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2022.03.08 Tuesday
ラジオ文芸館
ラジオ文芸館を聞き始めて、もう5年位になる。
今は時間が変わって、日曜日の深夜のNHKラジオ深夜便の1時台にやっている。 朗読というスタイルの話芸もなかなか奥が深い。 ずっと聞いていると、やはり好みが出てくる。 こないだ聞いた角田光代の「どこかべつのところで」という作品の朗読は、とても良かった。 野口葵衣というNHKの局アナだが、主人公の年代に近いのも相まって、場面が目に浮かぶ朗読だった。 声優がキャラクターになって演じるのと、朗読は全く違う。 朗読では地の文とセリフが出てくるから、それぞれを意識して読まないといけない。 セリフの部分で声音を大きく変えるアナウンサーもいれば、それほど変えないアナウンサーもいる。 ぼくは極端に変えるのは好みではない。 あまり極端にやると、朗読の良さがなくなるように思う。 地の文を読んでセリフに入る時や、逆にセリフから地の文に戻る時の間のとり方など、工夫しているのだと思う。 読むスピードを変えて間をつくることもある。 やっぱり難しいのは間なのだ。 いい朗読は、間でドラマを作る。 声色はそんなに変わらなくても、間を開けたり詰めたりすることで緊張感が変わるからだ。 とは言っても、朗読だからそんなに間をあけるわけにもいかない。 1分間に300文字程度のスピードで読んでいるのだが、どこまで意図的にやっているのかはわからない。 プロだから、ある程度計算はしているのだと思う。 そのあたりを考えるのも、朗読の面白さだ。 今回の話は飼い猫が逃げ、探している飼い主の女性が主人公。 その主人公が知り合うのが年配の女性。 角田光代の短編は何度か聞いたが面白い。 毎回こういう作品をやってほしいものだ。 |
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