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2022.06.19 Sunday
くもわ
以前、割合の「くもわ」のことを書いたが、今日初めて実際にそれを使う学生に会った。
「くもわ」は割合を教えるときに使う図で、円の上半分が「く」で下半分をさらに半分にして、片方ずつに「も」と「わ」が入る。 「く」は比べる数、「も」は元になる数、「わ」は割合のことだ。 つまり、比べる数を元になる数で割ると、割合が計算できる。 また、比べる数を割合で割ると、元になる数が計算できる。 さらに、元になる数に割合をかけると、比べる数が計算できる。 ぼくらの頃はそんな図はなかったが、今はそれが「割合」の代名詞になっていた。 表を見て、増加率を計算させる問題がある。 ある町の人口の表がでていて、1990年から2年おきに2000年まで出ている。 1990年の人口が80万人、2000年の人口が100万人。 1990年の人口をXとおくと、2000年の人口はどう表せるか?というような問題だ。 Xが出てくると、もうダメだ、という感覚になったようだ。 何かトラウマがあるのだろう。 どう説明しようかと思っていたら、これは「くもわ」でやるんですね?と言われた。 そうそう、「くもわ」でやったらいい、と糸口を見出す。 1990年の人口を元になる数にしたら、比べる数は2000年の人口だから、割合はいくらになるか?ということだ、と教える。 なるほど、とそこからは早かった。 比べる数を元になる数で割ったら割合が出る、というのは「くもわ」の円でわかる。 計算して、1.25とかいう数字が出る。 それにXをつけて1.25Xとしたら、答えになる。 前にも書いたが、そういうふうに考えて、答えを出している。 ダイレクトに、比べる数を元になる数で割ったものが割合というものだ、ということがわかっていない。 そこを飛ばして、「くもわ」の絵で理解する。 とにかく、問題ができるようになる、ということではそれでOKなのだろう。 しかし、それは割合という概念をちゃんと理解したことになっているのだろうか。 なんだかやってることがおかしい。 |
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