考えたこと2

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VWの戦略
ドイツの自動車業界の中心はVW(フォルクス・ワーゲン)。
VWはディーゼルの燃費でズルをして大きな失敗をした。
それまで、日本はトヨタを中心とするハイブリッド、欧州はディーゼルエンジンという図式で走っていたのだ。

VWの失態で、ディーゼルエンジン自体の調子も悪くなり、欧州勢はいきなりピュアEVに舵を切った。
今やドイツ勢にとっても大事なお客さんとなった中国が、EV化を進めているのもある。
欧州の脱炭素の動きもあって、EV化の圧力は高い。

しかし、リチウム電池の製造にはかなりの電力を使うらしく、必ずしもピュアEVのトータルのCO2排出量は小さくないのだが、走行中にCO2を出さないというのは印象がいい。
新しい車という感じもある。
また電力を原発や再エネで作れば、電池製造時のCO2はカウントされなくなる。

日本勢は当分ハイブリッドとPHVでいきそうな気がする。
エンジンを捨てるとなると、自動車会社の裾野がなくなるから、なかなか決断ができないのだ。

それはドイツも同じだろうと思うが、雇用慣行が違うので産業の組み換えが日本よりはマシなのだろう。
ただ、必要な人の数はだいぶ減るのは事実。
約1万点くらいの部品が要らなくなる。

ドイツの部品メーカーも、電動化に舵を切ったのだろう。
長年積み上げてきた内燃機関の技術を捨てるのは容易ではなかったと思う。
それでも、VWは外から社長を迎えて、EV化を進めるという。

今のディース社長は2018年から、労働組合と対立を経て、2025年までの社長が確定している。
ハイブリッドを含む電動化に遅れを取ったからこそ、ピュアEVで行く、と決めたのだろう。
2015年にディーゼルの不祥事が発覚し、追い込まれてここまで来たのだ。
ただ、経営陣はEV化では雇用は減らない、と言っているらしい。
今雇っている人は減らなくても、これからの人は抑制するのだろう。

今の所、EVの専業メーカーであるアメリカのテスラを抜き去ることが目標らしい。
2018年から5年間で約5兆7000億円の投資計画を立てて、EVにシフトしたのだ。

だが、希少金属であるリチウムがネック。
今でもEVは電池のおかげで値段が高い。
補助金がなくなれば、価格競争力はないだろう。
新しい物好きの「アーリーアダプター」層がEVを買っているという分析。

一方、既存の自動車に何のしがらみもテスラは、どんどん新しいEVを開発していく。
テスラ車の分解レポートなどをみると、びっくりするような効率的な仕組みをしていると聞く。
パソコンにモーターをひっつけたようなクルマになっているのだろう。
それでも、だいぶガソリン車よりは高いのが現実。

VWは傘下のアウディに最新技術の開発を任せることにしたらしい。
ディース社長は去年の9月、テスラのイーロン・マスク社長を招いて、VWの最新EVであるID3に2人で乗ってEVについて話し合ったとのこと。

VWは2030年にはピュアEVの販売比率を5割にするという。
そのためには、クルマのソフトウェア化に対応して、パソコンのようにアップデートがいつでもできるようにする必要がある。
さらに、自前でバッテリーのコストダウンの開発もするという。

対するトヨタを筆頭とした日本勢はどうなるのだろう。

日本は雇用の特殊事情があるから、そう簡単にEVオンリーにシフトはできない。
さらに、カーシェアなどが進めば、自動車自体の需要も減る。
本当に悩ましい自動車業界。

25年間関わった業界だけに、シュリンクしてしまうのは残念なのだが…。

まだまだどうなるか、わからないと思う。

| hdsnght1957kgkt | 考えたこと | 21:52 | comments(0) | trackbacks(0) |

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