考えたこと2

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増える発達障害
発達障害の子供は、この13年で10倍に増えたということだ。

ぼくが大学をやめる頃(2014年)には、大学にも「発達障害」の学生の問題が顕在化していた。
どちらかというと、偏差値の低い大学が声高に必要性を言っていたと思う。
なかには、キャリアに専用の窓口、担当者を置いているという大学もあった。
当時は信じられなかったが、問題はないわけではなかった。
セミナーをやっていて、私語がひどかったので注意すると、床に転げて騒ぐ学生がいた。
あれは何だったのだろうかと思う。

東洋経済は、発達障害は学校から生まれる、という特集をしている。

ぼくも保護者の立場でADHDの幼稚園児を見たが、あれでは集団生活はできない。
周りの子ども達も迷惑だ。
1人いるだけで、すべての行事が滞る。
多様性で済まされるものではないと思った。

しかし、今は小学校の面談で、親が薬を服用することを推奨されるらしい。
学校も集団を乱されたくないのだろう。
記事の中では、親の立場では子どもに薬を服用させたくないという。
多動は成長して収まることもあるからだ。

こういう話も紹介されている。

「3年生のとき学級崩壊が起こり、36人中8人もの子が、担任教師から『どこか(医療機関)に相談したほうがいいんじゃないですか』『検査を受けたほうがいいのでは』と声をかけられました。でも、学年が上がり担任が変わったら、何も問題がなくなりました」。

実際には子どもの発達障害というよりも、先生が学級を崩壊させていたということだろう。

最終的には医師の問診で服薬が決まるというが、問診にもばらつきがあるとのこと。
担当医師の主観の問題になっているらしい。
冒頭の10倍というのは、2006年に7000人だった発達障害の児童生徒は、2019年に7万人にまで急増したということだ。

さすがに、子どもの数は減っているのに、こんなに増えるのはおかしいと思う。

発達障害の薬は、脳の中枢神経に作用する「向精神薬」だ。
ADHDの薬の種類も増えており、なかでも塩野義製薬の「インチュニブ」というのは2017年に19億円の売上だったものが、2020年には131億円まで増えている。
これも異常だろう。

さすがに、学校教員の中にはこういう人もいる。

「効果がないと量を増やされたり、薬の種類を変えられたりする。学校側は『やっとこの子は落ち着いて良かった』と思うけど、要は過剰投与されて、ぼーとしているだけなんですよ。親に話を聞くと、薬を飲んで食欲がなくなり、夕食が食べられなくなってしまっていると。中にはみるみる痩せていってしまう子もいます」

「学校のルールがどんどん細かくなったことで、今まで問題がなかった子どもまで、あぶり出されるようになっている」

「以前はいろんな子が普通学級にいたが、今は『定型発達』(発達障害のない状態)の子どもしかいられない教室になってしまっている。問題のある子どもに対しては、まずは(普通学級から週に何回か通う)特別支援教室を勧め、改善が見られなければ特別支援学級への転籍を勧める。転籍ができず、普通学級にいることになった場合、薬の量を増やそうという話になります」

「管理職が教室を見た時、がちゃがちゃしていたら評価が下がってしまう怖さもある。『ちょっと難しい子はいないほうがありがたい』という気持ちがあり、そこに『別の場所に行ったほうが、この子のため』という甘い言葉があると、そちらに流されてしまいます」

要は先生が教えやすいように、病気を作り出しているとも言える。

向精神薬を何年も飲んでいると、飲まないと激しい眠気を覚えることもあるらしい。
そういえば、十数年前にアメリカの学校のドラマで、ボストン・パブリックというのがあった。
シャイ・マクブライドという、ぼくの好きな俳優が出ているのだが、このドラマで一度向精神薬がテーマになったことがあった。
ADHDの生徒が、薬をのむか、のまないか、という葛藤のエピソードだったが、その時は薬をのむと自分でなくなるような気がすると言っていたはず。
数十年前の時点で、向精神薬に対してそういう問題意識を持っていたということだ。

この時の薬はリタリンというものだった。
これはその後依存性が問題になって、ADHDには使えなくなったもの。

医師の中には「子どもの多動は、成長とともに落ち着くことがほとんどだ。しかし、最近では脳が発達途中の7〜8歳以前に、薬を服用するケースが増えている」と言う人もいる。

低年齢から服用し続けることに対しては、データーの収集や調査すら行われていないとのこと。

「すべての薬には副作用のリスクがある。症状が重く、薬を使うベネフィットがリスクより大きければ使う。だが、成長過程の脳に作用する薬を長期間飲むことの影響はわかっていない。どうしても必要なときに限って、明確な目的と期限を決めて使えば問題ないが、そうした使い方をする医師は少ない」

ということだ。

「国連の子どもの権利委員会は2019年、子どものADHDの診断と向精神薬の処方が増加していることに深刻な懸念を示し、その根本的原因について研究を実施することを日本に要請している。」

しかし、日本では逆に低年齢の幼児まで服用が広まっている。
コロナで日本の医療が海外から遅れていることを痛感したが、こんなところも同じことだ。

実際に服用していた人もこう言っている。

「薬だけ飲んでも生きやすくならない。応急処置のようなもの。根本的な問題が解決しなければ意味がありません」

この人は、アスペルガー症候群と診断され、集団に入れない、人と目が合わせられないという症状。
また教科の得意、不得意の差が激しく、苦手な算数の授業の時は毎回指名され、教室の前に立たされてはできないことを責められたという。

発達障害と診断されていることを、教師は知っていてのことだ。
こうなると、教師のイジメだろう。

例によって、教師がイジメるから、同級生もイジメを始めた。

「言葉がつまったりどもったりすると、それを先生にも同級生にもバカにされました。『人間じゃない』『気持ち悪い』と言われ、突き飛ばされたり机を離されたりもしました」

これが小学校教師のやったことだ。

「以前なら児童同士のトラブルがあれば、職員会議で、児童の関係性や学校や家で何があったのかが話し合われていた。しかし、今では児童がほかの児童に暴力をふるったときも、殴った子が『発達障害だから』と安易に発達障害の問題にされてしまうことがある」

という先生もいる。

ここでも、生徒は薬をのむと自分ではなくなるような感じがするという。

「意思決定しにくい状況にある子どもに対し、最後の手段であるはずの薬の服用が優先されているとしたら、それは「本人のため」とはいえない。環境の問題を子どもたちの脳の問題にすり替えると、発達障害の児童生徒数は増える一方だろう。」

記事はこう締めくくられている。

子どもの発達障害の問題の根は深い。

| hdsnght1957kgkt | 考えたこと | 22:11 | comments(0) | trackbacks(0) |

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