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2022.02.13 Sunday
サ店
サ店というのは、喫茶店のこと。
この言葉ももう死語に入りそうだ。 ぼくらの若い頃は、スタバやドトールというようなコーヒーを売るチェーン店などなかった。 だいたいが喫茶店という独立したお店。 チェーン店もあるにはあったが、全国規模のチェーンなど少なかった。 その土地々々でオーナーがいて、開業しているというパターン。 コーヒーを飲むというだけでなく、そこで時間をつぶすという感じ。 商談をしたり、待ち合わせに使ったり、デートの途中で入ったりする店だった。 中にはジャズ喫茶のように、音楽を聞かせる店もあり、中では小声で話さないと怒られる、という店もあった。 ここ数年はカフェというのが増えてきて、家の近所にも1軒できた。 コーヒーの専門店という感じのお店。 まだ行ったことはない。 女子大生が履歴書の趣味の欄に「カフェ巡り」と書くことも増えた。 そういえば、実家の最寄りの岡本駅の前にある「ユニーク」という喫茶店は、「カフェ・ド・ユニーク」という名前になっていた。 レンガ造りの外観にして、立地もよく、まだ「サ店」をやっている。 昭和のぼくらの感覚では「サ店でも行って時間つぶすか」という感じ。 その感覚からわかるように、サ店はそれほどオシャレな店ではない。 どちらかというと、野暮でもOKで、ソフトドリンクで時間がつぶせればいいのだ。 そういうサ店はどんどん減っている。 東京商工リサーチの調査結果では、2021年の喫茶店の休廃業・解散は始めて100件に達し、過去最多だ。 記事にはこうあった。 「2021年の「喫茶店」の休廃業・解散が初めて100件に達し、過去最多を記録したことが東京商工リサーチの調査でわかった。 大手チェーンや「コンビニコーヒー」との競争に加え、昨今の輸入コーヒー豆の高騰も痛手となった。コロナ禍で生活様式が変化し、商談や「時間つぶし」、「勉強」などの需要も減っている。先行きが見えず、債務超過に転落する前に廃業を決断したとみられる。 オミクロン株の流行拡大で、1月に入り「まん延防止等重点措置」が東京などに適用された。在宅勤務が増え、需要回復は期待できない。2022年は廃業だけでなく、息切れによる倒産増の可能性も高まっている。」 コーヒーがほしいだけなら、コンビニでも安く買える。 ちょっと奮発すればスタバやドトール、タリーズ、サンマルクなど、従来の喫茶店とは違った店ができた。 喫茶店というのは、ちょっとゆったりとして、話をするとか、商談するとか、まれには勉強するとかいうことが出来るところだった。 座席のあるチェーン店とはちょっと違うのだ。 まあ、これも昭和とともにどんどん滅んでいくのだろう。 カフェ、というような名前で生き延びようとしているところもあるが、やはり似て非なるものになる。 オミクロンの蔓延防止措置で、また喫茶店にも冬の時代。 国や自治体がその首を絞めている。 いい加減にしてほしいものだ。 |
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