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2022.05.13 Friday
出生率低下
ツイッターの買収で話題のイーロン・マスク。
言わずとしれたアメリカのEV企業テスラや宇宙事業のスペースXの責任者だ。 彼は南アフリカ出身。 去年の10月の推定保有資産は3020億ドル(約40兆円)とあった。 想像を絶する金持ちだ。 そのマスク氏が日本の少子高齢化の状況に触れて、「当たり前のことをいうようかもしれないが、出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ存在しなくなるだろう」「世界にとって大きな損失となるだろう」と言った。 おっしゃる通り、算術的には当たり前のことだ。 どんどん高齢者が増えて、若い人たちの生活を圧迫し、そのせいで出生率が低下している。 いくら若い人たちを優遇しようと思っても、民主主義の数の原理で高齢者に負けてしまい、若者優遇の施策は実行されない。 本来なら、数の原理で選ばれた代表者が将来も考え、滅びないための選択をするべきなのだが、残念ながらそういう代表は日本にはいない。 現状の政策を批判するべき野党が、与党よりも高齢者ベッタリの考えだからどうしようもない。 人口という統計値は誰でも予測しやすいのだ。 マスク氏に言われなくても、わかっている人はわかっている。 1985年にフランスに出張した時、現地の駐在員に聞いた。 その人は3人子供がいたのだが、この国では、子供が3人以上いると列に並ばなくてもいいという。 堂々と横入りして、先にいろんな手続きを済ますことができる。 「なんで?」と聞くと「少子化対策」と言われた。 調べてみると、フランスの人口はゆるく右肩上がりになっていた。 移民を入れたりした効果もあるのかもしれない。 でも、85年当時でも子供3人いればいろんな優遇が受けられたとのことだった。 移民が少ない先進国はいずこも同じといえば、そうかもしれない。 80年代以降、世界は豊かになって、平均寿命が伸びた。 先進国はだいたい平均寿命も右肩上がりだ。 それでも、日本の場合は高齢者が生きすぎている(といえば語弊があるが)。 人口ピラミッドをみると、ものすごい尻すぼみになっているのだ。 この30年、経済発展もほぼゼロだったにも関わらず…。 マスク氏の言うように、岸田首相が本当に少子化に取り組んでくれればいいと思うが、どうも無理そうだ。 彼の頭の中には票集めしかないと思う。 見事なポピュリスト。 日本には滅びの美学みたいなものもある。 平家物語の世界。 そういう世界が何十年か後に実現するのかもしれない。 ぼくはもういないだろうが…。 |
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