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2021.07.20 Tuesday
高校野球の体質
ネットでは高野連の体質がいろいろと批判されているが、今日は野球部の学生と話をして、古い日本のスポーツ指導者の体質を感じた。
これは野茂が大リーグに行くときにも問題になったり、イチローがコーチの言うことを聞かなかったりしたことともつながっていると思う。 もちろん、高校野球の「投げすぎ」問題もそうだ。 その野球部の彼は、高校では試合に出ていたのだが、練習はとにかく走り込みして、投げるという状況だったとのこと。 3年間猛練習をしたが、成長した感じもなく、球速も遅いままだったらしい。 大学に入って、野球で使う筋肉の鍛え方などを勉強し、そういう専門家にも聞いてそれを実践して、入学後3年で球速が10キロ速くなった。 やはり科学的な練習をすることが大事で、練習の時にはその意図を理解して動かないといけない。 チームメイトも最初は疑っていたが、彼が10キロ球速を上げて成果で示し、チームの理解も得たという。 試合に出られなくても、自分の知識で貢献できたという喜びを知ることができて、試合に勝った時にメンバーから「お前のおかげや」と言われてうれしかったという。 ぼくは質問で、そのやり方を出身高校の野球部の監督に伝えたか?と聞いたら、彼は「それは無理」という答え。 昭和生まれの監督は、とてもそんなことは聞かないだろうという。 だから、陰でそういうことを伝えているとのことだった。 実際に自分が成果を感じ、それが出ているのに、根性論で封殺されてしまうと思ったのだろう。 それまでの人間関係もあるのかもしれない。 しかし、これを聞くと、高校野球の指導者の頭の固さがよくわかる。 そういう彼も、高校野球の球数制限についてはどう思う?と聞くと、「本人が納得いくまで投げるべき」という意見。 「しかし、それで一生野球ができなくなってもいいのか?」と言うと、困っていた。 そういう教育を受けると、いくら「科学的な練習を」と言っていても、「やりきる」ことが大事になるのだろう。 だからこそ、ルールで球数を制限するということが大事だと思うのだが、短い時間の面接練習ではそんなことまで議論できない。 非常にフランクな話し方で、好感の持てるスポーツマン。 それを生かして望みの所に行ってほしいと思う。 でも、教育の効果は大きい。 たとえそれが負の教育であってもだ。 まあ、それは個人の価値観の問題といえばそれまでだが…。 |
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