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2021.10.11 Monday
弓木英梨乃
最近テレビは録画した時代劇やアニメ映画、海外ドラマの再生機になって、いわゆるテレビ番組はほとんど見なくなった。
ネットを見ていると、いろんなギタリストがいる。 こないだInstagramで弓木英梨乃という女性ギタリストを見つけた。 この人は若いのにすごくうまい。 テクニックもすごいのだが、それよりも屈託なく音楽を楽しんでギターを弾いているという姿がとてもいい。 ぼくらの若い頃のギターは、いろいろな屈託があった。 ジョーン・バエズやボブ・ディランなどが反戦歌を歌っていて、そういう色がついていた。 昔の新譜ジャーナルなど、そういう曲ばかりだったなあ。 エレキギターは当初は不良の持つものと言われたりして禁止されていた。 四畳半フォークなどと言われた時代も、安保反対の色が薄くついていたと思う。 そんな時代だったから、レコードが売れたりするとコンサートで「自己批判しろ!」などと言われたのだ。 そのせいか、男性のギターYoutuberには「ギター道」を感じさせる人もちらほらいる。 道は極めるものなのだ。 そのためには、修行をしないといけない…、という感じのギタリスト。 少なくとも、ニコニコしながら、「ギターって楽しい!」というような男性ギタリストは少ないと思う。 しかし、彼女はいつも笑顔で、「ギター道を極める」などという感じは全くない。 ギターを習っていたりしたそうだが、本当にギターを弾くのが好きで好きで仕方ない、という感じ。 あれから50年ほど経って、ついにそういう色が取れたのだ。 本当に楽しそうに弾いていて、見ていてこちらまで楽しくなる。 若いときからステージに立ってプロの活動をしている。 実力は文句ないのだ。 特にうまいのは、リズムギター。 カッティングというのだが、単にコード伴奏をするだけではなく、そこに単音のオカズをいれる。 さらに、それをリードに繋げていく。 リードギターもリズムにノッて上手に弾く。 見ていて気持ちがいい。 ギターもたくさん持っていて、それを紹介するYoutubeの動画を見ても、ギター愛が感じられる。 キリンジというバンドで一時メンバーとしてギターとボーカルをやっていた。 でも、今年の6月にクアラルンプールの音楽学校に留学して、しばらくは日本での活動は休止とのこと。 ギタリストの高齢化ということを2018年に触れた。 たった3年ほど前だが、あの頃はYoutubeをほとんど見なかった。 それは完全に間違いだった。 若いギタリストはたくさんいるが、ぼくが知らないだけだった。 そんな若い人たちはテレビに映らないところで活躍していた。 本当にテレビの世界は高齢化している。 見る方も、出る方も高齢化なのだろう。 テレビの世界とネットの世界は交わらない。 世の中は、テレビを見る人と、見ない人に分断されてしまった。 弓木英梨乃を見ていて、そんなことも思った。 |
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