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2022.03.20 Sunday
公的部門のIT化
日経に、政府の保有するデータ−へのアクセスが出来ないものが2割という記事があった。
欧米では活用が進んできているのに対して、日本はデジタル社会の土台が機能していないという。 厚労省が約45%、公正取引委員会が38%、経産省は33%ものデータがアクセスできない。 いずれも色々な利権がある機関。 政府は「DATA.GO.JP」というサイトを作り、ここから必要なデータにアクセスできるようにしているのだが…。 こんなことになった原因は、まずは取り組みが遅かったということらしい。 欧米は90年代から取り組んでいたが、日本が取り組んだのは2012年あたり。 20年以上遅れている。 やる気がなかったということだろう。 官公労も含め、日本の役所は上から下まで仕事のやり方を変えるのを嫌がる。 民間で大きく効率化を測った90年代から2000年代にかけて、全くそれをやらなかったのだ。 欧米が取り組みを始めた90年代後半は、パソコンの勃興期。 日本の民間の大企業はそれにならった。 効率化は人を減らす。 そして、仕事のやり方も変える。 その両方を拒否していたのが役所だろう。 2013年当時、文科省からくる書類は悪名高いエクセル方眼紙だった。 データベースの意味をわかっていない人たちばかりなのだろう。 それに加えて、伝統的に役所は「知らしむべからず寄らしむべし」という伝統がある。 なあなあでやっているところも温存されているから、不正もあるのだろう。 記事によると、「不正や課題を追求されることを懸念」して後ろ向きに構える職員もいるという。 それを表してか、公開されているデーターは海外では分析用のデーターだが、日本では分析に適さないPDFデーターが9割以上。 データーではなく画像なのだ。 おまけに、地方自治体の4割はデーターを扱う職員すらいないという。 ビッグデーターの時代、海外では活用が進んでいる。 「海外ではオープンデータを活用した成功例が増える。米スタートアップのシンデステは米海洋大気局の気象情報など20以上のデータを利用し、洪水リスクを推定する事業を伸ばす。世界で4千万回以上ダウンロードされた健康管理アプリ「ルーズイット!」は米農務省の食品カロリーのデータを使い肥満防止を促す。 スペインのバルセロナ市は車両の通行制限エリアを設ける際に反対が相次ぐと、交通量や環境のデータを公開。検証しやすくし合意を取り付けた。欧州連合(EU)はオープンデータが生む経済価値が25年に最大3342億ユーロ(44兆円)に達すると予測する。」 このままでは差が開くばかりだから、菅元総理はデジタル庁を作ったのだろう。 日本がOECDの下位から上に上がるためには、公的部門の改革が必須だと思う。 |
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