからだ。 つまり、再エネの比率が上がって、自由化もして、バックアップはあなた任せになって、電力が逼迫しているということだろう。 再エネ電気などと言って、再エネで作られた電気だけを売っている、というような売電会社もあった。 電気に色がついていて、識別できるわけではないので、計算上の話だ。 本当にそういう電気だけ使いたいのなら、送電も別にして夜は停電すればいい。 結局、再エネは今までの電気の送電線を使って送っている限り、それにタダ乗りしていることになる。 そこに地球温暖化が絡んできて、余計に話がややこしくなった。 CO2を削減しないといけない、というやつだ。 日本は世界のCO2排出量のたった3%。 GDPの割合で見ても、排出量はすでに低いと思う。 それでも、排出量を削減する、ということになっている。 そのために、再エネ比率を上げることが必要だという。 石炭は悪者にされて、廃止の方向だ。 でも、日本の石炭火力発電はクリーンコールと言われて、普通の石炭発電よりも発電効率を上げてCO2を減らしている。 世界ではまだまだ石炭発電をしていて、日本の技術を輸出できれば石炭を有効活用できる。 それでも、環境原理主義者は「石炭は禁止」という。 もったいない話だ。 再エネ比率を上げるということは、そのバックアップが必要であり、停電を防ぐためには誰かがそのバックアップをしないといけない。 そのために、再エネを増やすとコストが上がる。 そういうことを全く議論しないで「再エネは善」となっている。 それが電気代のマッチポンプを生んでいるということを、もっと宣伝しないといけない。 |
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