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2021.12.27 Monday
ブリヂストンのリストラ
タイヤの大手のブリヂストンが事業の再編を発表した。
基本は本業に集中するために、収益率が低い事業を売却する、という方針。 防振ゴム関係を中国の企業に、自動車部品などの化成品は投資ファンドに売却する。 国内外の拠点22箇所を譲渡して、従業員7886人に転籍を求めるという。 さすがブリヂストンという感じ。 ミシュランと世界で闘っている会社だけのことはある。 ドライな経営判断だと思う。 ドライというのは、国内の従業員2773人も含めて、7886人が会社を変わるということだ。 日本では従業員に会社を辞めさせる(この場合は転籍ということだが)というのは、感情的に嫌われる。 経営者としては、最もやりたくないことだ。 それでも、今やらざるを得ないというのは、強い経営判断があったのだろう。 社長の石橋秀一氏は、創業者の一族かと思ったら、そうではない。 偶然創業者と同じ名字だったということだ。 となると、創業者でもないのに、この再編を発表したというのはスゴイことだと思う。 いろいろ批判はあっただろう。 入社後30代で当時買収したアメリカのファイアストンの立て直しに行って、10年以上アメリカで暮らしたという経歴だから、米国式の考え方を学んだのかもしれない。 さらに、先日の発表では「タイヤ工場など世界で約160ある生産拠点を2023年までに19年比で約4割減らすと発表した。タイヤは汎用品の拠点を重点的に減らすほか、非タイヤ事業では事業売却などに伴う拠点の削減も見込む。タイヤ事業では中国勢などとの価格競争が厳しく収益が悪化。20年12月期は69年ぶりの最終赤字に転落しており、生産体制を抜本的に見直す。」とのこと。 不毛な汎用品でのシェア拡大をやめて、高付加価値の製品だけにして儲けようという戦略に見える。 同業他社も、この発表を聞いて焦っているのではないか。 長い目で自動車産業を見たら、シェアリングによって台数は減る方向にいくだろう。 だからこそ、高付加価値のものだけが生き残るという考えに立ったと思われる。 本当に自動車業界も大変な時代になってきた。 |
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