考えたこと2

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中高年の引きこもり
80代の親が50代の子供の面倒を見る、というのが中高年引きこもり問題。
俗に言う「8050問題」だ。
これだけ長く引きこもっていると、当事者の80%に精神障害があるという。

人間はお互いに関わって、関係の中で生きていく生物だ。
その最小単位が「家族」だろう。
それさえ拒否しているのが「引きこもり」という状態。
80歳を超えた親は本当に心配だろうと思う。
自分の寿命が迫ってきているのに、子供が独立していないという状況は、当事者でないとわからないが、切迫したものがあると思う。

第三者の介入、互助的な家族会や精神科での相談などが有効だという。
各都道府県の「ひきこもり地域支援センター」や「精神保健福祉センター」なども利用できるという。
そんなセンターがあったのかとびっくりした。

引きこもりに関わってきた、筑波大学・医学医療系教授の斎藤氏は記事で言う。

「世界中が自粛生活に入り、ひきこもり当事者は楽になったかというと、そうでもなく、彼らの苦しい状況は相変わらずだったと感じています。自粛期間中は路上に人がいなかったので、世間体を気にせず外出しやすくなった人はいました。しかし、四六時中親がいるような状態では、家族間の摩擦も増え、以前より強いストレスを感じていたはずです。
私が一つだけよかったと思えるのは、今回、ひきこもり生活を大勢の人が体験したことです。実際のひきこもり対応でも、親御さんがひきこもっている子に対して、共感的に理解する・接することが非常に重要です。
「コロナうつ」という言葉がはやったように、行動が制限され、誰とも会えない状況は誰にとっても苦しいものです。あなたなら、何年もの間、そのような孤立状態に置かれることに耐えられるでしょうか? 多くの人が、当事者の置かれている状況をリアルに想像できたり、共感しやすくなったことは、唯一よかったことだと思います。」

そうらしい。
本当は引きこもっている本人も、何とかしないといけないとは思っている。
逆説的だが「安心して引きこもれる体制づくり」が必要とのこと。

「共感的に接すること、対話を続けること、そして、高齢化問題に対しては、恥や世間体を恐れず、障害者年金や生活保護の受給も視野に入れて、親と子でお金の話をきちんとしておくことです。言ってみれば、「本人が安心してひきこもれる関係づくり」をすることが、親御さんの役目です。
こう言うと、「安心させるだって? 逆効果ではないのか」と思われるかもしれません。ですが、多くの家族はそれと逆のことをして失敗してきています。これまでも「お金がなくなったらどうするのか」「親が死んだら生きていけないぞ」と、本人の不安をあおってきていないでしょうか。しかし、本人の気持ちとすれば、最初はひたすら「放っておいてほしい」「構わないで」に尽きます。誰よりも本人自身が、恥じているのです。
現代人にとって働きたいと思うのは、基本的に「他者から尊敬されたい」という承認欲求のためです。マズローの欲求段階説では、生理的欲求(食べていけることなど)、安全欲求(批判・非難されないなど)、関係欲求(孤立しない・家族関係の安定)を、満たしてあげなければ、承認欲求(就労動機)につながりません。だからこそ、「安心してひきこもれる関係」が必要なのです。」

こう言われると、説得力がある。

究極的には、就労動機は承認欲求だというのが彼の考え。

たしかに、コロナで困っている人たちに補助を出せというのはわかるが、ぼくらはコロナにかからないために生きているのではないから、結局は「承認欲求」を満たせないとダメなのだ。
だから、いくら補助金を出しても、現役の人たちの自殺は増える。

話がそれた。

8050問題を解決するのに、時間は残っていない。
親子の対話を続けないといけない。
良い対話の条件が示されている。

●対等であること
●安心・安全であること
●(できれば)3人以上であること
●話をしっかり聴き応答すること
●話題は、不要不急の、役に立ちそうもない、くだらなくてすぐに忘れてしまうようなことが望ましい
●主観的な感想を伝え合うだけでいい
●結論を出してしまわないこと
●目的は対話を続けることにある

これも言うは易く、行うは難しだろう。

この問題は難しい…



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