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2021.08.24 Tuesday
新卒一括採用の問題
日本の新卒一括採用の問題点は、どんな人材がほしいのかを明確にしないことだろう。
理系はある程度仕事内容とジョブのマッチングをしているが、文系に至っては何もない。 だから、ほとんどの文系の求人は全学部、全学科で学部や学科の指定、学んだことの指定がない。 ついこないだベトナムの留学生から驚かれたところだが…。 ジョブ型だ、メンバーシップ型だという議論はあるが、アメリカではインターンを含めた経歴が重視されるという。 要は新卒という考え方がないのだろう。 何ができるか?ということが雇う際の基準なのだ。 1980年代にフランスに行ったときも、大卒なら1年目から課長というような雇い方があって、びっくりした。 聞くと、大手の自動車会社で数ヶ月インターンをしたと言っていた。 一般の社員は、企業内組合に守られているのではなく、産業別の労組に入っていてそちらで団結する。 だから、一つの企業内に何種類かの労組があって、ややこしいと聞いた。 要するに、この業務ができることの対価として給料が払われる、という考え方なのだ。 完全にジョブ型だ。 それに対して、日本の新卒はポテンシャル採用と言われている。 高度成長時には、新卒一括採用で、終身雇用、年功序列、企業内組合の3つのセットで強みと言われた時代もある。 でも、それはあくまで高度成長時代でどんどん企業が大きくなって、いくらでも人が必要だった時代の話。 仕事も欧米のキャッチアップがメインだった時代。 もう今では時代遅れになってしまった。 この30年はネットが発達して、効率化や新しいやり方が進んだ時代。 あるところまでは、そのメリットを享受できたが、ここ10年ほどはもう苦しくなったと思う。 トヨタやパナソニックが数千万円の退職金を上積みしてでも、社内の上の方でよどんでいる人たちを追い出そうとしている。 結局、古い会社はそこがすべての改革のネックになっているのだと思う。 終身雇用を前提としているが、今やどこの会社の採用情報を見ても、中途入社は当たり前になってきた。 これも大きな変化だ。 必要な人材を必要なところから、いつでも招き入れる。 問題は必要でない人たちが居残っていること。 時代の進歩や変化についていけない人たちがたくさんいる。 その人たちが、会社を辞めて、今までのノウハウを活かせるような場所で働けるようにしないといけない。 公務員も含めて、そういう体制にしないと、日本は良くならないと思う今日この頃。 雇用は重大な問題だ。 |
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