考えたこと2

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ボトムアップ
日本の会社はボトムアップが強い、というのは定説。
実際、ぼくも経験した。
それは取りも直さず、現場が強い、ということであり、それが製造業などの強みもなっていると思う。

実際には、現場の課長もしくは課長代理あたりで物事は根回しされ決まる。
その段階で非公式に部長とその上あたりまで話をつけておく。
上の方はめったに口を出さない。
そんな感じのボトムアップだ。

しかし、いいことばかりではない。
そういう企業は、現場の数だけ決定機構があるということであり、悪く言えばバラバラだということになる。

上は下から上がってきたものにハンコをつく(承認する)という役割。
これも、悪く言えば、下が勝手に物事を決めて実行している、ということだ。

そういう状況では、ハンコをなくすとか、デジタル化を進めるということは決まりにくい。
現場の仕事を重視すると、大きな変化は難しいからだ。
特に公務員や非営利法人の場合は、仕事が変わるのを嫌う。
だから、効率化が遅れている。
ぼくも驚いたが、時代遅れのFAXを使っているのが、今の日本の多くの現場だ。

民間だけでなく、公務も本来は上が効率化を決めて、仕事を減らし、場合によっては人を解雇してコストを削減しないといけないのだが、そういうインセンティブが全くない。
どういうわけか「公務員の雇用は守られるべきだ」という暗黙の了解があるのだろう。

日本の解雇規制は非常に強く、経営側には一度正職員で雇ったら、定年まで雇い続けるという不文律がある。
企業内組合も雇用を守るためなら、給与ダウンも容認したりした。
それは高度成長のときにはプラスに働き、長期的な労使の信頼関係でサービス残業や転勤なども厭わず働いて、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われるまでに成長した。
しかし、今となってはそれが重荷になって、30年間低成長のままだ。

ITの評論家の木村岳志氏も言っている。

「日本企業は「勝手にやっている現場の集合体」、だからDXは絶望的にうまくいかない」

役所のシステムは役所ごとに異なり、統合できなかったり、同じ役所の中でも部署でやり方が違ったりする。
そんなシステムを作るのは「現場」。
結局上はわからないから、現場が勝手にやってしまう。
それはDX(デジタルトランスフォーメーション)をやる上では、絶望的な状況だろう。
DXはトップダウンでやらないと成功しない。

元いた会社で社内メールを始めたとき、当時の技術の取締役が自分でメールを書いて送った。
こういうことができる上司がいないとダメだ。
それによって、みんな「メールを使わないといけない」と思ったからだ。

上から、組織横断的にやるからこそ、DXだ。
それによって、要らない仕事ができて、要らない人が増えても仕方ない。
そういう割り切りができないとDXはうまくいかない。

デジタル庁を作ったのはいいが、それより先に雇用慣行を変えないとダメだと思う。





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