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2022.02.06 Sunday
宇野重吉
「寅次郎夕焼け小焼け」を何度目かでBSで見た。
この作品、何度見てもいい。 芸者役の太地喜和子もいいが、日本画家を演じる宇野重吉がいい。 何度も見ていると、役者の渋さがわかってくる。 太地喜和子は若くして亡くなってしまった。 脇役で好演している桜井センリも亡くなった。 もちろん、宇野重吉も亡くなった。 宇野重吉の若い頃はぼくは知らないが、そこにいるだけで絵になる役者という感じ。 そんなに派手な役者ではないが、味のある人だった。 ぼくがもう少し早く生まれていたら、舞台が見たかった。 著名な絵描きでありながら場末の飲み屋で飲んだくれて、寅次郎に連れられて寅屋に厄介になり、そこを旅館だと思って好き放題をする。 その演技が本当に等身大のものだ。 この作品、最後の方で寅次郎が画家を訪ねて、絵を描いて売ってくれと頼まれ、断るところは本当にいい場面だ。 数ある「男はつらいよ」の作品の中でも秀逸なやりとり。 兵庫県のたつの市の風景も手伝って、ぼくにとっては、この時代に生まれて、この映画が見られてよかったと思える作品。 宇野重吉は芸達者だった。 |
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