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2021.11.27 Saturday
同期の訃報
新卒一括採用で同じ年に入った人を「同期」と言う。
他にも同期という言葉は使うことがあるが、同期入社の意味の同期は、ぼくのような昭和のサラリーマンにとって、なんとなく思い入れのある言葉だ。 47歳で転職した次の職場は4月で新卒と同じだったが、他の入職者は若かったので、同期というような感覚はない。 学校時代の同級生は、やはり同級生であり、「同期」ではない感じだ。 その同期がまた一人亡くなった。 男性の同期は20人ほどいたが、二人目になる。 今の基準でいえば、あまりにも早い。 畑は違うが、同じ会社を相手に仕事をしていたこともあって、同期では仲が良かった。 ぼくが辞めてからも何度か会った。 今年、初期の胃がんが見つかって、3月に再雇用を辞めて、その後もメンタル面のこともあり、入院していたとのこと。 命日は11月6日だった。 ご家族で葬儀は終えたのだろう。 家にも行ったことがある。 いつもギャグを飛ばしていたが、根はクソまじめなやつだった。 そのクソまじめさが災いして、当時会社がやっていたことに憤慨したりしていた。 会社時代に、何度か一緒に飲んで、ボヤキを聞いた覚えがある。 でも、家族が病気になったりして、会社を辞めることもできず、いろいろと悩んだのだろうと想像する。 ぼくが辞めた後も、メンタル不調で会社を休んでいたこともあったはず。 再雇用の仕事も、彼としてはあまりやりたくない仕事だった。 最後に会った時も、会社を辞めたら、仕事の関係で海外とのつながりもあり、そういうところの出先になってやれたらいいのだが、などと言っていた。 その夢はかなわないまま、亡くなってしまった。 昔の基準では若くないが、高齢化社会になった今、66歳は「若いのに…」という評価になる。 結局、仕事をするために生きたようなものだ、とか思われたりする。 ぼくの勝手な考えだが、彼にとってはそれでもよかったのではないかと思う。 気の毒だ、気の毒だと言われるのは、彼の本意でもないだろう。 心残りはたくさんあっただろうが、それはいつ死んでも同じことだ。 こちらにも、彼に関して心残りはある。 せめて、もう一度会って、今何を考えているのか聞きたかった。 それはぼくが彼岸に行ってからのことになる。 |
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