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2021.06.22 Tuesday
ロックの終わり
70年代、80年代のロックというのは、ハードなものから、フォーク調のものまでたくさんあった。
代表的なものといえば、やっぱりハードなもの。 レッド・ツェッペリン、GFR(グランド・ファンク・レイルロード)やディープ・パープルなんかは日本でも流行った。 ぼくは1977年に初めてのエレキギターを買ったが、それはレスポールのモデルだった。 エレキの老舗といえば、ギブソンとフェンダーの2社。 レスポールはギブソン製の代表モデル。 当時は、出力の大きなハムバッカーピックアップを搭載したレスポールが人気だった。 ところが、ぼくがギターを習い始めた2005年くらいから影が薄くなった。 先生はフェンダーのテレキャスターというモデルを使っており、ぼくもそれにならって買った。 どういうわけか、レスポールモデルを使う人が減ったのだ。 それと同時に、ハードロック、というジャンルが、メタルに取って代わられたのだと思う。 音楽をジャンル分けすることにそんなに意味があるとは思わないが、ハードロックとメタルはやっぱり違う。 ハードロックには「反逆」のイメージがあるが、メタルにはない。 もともとハードな音楽は好きではなかったが、ハードロックにはそういう政治色がまとわりついているように思う。 それがベルリンの壁が崩れたあたりから変わった。 冷戦の終結が、ハードロックの終わりを招いたように思う。 その頃から、アメリカの分断が始まり、その中でラップなどの黒人音楽が出てきたのではないか。 国をまとめていた冷戦の意味は大きかったのだろう。 その盛衰とともに、ギブソンの代表であるレスポールが見られなくなった。 そして、数年前ギブソンは破産申請した。 今は再建されているが、レスポールの影は薄い。 ギブソンのエレキギターはフライングVとか、エクスプローラーとか、武骨なものも多い。 その形と出力の大きいハムバッカーというピックアップの組み合わせが良かったのだろう。 今のギブソンはどちらかというと、ボディ内に空洞があるセミアコースティックのエレキギターがよく見られる。 時代は変わったのだろう。 再建されたギブソンがこれからどんなモデルを出してくるのか、楽しみだ。 ロックが終わって、武骨なものが流行らなくなった時代。 スマートなもののほうがいいのだろう。 新しいギブソンスタンダードはまだ模索中だ。 |
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