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2021.09.05 Sunday
「グリーン成長」再び?
「10年前から言い続けているグリーン成長」という記事を見た。
そういえば、昔そんな事言っていたなあと思う。 2009年に鳩山内閣が出した成長戦略。 内容は、「グリーン・イノベーションによる環境・エネルギー大国戦略」という見出し。 そこには、2020年までの目標として、威勢のいい言葉が並んでいる。 ・50兆円超の環境関連新規市場 ・140万人の環境分野の新規採用 ・日本の民間ベースの技術を活かした世界の温暖化ガス削減量を13億トン以上とすることを目標とする その後、東北の震災があって、日本中の原発が止まり、太陽光発電のメガソーラーが雨後の竹の子状態になったが、そのブーム以降はあまり進まなかった。 環境関連の新規市場ができて、140万人が採用されたという話も聞かない。 まさに、失われた20年の一部で、成長率は低めで安定し、いくらお金をジャブジャブにしてもインフレも起きないという状況が今に至っても続いている。 一方、再エネ発電のために賦課金が電気代に上乗せされ、電気代は高くなって、潰れた工場もあった。 原発を止めたおかげで、毎月何千億円という高値でLNGを輸入したこともあった。 ぼくが会社に入ったのは1979年で、第二次オイルショックの時。 だから採用人数も少なかった。 工場だけでなく、事務所も節電して、蛍光灯一つずつにスイッチがぶら下がっていた。 結果的にこのときの省エネの努力は、その後の日本産業の強みになったと思う。 省エネは儲かるのだ。 でも、再エネは儲からない。 無理やり不安的な再エネに頼ろうとすると、バックアップの電力が必要になる。 産油国で石油からアンモニアを作って、クリーンな電気を作ろうとしているが、それは産油国にCO2を付け替えているだけだろう。 いずれ、破綻するのは目に見えている。 蓄電の技術が安価にできれば、再エネも使い物になるだろうが、今のままでは不安定で使えない。 だからこそ、賦課金が必要になる。 結局、再エネは補助金なしには使えないのが実情なのだ。 また今年グリーン成長戦略みたいなことを言っている。 過去の過ちをちゃんと振り返れば、おかしいとわかるはずだ。 少なくとも、多額の税金を投入しないと、そんなもの民間ではやれない、ということを明らかにしてほしいものだ。 きれいごとばかり言っていては、議論ができない。 みんな、本気で再エネにお金を払う気があるのだろうか…。 日本の排出量はたった3%。 省エネ技術を輸出をするほうが、よほど貢献できるというのに…。 |
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