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2021.11.09 Tuesday
家族の写真
いよいよ実家を売却することになって、先週末に弟と実家のものを見に行った。
もう実家を出ていってから40年くらい経つから、ぼくらのものはほとんどない。 押し入れの奥の方から写真が入った木箱とアルバムが出てきた。 子供が小さい頃の写真を撮るのは何処も同じだ。 ぼくや弟が小さい頃の写真もたくさんあった。 まだ元気な100歳のおじさんの写真も出てきた。 父母の結婚式の写真や父のマンドリンクラブの写真、会社の登山クラブ?の写真などもあった。 どうしようかと思ったが、もうこれらの写真を見て懐かしむ人もいない。 ちょっとだけ残して、母のホームに持っていって見せることにした。 当時の写真だから、当然モノクロ。 プリントサイズもぼくらにとって当たり前のサイズではなく、名刺くらいの小さいサイズだった。 それが普通にみんなに配る写真のサイズだったのだろう。 1950年から60年くらいのことだ。 ぼくが小学校1年の時に亡くなった祖父の葬式の写真があった。 それも、写真屋さんが取ってくれた写真。 ちゃんと厚手の紙に挟んで大きく引き伸ばしてくれている。 当時は葬式の日に、写真館の人が来て記念の写真を撮るという風習があったのだろう。 これには驚いた。 もう六十数年前の写真もたくさんあった。 南方で戦死した父方の祖父の葬儀の写真も出てきた。 セレベス島というところで行われた、兵隊さんがたくさん写っている写真。 写真の裏に鉛筆で葬儀の風景と書いてなかったら、そうとはわからなかった。 家族の歴史の記録でもある。 でも、そんな歴史を思い出して語れる人もいなくなったら、もう残しておいても仕方ないだろう。 きっと日本中でそういう写真がどんどんなくなっていっている。 昭和はどんどん遠くなる。 それは事実だから、仕方ないのだ。 でも、平成・令和になって、世の中の写真がデジタルになり、飛躍的に増えて、それらの多くはクラウド上にある。 だから、平成や令和は遠くならないだろうか…。 世の中は確かに変わった。 今の若い人たちが年寄りになる頃、どう思うのか、興味はある。 それを知ることはできないだろうけれど。 |
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