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2021.12.24 Friday
講談社とアマゾン
講談社とアマゾンは長らく緊張関係にあったらしい。
日本では、書籍や雑誌の流通システムは取次の会社を通していたが、最近は取次が中抜きされるようになったきた。 さらに、書店の数が減って、アマゾンが通販で存在感を持ち、出版社からアマゾンが直接読者に販売するというルートも増えた。 出版社の中では、講談社はかたくなにアマゾンとは一線を画してきた。 しかし、今年の9月についにアマゾンと直接取引に踏み切ったとのこと。 講談社も、長いものには巻かれろということになったのだろう。 誤解を恐れずに言えば、日本独特の流通形態が外資によって効率化されたとも言える。 以前は注文しても1〜2週間待たされる状況だったのが、アマゾンなら翌日に届くという例もある。 取次を中抜きすることで注文する方も良くなったのだ。 知らなかったが、週刊誌の電車の中吊り広告も減っているらしい。 そう言えば、以前より見る機会が減ったように思う。 主要4誌(週刊文春、週刊新潮、週刊ポスト、週刊現代)はすでに中吊り広告を止めたとのこと。 なぜかというと、みんなスマホを見ているからだ。 一部の電車では動画コンテンツを流しているということもある。 こんなところでも、アナログからネットメディアへの動きがあるということだ。 大手の出版社の業績も好転している。 引っ張っているのは、電子コミックを中心とする電子書籍。 流通経路が決まり、海賊版も減ったのかもしれない。 息子が大学生の頃は、よく家のパソコンでコミックを見ていたのを思い出す。 今回の講談社のアマゾンとの直接取引は「講談社現代新書」「ブルーバックス」「講談社学術文庫」のすでに発売しているものだけだという。 しかし、いずれは全面的になるのだろう。 それだけ出版社の今までのビジネスは、ピンチになっているということだ。 たしかに、ネット上には無料の文字や写真が溢れている。 それらを見たり読んだりしていたら、本など買って読む暇はない。 特に、雑誌などは多くは広告がらみの記事も多い。 趣味の雑誌など、新製品の紹介とか、こんなふうに使っているというようなものだから、完全にネットで代替えできる。 よく考えたら、雑誌の役割の多くの部分はネットに取られる運命なのだ。 ぼくはSNSでヤマハやローランド、コルグなどの楽器メーカーをフォローしている。 新しい製品が出たら教えてくれるし、Youtubeで気になる製品のレビュー動画を探せばすぐに見つかる。 なかには金をもらってやっているような怪しいやつもあるが、それはチャンネル登録者数や「いいね」の数などで判断できる。 そう思うと、雑誌の生き残りはとてもむずかしい問題だろう。 出版業界は頭が痛いだろうなあ。 |
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